ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

スパルタクス-1月8日-

2007年01月09日 | Weblog

JALのFlightは予定通りに到着したので無事昨日スパルタクスを見ることが出来ました。今年最初のボリショイ観劇です。ユーリ・グレゴロービッチの振付けた演目の特集の一環。

配役

スパルタクス: ユーリー・クスフォフ

クラッスス:ネポ

フリーギア:アンナ・アントニチョーバ

エギナ:マリア・アレクサンドロバ

10月21日の配役とエギナがシプリナからマリアに変っている以外は一緒です。10月22日の配役より10月21日の方が上でしたし10月21日のシプリナとマリアを比較すると妖艶さと言う点でやはり年上のマリアが上です(美人度では別ですが)ので結果として今まで見た中でBESTではなかったかと思います。尚特にユーリーとアンナはこの演目が当り役にて登場すると同時に盛大な拍手でした。ユーリーの片手リフトは2度とも見事に成功しこれも盛大な拍手。アンナとユーリーの愛情を感じるバレエは確かに見ものですし片手リフトなどの派手なところも見所。

3度目でしたがこの演目は他のボリショイのバレエ演目と違い場面の半分ほどが男性陣のみの踊りという勇壮さ、力強さを前面に出したバレエで新年早々元気を貰った気がします。

因みに日本より戻る直前に見た映画「硫黄島からの手紙」(セピア色に近いカラーの映像が印象的ないい映画でした)のような戦争の悲惨さを感じさせるというには確かに最後のスパルタクスの槍で突かれる最期の場面とかその後のフリーギアの祈りの幕切れのところで見受けられますがやはり全体としては勇壮な男性陣の武闘派の印象が強い演目ですが晴やかなバレエですのでこれで良いのでしょう。

カテコ動画

1幕終了後

2幕終了後 

3幕終了後 

 

 



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4 コメント

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お初 (Nana)
2007-01-11 11:26:31
どうも。行ったその日の観劇、無事なフライトで何より。最近はロシア行きも昔よりかなり便利になったのでしょうかね。
日本でも昨日のニュースでもロシアのことをとりあげていました。ロシア経済,羽振りがよさそうで。

さて。クレフツォフのスパルタクス、私は日本で’02年に相手パリシナで見、(他、ルイフロフとステパネンコのエギナ)別の日にベロゴロフツェフのスパルタクスでアンナ・アントニチェバとネポロジニーを見ました(エギナはグラチョーワ)
「スパルタクス」はキャストシャッフルすると、キャストごとにまた微妙に違った趣で楽しめるようです。

アンナはこの役を踊りこんでいて、いいと思うのですが、パリシナとの比較でいうと、ラストの表現がやや弱かったので、管理人様の書かれた感想になるのだろうと合点が行きました。パリシナの場合はフリーギアがスパルタクスの非業の死の悲しみから立ち上がって、彼の死を無駄にはしない、彼は死んでもその志はフリーギアや、誰かに引き継がれていくだろう、というような崇高な印象を残すもの。作品の意味が最後に鮮明になる感動的な終わり方でした。

当時すでにパリシナは容姿もアンナのほうが若さが勝っていたし、ボリショイ東京公演で主役をやるほどの人にはみえなかったけれど。夫ユーリとの夫婦愛の表現は完璧で。(ザハロワが夫婦のペアは難しいといっていたけど、ユーリ、パリシナはそれを克服したのでしょか。夫婦や恋人のペアってやっぱり情感がいいなと思います。)予定はカプツォーバのフリギアだったので、彼女の役をとっちゃったのかしら??とも思ったけれど。ユーリ最高のスパルタクスを見せてもらうには最良のフリギアで、複雑な気持ちでした。パリシナが居ない今はアンナが一番無難なフリギアかもしれません。パリシナも、もっと昔のフリギアたちを継承し発展させたのがあの形だったのでしょう。

最近はベロゴロフツェフよりクレの方がよく出るのでしょうかね。二人ともそれぞれ面白かったです。ユーリは起承転結が明快で演劇的。前のブログにあるとおり、最後は確かに剣を自らかなぐり捨てて天晴れな最期。その解釈をこのブログ10月で知りました。エネルギー配分を心得たベテランらしい踊り。ソ連的な理想的男性像。ベロガロフツェフは、勢いにまかせたセーブかけない応援したくなるような踊り。苦悩の表情が印象に残ってます。

