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2016.9.28 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年09月28日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

2週間ぶりの安値 その背景は…
doitu.JPG28日の日経平均株価は、200円を超える値下がりとなりました。値下がり率の上位に来たのが銀行や証券会社など金融関連の株です。その背景のひとつには、ドイツの金融大手であるドイツ銀行が住宅ローン担保証券の不正販売をめぐってアメリカ政府から1兆4,000億円を請求されていることがあります。このことで、経営難に陥るのではないかとの懸念からドイツ銀行の株価は今週最安値を更新しました。ドイツ2位のコメルツ銀行も9000人の人員削減を検討しています。
政府やECB=ヨーロッパ中央銀行が支援に乗り出すとの見方が多いですが、このようなヨーロッパの銀行の経営不振が世界の銀行の業績に影響しないか警戒されています。こうした動きに対して三井住友アセットマネジメントの石山仁氏は「ギリシャやスペインに波及することは想定していないので、そういう意味ではドイツ銀行の議論が金融システム不安につながる可能性はないだろう」と話しました。






OPEC“増産凍結”なるか

--アフリカのアルジェリアでOPEC=石油輸出機構が増産凍結に向けた非公式会合を開きます。ニューヨークの山下さんに伝えてもらいます。

《中継担当:米国ニューヨーク/三井住友銀行/山下えつ子氏》

WTI.JPGイランなど積極的に増産を目指す国の抵抗も強く、増産凍結の合意は今回も難しそうです。原油価格は去年末の1バレル=30ドル台から、今年は持ち直して40ドル台で推移しています。ただ、原油の供給が過剰な状態は続いていて、石油メジャーなどはまだ投資を再開できていません。

--これはアメリカ経済にも意外な影響が考えられるようですね。

経済にとっては原油安はガソリン価格の低下を招くので燃費が浮いた分、個人消費が伸びることが期待できます。ただ、現在の原油価格は40ドル台で、去年末の30ドルと比べると少し高いので、年末商戦に向けてプラス効果はやや弱まるとみています。さらにOPECは11月の総会に向けて増産凍結に向けた協議を続けるため、合意できた場合には米国の年末商戦にはネガティブになります。


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■ニュース

“年末年始の計”は秋にあり!
レストラン情報サイトぐるなびが忘年会対策セミナーを開きました。去年の忘年会で成功した店舗の事例など勝ち抜く術を紹介し、多くの飲食店関係者が集まりました。また、同時に全国各地からの生産者などが集まった商品展示会も実施、自慢の一品を持ち込み飲食展関係者に売り込んでいました。ぐるなびによると忘年会を勝ち抜くためにはこの秋から準備万全にしておく必要があると話しました。一方、百貨店では早くも年始を見据えた動きが始まっています。新宿高島屋では、きょうからおせちの予約受付を開始。約850点ある商品の中でも、最近は一段だけのものが人気となっています。その背景には単身世帯とシルバー世代の増加や、和食以外にも洋食や中華も楽しみたいという客のほか、一段ずつ好きなものを組み合わせたいという客のニーズがありました。苦戦する百貨店業界のなかでも、おせちは特に重要なマーケットとなっています。

bonenkai.JPG【忘年会で大成功の飲食店・そのノウハウの秘密とは!?】
書き入れ時となる年末年始商戦をにらんで、もう既に色々な企業が本格的に動き始めている。勝負を分ける秋の戦いを取材した。

日本最大級のレストラン情報サイト「ぐるなび」が忘年会対策セミナーを開催し、居酒屋の店主など多くの飲食店関係者が詰めかけていた。セミナーでは去年の忘年会で成功した店舗の事例など勝ち抜く術を紹介。告知の開始時期やいかにネットで予約を取りやすくするかなど実践的なアドバイスを行った。さらに会場の隣では食材の展示会・ぐるなび商品展示会が行われ、参加した飲食店の人達は忘年会メニューを探す事もできる。例えば、宮城県のベンチャーが作った「いちごのワイン」など。生産者にとっても飲食店業界は大きな取引先になる。この日目立った食材は徳島のブランド肉・阿波尾鶏や宮崎牛のサーロイン、女性の為のダチョウ肉やアボトンだった。イタリアンレストランのオーナーは10月に新メニューを出して忘年会の下見に来る客を取り込む戦略。今から準備を万全にしておかないと年末商戦には勝ち抜けないという。

