地理講義   

容量限界のため別ブログ「地理総合」に続く。https://blog.goo.ne.jp/morinoizumi777

254.海と陸の高度割合

2018年09月09日 | 地理講義

大陸と海洋の高度分布


高度分布は正規分布ではない。
高度分布(横棒グラフ)には、陸地の極大20.7%と海の極大22.5%とがある。
極大値が一つの正規分布にはならないのは、陸地と海とは異質だからである。
もし、海陸が同質であり、低い部分に水が貯まったのが海ならば、正規分布になる。

陸地は軽い岩石だから高い。
海洋底は比重の重い玄武岩のマグマからできている。玄武岩は、中央海嶺の中央部でつくられ、左右に広がりながら、新しい海洋底を形成する。広がる海洋底は、移動して海溝に沈む。
常に新しい海底ができ、古い海底は地球内部に戻っていく。そのため、玄武岩の形成年代は、大陸に比べて重くて新しい。どの海底の地層も2億年よりは新しい。海底は重いので低くなる。その海底の地層は玄武岩質である。

大山脈は軽い岩石からできているから高い。さらに侵食谷が深く刻まれると軽くなるから、山頂はさらに高くなる。侵食によって大山脈が低くなることはない。
大平野は大山脈の侵食された残骸ではない。隆起しても侵食作用が強くて高くなることができず、いつまでも低かった地形である。

海底は重い岩石だから低い。
陸地の地層である花崗岩と安山岩は、海の地層の玄武岩と比較すると、軽い。陸地の岩石は、侵食によって海に運ばれ、堆積岩になる。地球の深部にもぐりこんだ岩石は、温度や熱によって変成岩になる。陸地の多様な岩石の形成時期も、40億年前から現在のものまである。陸を構成する岩石は、多様で非常に複雑だが、軽いことが特徴である。従って陸地は高くなる。

 水の有無だけが海と陸の違いではなく、岩石の性質やその形成メカニズムが、違いの本質である。このような本質的な違いが、海底を低く、陸を高くしている。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。