地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

2018年地理A第4問解答解説 世界の結びつき

2019-01-12 10:31:52 | 地理講義

解答
【23】①
解説 食料の貿易
(ア)魚介類:中国が輸入先第1位である。うなぎ調整品、わかめ、えび、いかなどが多い。
(イ)穀物類:アメリカが輸入先第1位。小麦、大豆、とうもろこしなど。
(ウ)肉類:牛肉はオーストラリア、豚肉はアメリカ、鶏肉はブラジルが輸入先第1位である。
詳細な解説
魚介類
日本の漁業の衰退により自給率が低下し、輸入魚介類が増加している。うなぎ加工調整品や、えび・まぐろ・さけのような冷凍が多い。

 牛肉
国産牛の人気が根強いが、オーストラリアとアメリカからの輸入も多い。アメリカでは2004年に狂牛病が発生、日本が一時アメリカからの牛肉輸入を禁じた。

豚肉
冷凍肉と冷蔵肉とがある。アメリカ、カナダ、デンマークが輸入先上位3国である。

鶏肉
ブラジル産鶏肉が圧倒的に多い。最近、タイからの加工調整済みの鶏肉輸入が増えている。

 穀物
アメリカからは小麦・とうもろこし・大豆、カナダからは小麦の輸入が多い。最近、ブラジルではアメリカ資本によるとうもろこし・大豆栽培が急増し、日本・中国への輸出を増やしている。


解答
【24】④
解説 食料の問題
①◯ 農地・農業用水・肥料・農薬などの不足以外に、戦乱のために農民数も不足する。
②◯ 21世紀からはアフリカに米の新品種ネリカが導入されている。
③◯ 日本の1年間の食品廃棄物は600万トン、日本の米消費量と同重量である。
④× 日本の食料輸入額は、2000年から1.5倍増加した。加工食品と家畜用飼料の輸入が増加。

詳細な解説
① 発展途上国では人口爆発が続くが、農業基盤の整備が進まず、農業生産がなかなか向上しない。先進国からの農業援助が汚職や内戦で使われる問題もある。
② 緑の革命は、1960年代、アジアの食料不足解決のために始まったが、現在はアフリカの食料不足の解決もめざしている。新品種による食料増産が期待されている。
③ 日本では余剰の食品が常にスーパーや商店の店頭にあり、賞味期限切れの食品は廃棄される。レストラン・家庭の作りすぎや食べ残しも多い。
④ 農業の衰退と食生活の多様化が進み、農産物の輸入が増加した。2000年を100とすると、150にまで上昇した。

  

 解答
【25】①
解説 森林の減少
① 南アメリカ:森林面積が広い。薪炭材の割合が高く、広葉樹林が多いと考えられる。
② 北・中央アメリカ:薪炭材の割合が小さい。森林面積の減少率が小さい。先進国。
③ アフリカ:最も森林減少が進んでいる。薪炭材の割合が最も高いから広葉樹林が多い。
④ オセアニア:森林面積が最小だから、砂漠の広がるオセアニア。
詳細な解説
薪炭材の割合が高い
広葉樹の広がる熱帯~温帯地域。焼畑農業が盛んであったり、無計画に用材が伐採輸出されたりする。発展途上地域で薪炭材の割合が高くなる。
薪炭材の割合が低い
針葉樹は薪炭材には適していない。針葉樹の広がる地域は冷涼地域であり、先進国が広がる。薪炭材では暖房が不足するし、焼畑農業も見られない。

 

 

 

 

 解答
【26】⑥
解説 航空路
(カ)日本:東北はアメリカ、北西はヨーロッパへの航空便が多い。南東方向にはない。
(キ)アラブ首長国連邦:南東は東南アジア、北西はヨーロッパへの航空便である。
(ク)アメリカ:航空便数が最も多い。また、北東のヨーロッパへの航空便が多い。
詳細な解説
正距方位図法では、図の中心からの方位と距離が直線で表現できる。これをメルカトル図法で示すと、次のようになる。アラブ首長国のドバイ空港はエミレーツ航空のハブ空港である。アジアとヨーロッパ・アメリカなどを結ぶ拠点である。

解答
【27】④
解説 都市問題
①◯ 大都市中心部にはオフィスビルが林立し、日常的な買い物が難しくなる。都心の買い物難民ができる。
②◯ 郊外の住宅団地ニュータウンでは居住者の高齢化が進むとともに、団地の建築物や施設設備の老朽化が進んでいる。
③◯ 都市型洪水。コンクリート舗装のために雨水が地中にしみこまず、下水道に集中し、下水管があふれて洪水になる。
④× ウォーターフロントは臨海部の再開発である。臨海部にあった倉庫や作業場が、コンテナ貨物への切り替えや物流の近代化により、空き地になった。その空き地をオフィス街にする。
詳細な説明
① 港外には大きなショッピングセンターができるが、都心には建設されない。都心のオフィスの増加によって客を失った古い商店街は、シャッター商店街になった。
② ニュータウは30年も経過すると、建物は老朽化する。公民館・集会所・マーケットなども老朽化する。居住者の高齢化も進む。
③ 都市の雨水は下水に流入するか、残された小河川に流入する。あふれた水が洪水を起こす。対策として、地下に巨大な放水路を建設する。
④ ロンドン、東京、横浜などでは、使われなくなった港湾地域に、多数のオフィスビルが建設された。なお、Uターンで農村に人口が還流しても、大都市に流入する人口の方が多い。



 解答
【28】④
解説 主要国の海外援助
① 韓国。周辺諸国への援助が多い。
② オーストラリア。周辺島嶼部への援助が目立つ。
③ フランス。サハラ周辺諸国を植民地としていた。
④ スペイン。ラテンアメリカを植民地としていた。
詳細な解説
政府開発援助ODAは、税金による政府の海外援助である。自国の政治・経済・軍事に有利になるような援助である。
韓国
韓国は東南アジア・アフリカへの援助により韓国企業の海外進出の基盤作りと輸出市場の拡大をねらっている。
オーストラリア
東南アジアの政治的・軍事的安定のためにODAを続けてきたが、経済協力の面が強まってきた。オセアニアへの経済支援は中国の経済進出に対抗するためと、オーストラリアに押し寄せる難民を解消する目的がある。
フランス
旧植民地北アフリカの石油・鉱山への利権確保がある。また、この地域の経済的安定を実現することで、フランスへの難民流出を減らすこともある。
スペイン
16世紀からラテンアメリカを植民地支配し、現在もスペイン系資本のラテンアメリカでの活動はめざましい。旧植民地における経済的利権を確保するための経済援助である。

 

 


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