東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

北方領土はアラスカに達する・3、サムライとして

2009-05-30 13:18:10 | 社会・経済

サムライの美徳は色々ある。その一つは潔さである。武士は力の信奉者である。じゃによって、自分が負けたときには潔く認めて、どんなに汚い相手であっても、負けたら勝者を素直に認めてその長所を学ぶ。第二次大戦後アメリカ賛迎の風潮もこれにあたる。

その意味からすれば汚い闇討ちではあってもロシアに負けたことを認めることもこれまた日本的美質と言えないこともない。負けたんだから領土を分捕られてもしょうがない、とそこから発想をスタートする手もないわけではない。

サムライの美徳はほかにもある。復讐である。忠臣蔵である。大石内蔵助である。曽我兄弟である。これも認めないわけにはいかない。

そして、その前に絶対にしなければならないことは戦争責任の追求である。戦争は政治である。政治は結果責任である。千島列島を失い、サハリンをうしない、朝鮮半島を失い、満州を失い台湾を失った。これら明治維新以来60年の大業の成果を烏有に帰せしめた我が国の戦争指導者を徹底的に糾弾しなければならない。それを靖国に祀るなど論外である。300万の英霊に対してこれほどの無礼冒涜はない。


ちいせえ、ちいせえ、北方領土はアラスカに達する・2

2009-05-30 11:13:30 | 社会・経済

日本人は言うことが小さい。なぜ千島列島全部とサハリン南半分の返還を要求しないのだ。

第二次大戦でのソ連の日本領土略奪が不法であるなら千島全島とサハリンの返還を要求しないのか。ソ連が日本との不可侵条約を一方的に破って強盗をしたならば。

いわゆる北方四島に要求を限るのはアメリカ占領軍が認めてくれる上限だからだ。それだけの理由である。徳川幕府がロシアと結んだ条約で四島が日本領土であるというのが根拠らしいが、これを歴史的データとしてならともかく、要求の根拠に持ってくる理由は全くない。

もしそうなら、四島以北の千島列島は日本とロシア双方が勢力を持つ雑居地で帰属は明確になっていない。明治政府になってから同じく日露雑居地扱いだったサハリンをロシアに譲った交換条件で千島列島全部が正式に日本領になった。

徳川幕府と帝政ロシアの了解ではサハリン(樺太)は両国のいずれもが勢力を持つ雑居地であった。それが明治何年だったか(十年代かな、榎本武揚が外務大臣だったころ)の日ロ条約で、日本は千島列島全部、ロシアは樺太全部を持つことになったのだ。

その後、日露戦争の勝利で日本はさらにサハリン南部を日本領土とした。このくらい小学校でも教えろ。

スターリンは日本北方領土の略奪は日露戦争の復讐であるとロシア国民に説明した。そうなら日露戦争で奪われたサハリン南部だけにしろ。

一方で驚いてはいけないが、北方領土返還はあきらめろという意見にも十分な論拠がある。以下次号


北方領土はアラスカに達する・1

2009-05-30 09:27:26 | 社会・経済

NHKのニュースだ。河野とかいう新任のロシア大使が信任状を出した時だそうだが、大使と大統領が並んで演説して、それがプレスに公開された。信任状の提出の儀式というのは公開するものなのかね、ロシアでは。まずこれが変に感じたこと。

メドベージェフ大統領は北方領土にたいする日本の主張を激しく非難した。信任状提出の儀式を公開して、しかもこの種の非難演説をするのはロシア式なのかな。

ニュースによると、麻生首相が国会で「ロシアは北方四島を不法占拠している」と言ったらしい。マスコミのニュースで気がつかなかったが、メド大統領の発言はこれにたいするものらしい。

ま、不法占拠というからには、本当は大使の本国召還をするくらいの覚悟で麻生君は言うべきだったかもしれない。それをのこのこ新任大使が新任状を出しにきたものでメドちゃんも面喰らったというところがあるのかな。


厚生省の課長印

2009-05-29 08:44:33 | 社会・経済

身体障害者用の郵便割引料金汚職。テレビに団体を承認した文書が出てくるが、押してある課長印というのが大げさで驚く。

数十文字が例のハンコ用のデフォルメされた漢字(篆刻)で彫ってある。偽造されたら大変ということらしいが、それにしても笑っちゃう。それで偽造していれば漫画にもならない。たかが課長のハンコでこのばかばかしい大仰さ!