【年末年始商戦ヒートアップ!おせちは“一段”がトレンド】
百貨店では年始に向けた動きが始まっている。高島屋ではおせち料理の予約販売が始まった。約850点のおせち料理を用意し、有名料亭やホテルなどの豪華なおせちもズラリ並んでいる。そんな中、単身世帯やシルバー世代の増加もあり少人数向けの一段おせちが人気となっていて、高島屋では更なる需要を見込み一段おせちを去年よりも3割増やした。また和食だけでなく洋食や中華など色々な味を楽しみたいとの客の声に加え、様々な種類のおせちを一段ずつ組み合わせて自分好みのオリジナルおせちを作りたいという客のニーズも高まっているという。秋から早くもヒートアップするおせち商戦は、苦戦の続く百貨店業界にとっては負けられない戦いの1つになっている。
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「点」から「線」で外国人を呼べ
tentosen.JPG埼玉県は、川越市・長瀞町・秩父市という複数の観光地を「埼玉プラチナルート」と命名して外国人にPRする取り組みを始めました。「小江戸川越」と呼ばれ蔵造りの町並みを楽しめる川越は、外国人の知名度もありましたが、川越の先にあり川下りを楽しめる長瀞や、夜祭りで有名な秩父もセットにして楽しんでもらう考えです。この「プラチナルート」に外国人を呼び込むため埼玉県は、鉄道会社と協力し乗り換えが便利になる鉄道パスの開発を検討、さらに旅行代理店とともに観光バスを使い川越・長瀞・秩父を周遊できる商品を充実させます。

【「点」から「線」で外国人を呼べ】
訪日外国人旅行者は年々増えていて、去年は1974万人と過去最高を記録した。ただ外国人観光客の約6割が有名な観光スポットを順に回っていくゴールデンルート(例・東京~箱根~富士山~京都~大阪)に集中しているとのデータもある。そうした中、地方にまでインバウンド効果を波及させる為にはどうしたらいいのか、そのキーワードは「点から線へ」、その取り組みを追った。

【外国人観光客いらっしゃい!“地方”にも来い来い!】
観光セミナーが開かれ、多くの自治体関係者などが詰めかけた。ここで大きなテーマとなったのは、地方に来る外国人観光客をどう増やすのか。日本政府観光局・小堀守理事は「地方への関心がどんどん広がっている」、三菱総合研究所・劉瀟瀟氏は「日本の地方を求めている」と述べた。インバウンド効果を地方にどの様に広げていくのか。

tentosen2.JPG【外国人観光客いらっしゃい!埼玉の新戦略とは】
埼玉県は今、外国人観光客の取り込みに力を入れている。外国人にも知名度のある川越市小江戸川越には、新宿から電車で1時間程と近いため多くの外国人が訪れていた。しかし去年、埼玉県を訪れた外国人は訪日外国人客全体の1.4%に留まり、宿泊者も少ないのが実情だ。しかしその先の長瀞町や秩父市には、魅力的な観光資源があるが、足を運ぶ外国人が少ない。そこで埼玉県は川越、秩父、長瀞を埼玉プラチナルートという観光ルートにして線でのPRを始めた。ただ交通に課題が。そこで埼玉県では専門チームを立ち上げ、地元の鉄道会社と周遊チケットの開発を検討中。さらに旅行代理店と観光バスを使ったツアーの充実にも乗り出している。今まで点だった観光地を結びさらに観光客を増やす狙いだ。

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“配車”から”配膳”サービスへ
ウーバージャパンは29日から“ウーバーイーツ”というフードデリバリーサービスを開始します。料理を提供するのは、これまでデリバリーをしていなかった店がほとんど。それを運ぶのがウーバーイーツに登録した一般人です。自分の自転車やバイクで配達します。ウーバーイーツは、利用者と店、運ぶスタッフをマッチングし手数料を取るシステムです。ウーバーは、料理の価格から手数料を、配達スタッフには配達料が入ります。さらに料理を提供する店にも、専用のスタッフを配置する必要がなくなるなどメリットがあるといいます。このサービスを展開するウーバーは、海外では一般のドライバーが自家用車に客を乗せるライドシェアサービスを展開しています。2014年に日本に進出しましたが、道路運送法に違反する可能性があるとして、一部の地域を除いて普及していません。今後も日本では、このシステムを使った新たなビジネスを展開しようともくろんでいます。

《ウーバージャパン/高橋正巳社長》
「海外ではメッセンジャー便に近い物のデリバリーサービスも始まっている。まだまだ需要と供給のマッチングプラットホームを生かす事で色々なものを運んでいけると期待している。」

