リン・ハレルご自身の語った思い出話の中で特に好きなのはこれ。
「ジュリアード音楽院でたまたまイツァーク(パールマン)に会って立ち話した時、前から考えていた事だがと前置きして、”メンデルスゾーンのピアノトリオを一緒に録音したらどうだろう？“と持ちかけてみたんだ。するとイツァークは、にこにこして、だが口を濁して、”今は特にメンデルスゾーンを弾く予定はないけど、将来機会があれば是非弾こう。“と答えた。その後でタワーレコードに行ったら、ニューリリースのイツァークのCDが一面に並んでた。それが、メンデルスゾーンのピアノトリオだったんだよ！ アシュケナージとヨーヨーマとトリオのCDが！ 僕は腹を抱えて笑ったね。イツァークもさぞおかしかっただろうね。」
