新聞の広告でびっくりして本を買うこともあるのだ。「明治維新という過ち、日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」原田伊織著 毎日ワンズ出版
というのだが、新聞の広告には司馬遼太郎批判とか坂本龍馬が虚像であるとかいうコピーがあったようだ(記憶である、新聞はもう手元にないので)
司馬遼太郎もいいのだが(おもしろのだが)、あれだけ国民の間に瀰漫すると、つまり国民的作家になると眉唾したくなる性分なので、どういうことだと興味をもったわけである。
なにしろ霞ヶ関の官僚がみんな愛読書の第一に司馬遼太郎をあげるというのだから、相当に病根は深い。小説として面白いとか痛快な男に描かれているということと、史実とは別物である。これが通用しなくなっている。
読んでみると、読みにくい所も有る。プロの書き手と言う訳ではないらしい。しかし、多いにのっているところもあるわけだ。
ま、明治維新がそこいらのあんちゃんが吉田松陰に誑かされて(感化されて)革命の手榴弾になったのは事実だし、革命とか維新とか言う「神経症的おまつり」には無頼漢や犯罪素質者が活躍の舞台が与えられるのは昔から洋の東西を問わない。
著者の際立った意見というのは、そういう無頼漢、テロリスト、狂人がつくった明治日本は明治大正昭和平成と直線的に下降しているというのだが、これは同意出来ない。
革命時の策士(西郷隆盛のような)は無頼漢、テロリストをうまく利用するわけだが、彼らがそっくり明治政府を作った訳でもない。また、あんちゃんレベルでスタートした連中も学習して進歩するのもなかにはいる。
そうでなければ、弱小後進国の日本が極短期間に世界があっと驚く五大列強になれたわけもない。
私は司馬遼太郎の言う様に明治と昭和では様変わりしたと観る。大正はいってみれば移行期だ。明治がアップトレンド、昭和前期がダウントレンドである。明治は元老達が作った。昭和は元老が作った「制度」が崩壊させた。その「制度」とはなにか。司馬遼太郎も分からなかったらしい,その原因を紹介したい。
陸軍士官学校、陸軍大学校(および海軍兵学校と海軍大学)である。すなわち上級軍事官僚養成制度である。皮肉なものである。つづく
というのだが、新聞の広告には司馬遼太郎批判とか坂本龍馬が虚像であるとかいうコピーがあったようだ(記憶である、新聞はもう手元にないので)
司馬遼太郎もいいのだが(おもしろのだが)、あれだけ国民の間に瀰漫すると、つまり国民的作家になると眉唾したくなる性分なので、どういうことだと興味をもったわけである。
なにしろ霞ヶ関の官僚がみんな愛読書の第一に司馬遼太郎をあげるというのだから、相当に病根は深い。小説として面白いとか痛快な男に描かれているということと、史実とは別物である。これが通用しなくなっている。
読んでみると、読みにくい所も有る。プロの書き手と言う訳ではないらしい。しかし、多いにのっているところもあるわけだ。
ま、明治維新がそこいらのあんちゃんが吉田松陰に誑かされて(感化されて)革命の手榴弾になったのは事実だし、革命とか維新とか言う「神経症的おまつり」には無頼漢や犯罪素質者が活躍の舞台が与えられるのは昔から洋の東西を問わない。
著者の際立った意見というのは、そういう無頼漢、テロリスト、狂人がつくった明治日本は明治大正昭和平成と直線的に下降しているというのだが、これは同意出来ない。
革命時の策士(西郷隆盛のような)は無頼漢、テロリストをうまく利用するわけだが、彼らがそっくり明治政府を作った訳でもない。また、あんちゃんレベルでスタートした連中も学習して進歩するのもなかにはいる。
そうでなければ、弱小後進国の日本が極短期間に世界があっと驚く五大列強になれたわけもない。
私は司馬遼太郎の言う様に明治と昭和では様変わりしたと観る。大正はいってみれば移行期だ。明治がアップトレンド、昭和前期がダウントレンドである。明治は元老達が作った。昭和は元老が作った「制度」が崩壊させた。その「制度」とはなにか。司馬遼太郎も分からなかったらしい,その原因を紹介したい。
陸軍士官学校、陸軍大学校(および海軍兵学校と海軍大学)である。すなわち上級軍事官僚養成制度である。皮肉なものである。つづく