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■治る!最前線 第63回狭心症・心筋梗塞の最新治療
動脈硬化が原因で心臓の血管が詰まり突然死を招くこともある狭心症や心筋梗塞。40代から患者が増え始め、現在およそ77万人いると言われている。動脈硬化は比較的ゆっくり進行するため、症状に気づかないケースも多い。最新の治療は、「ダ・ヴィンチ」と呼ばれる手術支援ロボットを医師が操作して行う手術。従来の開胸手術に比べて傷が小さいため、患者への身体の負担が少ないのが特徴だ。さらに病気を早期発見するための最新の検査が始まっている。「心臓MRI」と呼ばれるこの検査は、強力な磁気を使って撮影される。これまでのMRI検査では、心臓のように拍動する臓器を撮影するのが難しかったが、ソフトウェアの開発により心臓の筋肉の動きを動画で確認したり、3Dの立体画像にして血管の状態を確認したりすることができるようになった。
取材先・ニューハート・ワタナベ国際病院・CVIC心臓画像クリニック飯田橋






小池知事VS都議会 いよいよゴング
東京都の小池知事が就任してから初めてとなる都議会定例会が始まり、小池知事が所信表明をしました。都知事選では対立が目立った都議会とどう向き合うのか、発言に注目が集まりました。小池知事はまず、豊洲市場を巡る問題について、責任の所在を明らかにすることで信頼を取り戻すと強調しました。また、膨れ上がる東京五輪・パラリンピックの開催費についてメスを入れると断言しました。29日に調査チームが報告書を公表し、3つの競技場の建設中止などを含む大幅な見直しを提案する方針です。小池知事の所信表明に対し、都知事選で対立していた都議会自民党はひとまず協調姿勢をアピールしました。



蓮舫代表VS安倍総理 初論戦
参議院の代表質問で、民進党の蓮舫代表が就任後初めて安倍総理大臣との論戦に挑みました。蓮舫代表はアベノミクスを批判し、教育や社会保障の充実など「人への投資」の強化を訴えましたが、安倍総理はアベノミクスによって経済の好循環が回り始めたとして、これに応じませんでした。



TPP早期発効へ連携
安倍総理大臣は来日中のシンガポールのリー・シェンロン首相と会談し、TPP=環太平洋経済連携協定の早期発効に向けて協力することで一致しました。また、日本が中国などと受注を争っているシンガポールの高速鉄道計画について、新幹線導入に向けて次官級会議を年度内に開くことを確認しました。



ロッテ 重光会長 逮捕状審査
横領や背任の疑いが持たれているロッテグループの重光昭夫会長は28日、ソウル中央地裁に出頭しました。現在、裁判所が逮捕状を出すかどうかについて審査を続けていて、未明にも結論が出る見通しです。韓国メディアによりますと昭夫氏が会社に損害を与えたとされている額は160億円と韓国の財閥一家が不正な利益を得た事件として過去最大規模となるということです。昭夫氏は日韓ロッテのトップで、経営に与える影響が注目されます。



東芝 営業利益2倍超に
東芝は2016年9月中間連結決算の営業利益の予想を、300億円から700億円に上方修正しました。これは中国のスマートフォンメーカー向けの記憶用半導体フラッシュメモリーの販売が順調に伸びていることが主な要因です。また不正会計問題を巡って株主が起こした損害賠償請求訴訟の引当金として、およそ100億円を計上しました。



ハウス 中国に新・カレー工場
ハウス食品は中国で3つ目となるカレー工場の起工式を行いました。新工場ができるのは上海に隣接する浙江省の平湖市で、2年後の稼働開始を目指します。完成すれば中国での生産能力は現在のおよそ2倍になり、主力商品のバーモントカレーを中心に販売拡大を狙います。



あのバーガーが復活!
日本マクドナルドは、「テキサスバーガー」など過去の人気メニューを期間限定で復刻すると発表しました。マクドナルドは今年、東京・銀座に日本1号店をオープンしてから45周年を迎えることを記念して、過去に販売した中で特に人気の高かったメニューを復活させるキャンペーンを始めます。まず第1弾として、来月5日から「テキサスバーガー」を、続いて12日から「ベーコンポテトパイ」を発売します。マクドナルドは期限切れ鶏肉の使用問題などで客離れが進みましたが、ここにきて業績は改善傾向です。このあと第三弾、四弾の復活メニューも出す予定でかつてのファン層を店に呼び戻したい考えです。