ルスラン・プローニンほか牧夫、羊飼いの少女、脇役固定の人が何人も居て主役だけでなく皆がスパルタクスの世界を生きているようでした。演奏(ボリショイ管弦楽団、たぶん1軍?)も最高でしたね。
ところで終演遅い時間ですよね。帰路はかなり寒くないですか(愚問)自家用車とかでお帰りなのでしょうか?タクシーとか、地下鉄?徒歩?初心者な質問ですみません。
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クレフツォフのスパルタクス (管理人)
2007-01-11 14:01:09
Nanaさん
そうですね。実は未だベロゴロフツェフのスパルタクスは見たことがありませんので比較出来ません。今シーズンでスパルタクスは10月に2回、1月5日と8日の2回と4回しかやっておらず3月末までに次回の予定が入っていないのです。それもあって到着日の眠いところ無理して今回行きました。この4回の内3回がクレフツォフのスパルタクスですので今はクレがこの役の当り役で定着しているようです。片手リフトの見せ場もありますし身長では劣るものの顔はクレの方が分があるのでは。ベロは以前素顔でお会いしたら中々好青年でしたが舞台では可也荒々しく見えますよね。わざとでしょうが。
パリシナは残念ながら見たことが無いので何とも。
さて今シーズンの世界的な暖冬は当地も例外ではなく現在街に雪がありません。今朝は+5度で雨が降っています。異常気象ですね。
足は車を運転しています。前シーズンには観劇が終わった後に車に積もった雪掻きをしなければいけない日が可也ありましたが今シーズンは皆無です。個人的には雪明かりで暗い街が多少明るくなるのである程度は雪が積もってくれた方が良いんですが。ロシアの冬らしくない天気です。昨年のようにマイナス35度というのはTOO MUCHですが。
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暖冬! (Nana)
2007-01-12 20:04:02
そうだったんですか!寒いという先入観が・・。そういえばテレビでもそんなに寒そうじゃなかった・・。

愚問したおかげでこの日の日記の貴重さを再認識です。バレエの世界は変化が早くなってきていて、行った方がいい時もあるかもしれませんね。時差疲れを押しての観劇、貴重な画像をありがとうございました。
今ある演目、ダンサーの入れ替わりもあると考えています。いつ終わりがきてもいいように。でも、御身大切に。

ルンキナが「バレエ芸術についてはソ連時代の方がよかったと考えている人が多い」と発言していたのですが、実際日本の観客からも似たような意見を聞いています。バレエは金食い虫なので、やはり資金余力のあるとこがスポンサーになっていないとそうなるのは必然だったと思います。
クレはポソホフがいたころからこの役を踊ってて、振付家グリゴロから直接指導された最後のスパルタクス。その意味でバレエ団からの尊敬をうけてるダンサーだと。グリゴロの気に入りだったわりに、他と違い追い出されず、一度外に出てもここで踊り続けてこられて、処世術のある人なのだと思います。今となってはボリショイの伝統の象徴の一人。この役は大変ハードで、そろそろきつくなってくるキャリア、年齢のはずなんですが。ベロはこの難役を、その後を継いだダンサーでしたが、このごろ出ないので今は見ないほうがいいかも。あまりいい踊りにならないかもしれないし。ダンサーも人の子でモチベーションや、重用されるダンサーのほうがコーチも熱心だったりとかあるでしょうから。

こんなハードな役を踊ってるだけで尊敬で、自分にはこの二人に優劣はありません。人によってはクレを高く評価するでしょう。バレエ初心者にはベロかな。ミスは出してたけど。スパは顔のいい役ではないと思ってました。ワシーリエフもムハメドフも自分を美男とは思ってなかったです。ウヴァが踊ってやっと美男系も踊れる役になったような印象で。(各人略称失敬)

では。
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暖冬 (管理人)
2007-01-13 16:48:46
Nanaさん
いつもながら詳細なコメントありがとうございます。
昨日は一寸雪がぱらつきましたが今朝は雨模様です。
さてバレエが金食い虫というのは全くその通りでソ連崩壊後ボリショイにしてもマリイインスキーにしても混乱の時期があったようですしソ連時代と比べてバレエダンサーの(特にプリマなどTOPの)特権階級並みの扱いが無くなっているのでルンキナの発言になるのでしょうね。今年からボリショイはクレディスイス銀行がGeneral Sponsorになってパンプのトップに表示されるようになりましたがソ連時代の金の掛け方とは民間企業では違うでしょうし。それでも本Stageと現在のNew Stageの二つを維持、改修している資金は国から出ている訳で現在のロシアの原油高、資源高に支えられた好調な国庫のお陰でしょう。
又1月5日の朝日新聞にK カンパニー熊川さんのことが出ていましたがTBSをスポンサーに付け年間50回の公演10万人動員、バレエスクールまで創設とは大した物ですね。吉田都さんも昨年末よりJOINされて今の日本を代表するバレエ団のようで是非次回日本帰国時には見てみようと思いますがNanaさんの同バレエ団への評価は如何でしょうか?5月からの公演は正に海賊のようですね。
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