地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

22. 人口増加72の法則 地理総合

2019-03-08 16:27:56 | 地理講義

人口増加率が年2%の場合、
72÷2=36
つまり36年で人口が2倍になることになる。
人口増加率が年3%の場合、
72÷3=24
つまり24年で人口が2倍になる。
この2倍になる年数を簡単に求める方法が、72の法則である。厳密には70の法則だが、72の方が約数が多くて便利のため、72を用いる。
70となるのは計算過程で ln2=0.7の出てくることと、近似式 ln(1+x)=xが成立するためである。 

バングラデシュ
たとえばバングラデシュの人口は
1980年8,250万人
1981年8,476万人
である。この時の人口増加率は2.7%である。
72の法則によれば人口が2倍になるのは
72÷2.7=26年後である。
つまり計算上は、2007年に2倍になるはずである。
実際に2倍になったのは38年後の2018年である。予想よりも人口増加率が低下したことになる。バングラデシュの2018年の人口増加率は1.37%である。1.37ならば
72÷1.37=53年後に2倍になる。バングラデシュの人口増加速度は、半分に落ちたことになる。


ナイジェリア
アフリカ最多人口のナイジェリアは、2018年における人口が1億9,586万人である。人口増加率は2.64であるから、
72÷2.64=27.2年後に2倍になる。
現在の人口はほぼ2億人、27年後には4億人ということである。アフリカ最大の産油国にもかかわらず政治・経済の安定しないナイジェリアは、27年後に4億人には届かないにしても、人口大国となることは明白である。アジアにおける中国のように、アフリカの大国としてアフリカを揺さぶる時が近づいている。

世界の人口
2018年の世界の人口は76億3,282万人である。人口増加率は1.13である。72の法則によれば、世界人口が2倍になるのは、
72÷1.13=64年後である。
世界の経済発展にともなって生活環境が大きく変化すれば、さらに人口増加率は低下するとみられる。地球全体が食料不足になることよりも、貧富の差が拡大し、社会の不安定さが増すことが憂慮される。

 



 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。