お姉さん
孫３号ハルキ君の顔を見に寄る時間はありませんでしたが、一昨日、お遍路日和の太山寺にて、NHK「Haiku Masters」の収録が無事終了しました。築七百年の本堂の屋根に届くクレーンカメラに、二十名に及ぶスタッフと、まるで映画のような撮影でした。中原道夫先生によるニックのご紹介から、音楽と俳句についての座談、世界から寄せられたPhoto Haikuの選句・選評と、全て順調にいきました。ニックは、俳句と音楽が共有する物や違いについて語り、俳人にとっては新しい視点をシェアできたと思います。ニックにとっても中原先生との出会いは新鮮、中でも「写真と俳句の絶妙な距離」について、連句の一句目と三句目くらい離れてみるとよろしいです、という先生の示唆に衝撃を受けておりました。というのも、ニックは連句を知らなかったのです！ 後でニックに、「なんで教えといてくれなかったの。連句を知っていれば、音楽のフレーズと俳句の関係について説明できたのに。」と文句を言われました！ それから、私が中原先生にサインをねだり、先生が書いて下さった句、「つばくろや鐘の中には未生の韻」にもニックは大感動。チェリストの頭の中にも常に未生の韻が溢れているからです。収録の待ち時間にニックがチェロだこを見せれば、先生がペンだこを披露する場面もありました。
座談の後は演奏です。バスで次々押し寄せ金剛杖の鈴を振り、読経し、摩尼車を回すお遍路さんの合間を縫って、境内でバッハの一番プレリュードを熱演。お遍路さんからも拍手喝采を受けました。ニックの頭の上を舞い、太山寺の森を追っかけ合う大鴉たちも壮観でした。
「Haiku Masters」のウェブサイトは英語仕立てですから、世界中誰でも楽しめます。日本文化を尊ぶチェリストとしてそこに登場できて、ニックはとても光栄に思っています。素晴らしい機会をありがとうございました。オンエアーはこちらのリンクから。七月末から八月末まで続くそうです。どうぞお楽しみに！
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/haiku_masters/#post
かしこ
千津&ニック
