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[社説]協定維持を機に日米韓体制を立て直せ

2019-11-23 11:42:19 | 日記

[社説]協定維持を機に日米韓体制を立て直せ

2019/11/22 20:45
日本経済新聞 

日本と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効がひとまず回避された。日本による輸出管理の厳格化措置の撤回を求めて協定の破棄を表明していた韓国政府が方針を修正した。大局的見地に立った判断を歓迎する。

 

 4日、RCEP首脳会合の記念撮影に臨む安倍首相(中央)と韓国の文在寅大統領(右)=バンコク郊外(共同)

4日、RCEP首脳会合の記念撮影に臨む安倍首相(中央)と韓国の文在寅大統領(右)=バンコク郊外(共同)

韓国政府は「いつでも失効可能との前提で終了通告の効力を停止する」と発表した。韓国は世界貿易機関(WTO)への提訴手続きも中断する。両政府が輸出管理をめぐる実務者会合を開くことも決まった。両国間の懸案のうち安全保障協力と貿易問題で条件付きながら折り合ったのは前進だ。

協定は軍事上の機密情報を提供し合う際に第三国への漏洩を防ぐ取り決めだ。困難を乗り越えて2016年に締結後、約30件の秘密情報を交換した。日米韓で軍事情報を迅速に共有しやすくなるため3カ国が連携して抑止力を高める象徴的な存在になっている。

失効すれば、東アジアの安保上の影響は避けられず、米国が韓国への説得を重ねてきた。韓国は文在寅政権を支持する革新層を中心に協定破棄の賛成が多い。今回の決定には北朝鮮の反発も予想されるだけに、冷静な決断を下したと評価できる。

決定は条件付きで楽観は禁物だ。昨年末の韓国軍艦による自衛隊機へのレーダー照射以降、自衛隊には韓国軍に不信感が残る。来春に総選挙を控える韓国も強硬論が渦巻く。双方が信頼関係を取り戻せなければ、せっかくの仕組みも絵に描いた餅となる。

足元の安保環境は不安定さを増している。米国との非核化交渉が滞る北朝鮮は強硬路線への回帰をちらつかせる。探知や迎撃が難しい新型兵器の開発を活発化している。それらの射程に入る日韓はレーダーでの監視や迎撃能力をともに高める必要がある。

日韓関係の悪化は幅広い分野に及んでおり、今回を修復の糸口にすべきだ。最大の懸案である元徴用工問題で韓国が打開案を示すのが望ましい。輸出体制の問題では韓国が改善に向けた意欲を示しているという。不備を是正し、日本側の疑念を払拭してほしい。

政府も韓国と協力する姿勢を示すべきだ。米国が日米韓の枠組みにこだわるのは、中国やロシアの脅威にも有効だとみているからだ。日本は北朝鮮の核・ミサイル問題のほか、拉致問題も抱える。隣国の韓国をつなぎ留め、日米韓体制を立て直すときである。


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