ダイズ(大豆)は縄文時代中期(5,000年前)には栽培されていた。
大豆の原生種は日本の山野によく見られるツルマメであり、縄文時代にツルマメの栽培による品種改良が進められたか、あるいは5,000年前にコメとともに大陸から伝来したか、と考えられる。ツルマメは日本だけではなく、中国・朝鮮半島・シベリア南部にも自生する。マメは小さくて食料にはならない。
ツルマメ(ツルの長さは3~4mになる)
ツルマメの豆(平べったい形でダイズより小さい)
ダイズは縄文時代にはコメとともに主食であった。
山梨県酒呑場遺跡で発見されたダイズが、栽培種のダイズである。縄文時代中期の5,000年前にはコメとともに主食であった。ダイズは生では食べられず、水を吸わせて煮炊きをしなくてはならない。縄文時代中期には調理方法も調理器具もすでにそろっていた。
ダイズを原料とする味噌・納豆などは東アジア全体にあることから、これらダイズ加工品の製法も、仏教伝来よりは古いと考えられる。しかし、縄文時代に味噌・納豆が存在していたかどうかは分からない。
ダイズ(ツルではないが、枝は短いツルになる)
エダマメ(ダイズの未熟のうちに収穫)
ダイズ(完全に成長したあとで収穫。加工食品・家畜飼料・絞油用など)