南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

スズバチネジレバネ

2014-07-14 16:06:18 | その他の昆虫

先月15日の、このブログに「オオフタオビドロバチ」の話題を載せた。

そのあと、大変興味深い展開となったのですが、写真等も多くすべては載せられないので概要となります。詳しくは別途HPに載せます。


6月15日には、オオフタオビドロバチの次の写真を載せた。








昆虫写真家の新開孝さんから、「このオオフタオビドロバチはスズバチネジレバネに寄生されている」とメールを頂いた。
確かに、尻のあたりにふくらみがあり、なんだろうとは思ったのだが、あまり気にしなかった。

このネジレバネと言うのは、大変不思議な生態らしい。
これは見てみたいと思ったが、すでに放してしまったので、次に出てくるのを待つしかない。

結果として、その後オオフタオビドロバチは5匹出てきて、3匹がスズバチネジレバネに寄生されていた。
それを、薄めた砂糖水でオオフタオビドロバチを飼育すると、8~9日後にスズバチネジレバネが羽化した。







背中と、腹から撮った写真で、約3.5㎜程の大きさでこれはオス。






眼は個眼が集まったもので、触角も変わっている。



そもそも、ネジレバネと言うのが良くわからなかったので調べてみると、これが想像できないくらい驚きの生態である。
まだわからない事が多いようなので、概要を簡単に書きます。

ネジレバネ目とは、撚翅目(ねんしもく)と書き、世界で数百種いる。
いろいろな昆虫類に寄生するが、スズメバチ類に寄生するスズメバチネジレバネが知られている。
ドロバチ類に寄生するのが、このスズバチネジレバネである。
オスは、羽化すると数時間の命だが、その間に飛び回ってドロバチの体内にいるメスを探して交尾する。
メスは、ウジ虫状で一生宿主の体内で過ごす。
メスは、数千ともいわれる卵を体内で孵化する。
一齢幼虫はメスの体外に次々と出て、奇跡的に別のドロバチのメスに取りつけたら産卵場所へ運ばれる。
ドロバチの幼虫に寄生する。

いろいろな文献からの受け売りなので、解釈が違っているところがあるかもしれないが、こんな驚きの生態である。
カマキリモドキやヒメツチハンミョウの生態を知ってびっくりしたが、それ以上だと思う。



今回1匹のオオフタオビドロバチに3匹寄生しているのがいたので、スズバチネジレバネは合計5匹出てきたが、なぜか全部オスであった。

メスも見てみたいし、これがどのように交尾するのかも見てみたい。

今回は、寄生していることを教えて頂いて、貴重な観察が出来たので、新開さんに感謝いたします。

詳しくは、HP南大沢の自然に載せたので、興味ある方はご覧いただきたいと思います。

クリック





ネジレバネ目 ハチネジレバネ科
体長 約3.5mm
撮影 2014/07/03 八王子市南大沢  OLYMPUS E-P5  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro
              最後の写真のみ OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough    



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