もうひとつ、この映像で気になるのは課長の署名がないことだ。悪いことをしているという自覚があったから署名はしなかったのだろう。そうとしか解釈の仕様がない。この課長は女らしいが、いかにも女の浅知恵だ。白状しているようなものである。


汗に負けた白鵬

2009-05-26 07:58:05 | インポート

日馬富士は白鵬の汗で勝った。大相撲と汗については何回も書いている。

ボクシングでは体に汗や油がついているとレフリーが注意して拭わせる。大相撲では行司は何も言わない。これでは公正な試合は期待できない。

優勝決定戦、横綱は相当汗をかいていた。制限時間いっぱいでどうするかなと見ていたが汗は拭かなかった。

拭かないで有利になるのは相手が突っ張る場合だ。日馬富士が突き起こしてくると見て汗を拭かなかったのか。そんな相撲がハルマには多い。汗だらけの体を突っ張るとすべって外れる。突き起こせばやはり上滑りする。ボクシングの試合で審判が認めないのも同じ理由だ。

ところが決定戦の時は汗で弾性値が増したぶん、相手の体に食い込むようにして押し込んだ手が相手の腕をくぐりぬけて回しが取れた。

朝青龍が試合前にしきりにハルマにアドバイスしていたが、その辺のことではなかったか。

モンゴル相撲はたしか、体に油を塗ってから取り組む。メリット、デメリット、作戦を知悉しているわけだ。

数年前に雅山か、琴みっきが朝だったか白だったかの汗だらけの体を優勝決定戦で激しくついて突っ張りが外れてまけたことがある。相手は決定戦前に激しいウオーミングアップをして意識的に汗まみれのまま出てきた。その時は決定戦の前に報道陣をシャットアウトしていたから室内で唐辛子等の発汗剤を服用していた可能性も疑われた。油も塗ったかもしれない。

相撲協会も、行司ももうすこし神経を使えヤ。

& 大相撲はスポーツじゃなくて神事なんでしょう。口をすすぎ、塩を撒き、不浄な女を土俵に上げず、、これ全て穢れを嫌う神事だからだ。それが汗まみれで勝負して神様に申し訳がたつのか。朝がゴルフをしたからどうのこうの、という些細な問題をあげつらうなど、これに比べたら大した問題ではない。

漫画家やなんか沢山外野がいて的外れなことばかり言っているが、しっかりせいよ。


マスクは暑いね

2009-05-18 14:46:44 | 社会・経済

久しぶりにマスクをしました。暑苦しいね。

いまごろになっても豚風邪がはやるのは

a.菌の感染力が異常に強いのか、

b.誰も免疫を持っていないからなのか。

もっともa.とb.は部分的に同義反復だがね。

もし、基本的に新しいブタ風邪が高温多湿でも感染力が衰えないとすると、これは人工的に開発した細菌兵器の一種かもしれない。人為ミスで漏出したか、意図的にテロリスト国家がながしたか。アメリカが一番感染者を多く出しているところがひっかかるんだね。

もっと凄いのを開発していて、態度を改めないと今度はきつい一発をかますよ、なんて裏でやっているかもしれない。

以上堤康孝の新作SFのオビから。


昭和維新は明治維新のリバイバルか

2009-05-16 21:07:18 | 社会・経済

ちがう。明治維新の否定である。薩長閥を悪としてせん滅するのを目的とする。

しからば、いかなる派閥も無くそうというのか。違う。自分たちのための新しい権力派閥をつくろうということだ。ところで鳩山民主党が政権交代といっているが、なにが目的か。自分たちの利権のためと考えるのが妥当だろう。昭和維新みたいにだまされるな。

昭和維新の主体は明治維新で賊軍として討伐された東北北陸の小藩の末である。戊申戦争のうらみをはらそうというのである。

徳川幕府の主体はいち早く恭順をしめし、また戊辰戦争に加わらず、昭和維新でひと山当てようとして、じたばたしていない。

満州事変からはじまり第二次大戦中に、軍事官僚は我も我もと多数の作戦を売り込んだ。おのれの功名を当て込んで明治維新の時の功臣が華族に取り立てたのをマネしようとしたものである。インパール作戦なんかそれだね。だから収拾がつかなくなったのだ。


