ミセスローゼンの道後日記

ヘッドライトに映えて落葉の降りかかる

御殿場プレミアムアウトレットのワインショップ。

ニックが音大教授をしてた頃の生徒。今は髭も生やしてチェリストになってる。先日彼がくれたSNSコメントに、うちはカチンときた。どんなことかというと、先日のメータの第九は本当に素晴らしかった。大指揮者なのにバレエ伴奏に徹し、しかも壮大で、うちは泣いた。心底感動した。それなのに、彼は使い古しのジョーク(指揮者は音を出さない)で、マエストロを揶揄した。これをスルーしたら、うちもマエストロを揶揄することになるから、マジで叱った。彼はすぐ謝ってきた。だからうちもイイね!した。
その後でニックから思い出話を聞いて、怒りは完全に収まった。

怒んなさんなって。そう言えば昔レッスン中に、奴はもっとひどいジョークを言ったよ。それに比べたら可愛いもんさ。

ロールスロイスに何人のユダヤ人が乗れるか? 答えは、座席に5人、灰皿の中に100人。

僕は絶句した。その場でチェロを置いて言い渡した。
「今日のレッスンはなしだ。君とは話をしたくないし、何も聞きたくない。黙って帰りなさい。」
彼は、黙って出て行った。翌日、痛恨の極みの丁寧な謝罪文が届いたから、受け入れ、次のレッスンを予約させた。要するにおっちょこちょいなんだな。後でひどく後悔している顔見ると憎めないよ。僕は彼が好きだよ。
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