■【トレたま】制限時間付き日程調整ツール

飲み会の予定を決めたい幹事がHPにアクセスして予定表を作成。URLを招待したい人に送信する。受け取った参加者は都合が悪い日を塗りつぶす。みんなの予定を重ねる合わせることで、予定が合う日があぶり出される仕組み。

【商品名】時限調整
【商品の特徴】複数の人とのわずらわしかった日程調整を簡単に決めることができるツール
【企業名】FreeNow(フリーナウ)
【住所】川崎市麻生区白鳥3-15-8
【価格】無料
【発売日】サービス中
【トレたまキャスター】北村まあさ





■【コメンテーター】伊藤元重氏(学習院大学教授)

・インバウンド効果を地方へ!今こそ“地方空港”を活用せよ

--外国人観光客がもっと地方へ広がっていくためには何が必要ですか。

「いくつかあると思うんですけども、1つは地方にある非常に大きな資産は地方の空港です。これまではどちらかというとお荷物と言われてきたんですけども、今はいろんなスペースがあるもんですから、どんどんチャーターが来ていて、我々はローカルトゥローカルと言うんですけども、アジアの方々が羽田空港や関空のようなハブ空港を通じていくと大変なので、それをいかに直接連れてくるかという取り組みをやればかなり違うと思うんですよね。
それからもう1つ、いま見ていて思い出したんですけど、点から線ということでいえば、ドイツへ行けばメルヘン街道やロマンチック街道などを思い浮かべるが、そういう名前も大事で、何となく1つのまとまりがある。日本にもそういう何とか街道とかを作って、もうちょっとマーケティングのやり方も色々あるのかなと思う。地方でもこれからリピーターのアジアの人がいっぱい来ると思いますので可能性は非常に大きいと思います。」





・原油安、長い目で見れば日本にメリットも!

--日本の場合は、原油安は物価を引き下げ、デフレ脱却の足を引っ張るという議論が最近多いですけれども、どんなふうに見ていますか。

「経済のいろいろ変化というのは、まず足下でいっぱい悪いことが出るんですよ。石油業界の株価が下がるちか、物価が下がるとか、あるいは円高になるとか。でも考えてみると、原油価格の影響はもうちょっと中長期で見なければいけないと思う。2013年のまだ高いときには100ドルを超えていたが、今は原油価格は40ドル台ですね。だから半分以下になっている。実は1番高いときに日本は28兆円、原油や天然ガスを買ったわけですが、。仮に半分になったと単純計算して、約14兆円払う金額が少ないです。14兆と言われるとピンとこないですけど、消費税で1%で2.5兆円なので、6%位引き下げたと同じ効果があるわけです。この効果は時間が続くほど出てくるわけですから、確かに色んな問題はあるんだけど、原油価格が下がるということは、日本だけでなく米国、ヨーロッパなど先進国にも非常に大きなメリットがある。ただなかなかすぐに消費者に実感がないので、何となく足下の動きで右往左往してしまうということだと思うんです。」





・シェアリングサービスで広がる新しいビジネスの可能性は

--シェアリングサービス・ウーバー。車で人を運ぶのは日本はまだまだ規制の問題があるので、まずはデリバリーサービスを始めるという。

「これの関係でアメリカの雑誌の記事を見せてもらったことがあって、アマゾンがご存知のようにものすごい勢いで伸びているが、物流がネックとなっていて非常に厳しい。その物流にウーバーを使おうという試みがあるらしい。どういうふうにやるか分かりませんけど、とにかくモノを動かしたいというニーズがあるときに、手を挙げる人はいっぱいいますね。暇な人がアルバイトするとか、中小の物流業者が入ってきたりとか、そういうふうに考えると、今日のは食事の販売だったんですけど、色んなデリバリーがあって、特にアマゾンのようなどんどん伸びていくデリバリーのところは、ひょっとしたら今の既存の物流だけでなくて、こういう形のシェアリングはあり得るかもしれない。」

--企業が自前で持つのは限界ということですか。

「そうですね。なんでも色んな資源を有効に使うことは重要ですね。シェアリングサービスでよくウーバーとAirbnbがあるが、私は究極のシェアリングはスキルと人材だと思うんですよ。いろんなスキルを持っている人がいるので、それを登録しておいて、短時間使う。企業のほうもその都度使う。」そういう意味ではウーバーのようなケースはまだまだ広がりがあるかもしれないですね。」







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