歴史探偵半藤一利の珍説4

2009-05-15 20:18:31 | 社会・経済

さて、以上で太平洋戦争を始めたのが薩長という半藤説が狂人のたわごと、幼児の説であることが分かったわけだ。もっともこんなことは縷々言うまでもなく常識だがね。

さて、昭和の軍閥が明治維新の功労者に対する佐幕各藩のルサンチマンを元にしていることがわかったわけだが、東軍といっても色々ある。徳川幕府本体、御三家、それにゴミみたいな佐幕各藩(東北、北陸に多い)とあるのだが、ルサンチマンはことのほか子分格の東北、北陸の小藩に強い。幕府本体、徳川宗家は潔く諦めているのに佐幕派の末裔はいつまでも「関ヶ原のうらみ」てなことを言っている。

たとえば東条英機、かれは盛岡の佐幕藩の最下層つまり能役者の家柄だ。彼の父も軍人だが、薩長閥に邪魔されて中将にしかなれなかったと思い、その恨みを息子の英機に徹底的にたたたきこんだという。

東条を靖国神社に合祀したときの宮司も元軍人で松平なにがしという。もとは北陸の徳川親藩のお殿様だ。だから関ヶ原の恨み、もとへ明治維新の恨みからしても東条を無理やり靖国に祀りたかったと思われる。満州事変を計画した石原莞爾はたしか会津か福島だ。太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官山本五十六は長岡藩、戊申戦争で薩長に滅ぼされた。

つまりだ、太平洋戦争は明治維新で滅ぼされた東北、北陸戦争の敗者が権力を奪取して始めたものである。


歴史探偵半藤一利の珍説3

2009-05-15 16:24:46 | 社会・経済

政治は結果責任であるという。外交軍事も政治である。確かに薩長閥というのはあった。しかし、大正末年に崩壊するまで薩長閥が指導した外交軍事で国を危うくしたものはない。すべて国力の伸張をもたらしている。

それに引き換え、薩長閥打倒を大義名分とした昭和の軍閥が成功した外征は一つもない。わずかに満州事変が初期の成功といえるが、外交的根回しという軍事行動には不可欠の要素が小学生的であったために、直ちに国際場裏で窮地に追い込まれている。実質すべて彼らのやったことは大失敗の連続である。

元老たちが取った路線を引き継いでいれば対英米戦争は行われるはずがない。山形有朋は不可能とも思える日英同盟を実現した人物である。また、伊藤博文は山形以上に慎重派だ。

海軍は薩摩藩が握っていたが、日本海軍はイギリス海軍を範としていた。英米戦争で国際紛糾を解決するという発想は出てこなかっただろう。


歴史探偵半藤一利の珍説2

2009-05-15 15:50:23 | 社会・経済

大正時代おわりの軍縮反対(いまならリストラ反対という)から始まり大正デモクラシーで汚染されて上の者に楯突くことをおぼえた時代に育った軍事官僚若手による、昭和初期の軍部内下克上は、疑似ルサンチマンといえようか。

一種の矮小化された「関ヶ原」である。明治維新がいうまでもなく薩長の関ヶ原に対する徳川へのルサンチマンであるのになぞらえれば。

それは地方関東軍の独走による満州事変であり、515、226事件である。このルサンチマンは明治維新に対するルサンチマンである。じゃによって、主体は戊辰戦争の敗北軍である東軍の末裔による。

下級幹部、青年将校による一連の命令無視、天皇の統帥権のあからさまな干犯は軍部最上層幹部たちの間にも波乗り大ちゃんを決め込もうという便乗主義者に事欠かなかった。

226事件の際、陸軍指導部ははじめ容認する立場を示したが、昭和天皇が断固鎮圧を表明すると豹変したのである。しかし最終的にはなし崩し的に目的を達成した。

きっかけは明治維新後の日本を指導した薩長の元老がいなくなったことである。その象徴が大正末年の山形有朋の失意のうちの死である。ある意味でこれは軍部不逞分子(青年将校)と大正デモクラシーのおかげで院外団から右翼に昇格した連中が対山形有朋戦争に勝利したことによる(宮中某重大事件)。