
汐留のベヒシュタインホールにて、オールショパンのピアノリサイタルを聴く。終演後言葉も出ないほど感動した。最後のスケルツォ二番は特に泣けた。指の置き方一本一本に熱と情がこもっていて、ニックの弾き方にとても似ている。チェリストの家族でいると、バッハ、ベートーベン、ブラームス、シューマンを愛する機会が自然と多くなる。たまにユジャワンとか福原彰美のピアノリサイタルへ行くと、自分がどれほどショパンが好きか改めて実感する。長女がお腹に居る時は何故かショパンしか聞きたくなかった。長女が今もピアノ大好きなのは胎教のせいかもしれない。汐留のイタリア街は、マンハッタンのダウンタウンの街角を思い出させるような雰囲気。
翌土曜は、祭りで一層混み合う原宿のスタジオを借りて、上海の生徒二人とレッスン。バッハの一番プレリュードのクライマックスの指使いの話。有名なカザルスのフィンガリングで弾くと、登山列車が青空の頂へ登りつめるような感じだが、ピアティゴルスキーフィンガリングだと、川が滝になって流れ落ち空に虹がかかる。実際にそれくらいイメージが違うから面白い。だから指使いって大事なんだね。