地理講義   

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226.マッカーサーの世界地図

2015年06月14日 | ひとやすみ

マッカーサーの世界地図(1972年)は、メルカトル図法やミラーズ図法の見慣れた世界地図を、南北逆転させた地図である。上下ひっくりかえしただけの地図ではあるが、この地図から読み取ることは多い。


マッカーサーの地図


 


(1)北半球が先進工業国であり、南は半球は発展途上国であるとする、南北問題の概念を考え直す契機になる。例えば、オーストラリア、ブラジル、南アフリカは資源保有国として経済発展を続けてきた。アフリカ諸国は安価な労働力により、経済発展が急である。
(2) オーストラリアにとって、日本は一次産品供給国として重要だが、日本はオーストラリアに安価良質の資源の安値安定供給を求めるだけであり、対等の経済関係ではなかった。
(3) オーストラリアが一次産品供給国の枠を越え、日本の将来を左右する重要な位置にある。ブラジルは同様に、アメリカの将来を左右する重要な位置にある。アフリカ諸国は旧宗主国の多いヨーロッパの将来を左右する重要な位置にある。


 

中国の地図を90度回転した、つまり横にした地図が、最近のニュースでよく見られる。中国は領海12海里とか経済水域200海里の国際的常識を遵守すると、太平洋を利用できない。いわば、この90度回転地図は、現在の中国政府地図あるいは習近平政権地図である。
中国

 
(1)中国が新たな世界銀行を組織し、アジア諸国への経済援助を強めているのは、東南アジアから太平洋に進出する輸送路を確保する狙いがある。メコン川-ラオス-(ベトナム運河or鉄道建設)-南シナ海(orベンガル湾)に直結する輸送路をつくる。
(2) 中国にとって、韓国・日本・フィリピンの地理的位置が好ましくない。韓国領海・日本領海・フィリピン領海が障害になり、太平洋への軍事進出ができない。軍用艦船の自由な活動ができず、軍事的に内陸国同様である。それで、尖閣諸島の領有権を主張したり、南沙諸島に軍事基地の建設を進めたりしている。
※ロシアは大西洋への出口を確保するため、1946年にドイツ領ケニヒスベルクをロシア領カリーニングランド州として支配し、軍事拠点として重視している。 

 

 

 

 


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