箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森のフェラーリ!

2020-08-26 | *編集・夏/7月

森のフェラーリ!

 鉢伏山(604.4m)山頂で一休みの後、西側に広がる川西、伊丹から、

西宮方面の景観を楽しんでいました・・・

今日は梅雨の曇天で、いつもの大阪湾を見ることは出来ません。

 

頭上で ブ~ン ブ~ン と、かなりの羽音が聞えます。

近くには白い花をつけたクマノミズキの大木があります・・・

どうやらハチの大家族が活動中のようなので、そっと後ずさりをして

元の山道に戻り、明ケ田尾山方面へと向いました。

 

しばらくすると急に空が暗くなり、やがて小雨がパラついてきました・・・

雨か・・・!

雨の森も好きなのですが、ここから斜面を梅ヶ谷へ下り、再び登りに

なるので、もし大雨にでもなれば危険です。

それにさっきまで少し明るかった森が急に暗くなり、細い道が見辛く

なってきました・・・

ここは引き返すべき時!  と判断して、後戻りする事にしました。

  

益々空が暗く怪しくなり、風も強まってきたので、私は急いで下って

いきました・・・

すると、前方から若い女性が一人で登ってくるではありませんか・・・

・  こんにちわ!   どちらまで行かれるんですか?

    *  こんにちわ!  

        はい!  気の向く所までです・・・  ハハハハハ!

 

最近は山や森の中で出会う女性は、その殆どが中高年の方

ですから、(笑) 娘のような若い方は珍しいものです。

 

・  どうやら雨のようですね!   大丈夫ですか?

    *  そうですね!  でも私、雨も好きですから・・・

        それに歩きたいので・・・

・  そうですか!   どうぞお気をつけて・・・

(私が行こうとすると・・・)

    *  ありがとうございます・・・

        山はいいですね!   

        新鮮で、気持ち良く、何もかも忘れさせてくれます・・・

        おじさんはいつも一人で歩いておられるのですか?

・  私ですか?  そうですよ・・・  自分の世界に浸れます

   からね・・・

   それに自分に素直になれます・・・  自然の力でしょうか?

   一週間に1~2回は、この森の散策を楽しんでいます・・・

   ストレスの解消にももってこいですし・・・ ハハハハハ!

     *  そうですよね・・・  社長さんですか? 

(急に何を言い出すのかと、戸惑いましたが・・・)

・  エッ!    ああ・・・   昔はね・・・ 

       *  仕事って大変ですよね!  私も・・・ 否!

       (この時だけは少し暗い顔になりましたが・・・)

        ありがとうございました・・・  もう少し登ってきます・・・

        失礼します。

・  お気をつけて・・・

 

何とも山道でおかしな会話でしたが、若く美しい女性が、一人で山を

登っていく姿は余り目にしないので、思わず見とれてしまいました・・・ 

しかし心配性の私は、娘を思うような気持ちで、悪天候になりそうな

森を下りながら、しばし気になって落ち着きませんでした。

 

やっと森の駐車場に下ってくると・・・

雨も上がり、なんと!  再び太陽が顔を出してきました・・・

な~んだ!

こんな好天に回復するのなら、予定通りに歩けばよかった・・・

明ケ田尾山から高山、東海自然歩道から清水谷、そして四反田谷から

ここへ戻るコースです。

しかし後悔したものの、今更行く気力もなく、しばし車内で横になって

休んでいました・・・

いつしか爽やかな風に頬をなでられながら・・・ ウト ウト ウト・・・

と、眠ってしまいました・・・

なんとも気持ちのいい、至福のひと時です。

 

ピー  ヒョロ  ヒョロ  ロ・・・

甲高いトビの鳴声に目を覚ましました。

車外に出て思い切り背伸びをしていると・・・

近くでウグイスの美声が・・・!   と!

聞き耳を立てたと同時に、独特のエンジン音が森に響き、その美声を

かき消してしまいました・・・ ブルン バリバリバリ・・・

 

見ると少し先に、一台の真っ赤なスーパースポーツカー・フェラーリが、

颯爽と出て行くところでした・・・

すごい車!

起伏のある山や森の中で、スーパースポーツカーは余り見かけた

ことが無いので、ひときわ目立ちます。

  

ふっとその車内の運転している人をみると・・・ なんと!

先ほどの娘、 否!   若いあの女性ではありませんか・・・

すごい馬力音で去っていく車を目で追いながら・・・

若いのに女性の経営者なのかな・・・? 

明るくしていたけれど、いろんな悩みや苦しみもあるのだろうな・・・?

それにしてもすごい高価な車です・・・  

指をくわえて、羨ましいかぎり・・・ (笑)

 

この暑いのにクーラーの故障した、私の昔々の高級ポンコツ車と、

あのフェラーリとの差に、「栄枯盛衰」を感じます (笑)

しかし今の自分は、やっぱり 「枯れ山水」 の方が風雅でいいな・・・ 

と、何のしがらみもないこの隠居生活を慰めるのでした (笑)。

 ’09-7・9 (完)

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 谷道を作る人、怒る人! | トップ | 水がしたたる男!? »
最新の画像もっと見る

*編集・夏/7月」カテゴリの最新記事