箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

冬の森歩き!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

冬の森歩き!

 今日は杉の茶屋前から先ず雲隣の森へ向かいます。

 箕面自然観察会の方々が整備されている野生動物園地を

横目に登って行くと、霜柱が立ち、足元がバリバリバリと

賑やかです。

そう言えばシモバシラ(霜柱)という野草があることを知りました。

山地の木蔭に成育する多年草で、茎が氷結して霜柱を作るところ

から名付けれれたそうで、一度見てみたいものです。

 

大きなケヤキの木の下から見上げると、全ての葉を落とした

冬の裸木は勇ましく立ち、寒林の中で静かに休息をとっている

ようです。

と言っても、もうすぐ春が来る芽吹きの季節は忙しくなるので、

もうそろそろ準備に入っているのかもしれませんね。

この太い幹から大小無数に枝分かれし、その先端の小枝まで

給水して芽を出し、緑豊かな何万枚もの葉を繁らせていく

のですからすごいものです。

今日は薄氷が張る寒い日ですが、ケヤキは零下25℃の凍結にも

耐えられるとの事ですから、これも不思議が自然のメカニズム

ですね。

 

いくつかの石段を登り振り返ると、三国岳、天井ケ岳、

こもれびの森などが見渡せ、冬枯れの森に沢山の野鳥達が

賑やかに飛び交っています。

 

一休みしていると目の前のイロハモミジの木に、二羽のメジロが

やってきて仲良くついばんでいます。

双眼鏡で眺めているとエナガの群れを見つけました。

フワフワの衣をつけ小さな体でちょこちょこ動き回っているので

焦点を合わせるのに一苦労です。(笑)

 

東に向って上がっていくと、丁度 朝陽が樹間から林床にまで

陽を届け、森が一気に明るくなります。

 

ザク ザク ザクと落ち葉を踏みしめながら山道を進むと、

突然目の前に二匹の大猿が現われ、私をチラっとみたものの

何事も無いように横切ってまた森に入っていきました。

今日は群れではなく単独行動のようです。

 

雲隣の森の展望所から遠望する大阪市街地は、朝もやがかかり

まるで雲上都市のようで幻想的です。

頭上は見事に晴れ渡った青空です。

 

ここから風呂ケ谷へ下ります。

谷川の水はほとんど無く、何本もの獣道が浮き上がって見えて

います。

 

途中、狭い谷間道に頭大から拳ぐらいの大小の岩魂が、

道をふさいでいます。

見上げると、上方の岩場が崩れて落下してきたようです。

直撃したらひとたまりもないので慎重にゆっくりと通り過ぎました。

 

森の中で浸る事を至福の楽しみにしている私ですが、

最近は安全面で今まで以上に気をつかうようになりました。

決して小さな危険を侮れないからです。

 

風呂ケ谷から再びこもれびの森へ一歩一歩登って行くと、

途中で山道が相当荒れていて、本来の道がかなり崩れている所が

ありました。

よく観察するとイノシシの採食活動が派手だったようで

かなり掘り返されていました。

最近はイノシシによるニュースもよく目にするので、

これも気をつけねばなりません。

 

森の中では私も五感を常に働かせるようになり、

危機管理も自然から学び、少しづつ体感してきました。

より安全な気配りが必要に思います。

何しろ家の敷居でつまづいてよく転ぶ年になったのですから、

木の根につまづいて谷へ~

そんな事もないわけじゃないのですから・・・(笑)

 

そんな事を考えながら上がっていくと、あっという間に

こもれびの森の展望所に到着です。

 

一人の同年輩の女性ハイカーの方がいました。

挨拶をした後、何気なく見ると涙をこぼされています・・・

私は短い一休みをした後、そっとそこを去りました。

 

もう7-8年前だったか・・・

ここで出会った年配のご夫婦を思い出しました。

奥さんがヤブツバキの花を見ながらご主人と想い出話しを

されていたものの・・・

何となく異和感のある会話に私が振り向くと

ご主人は盲目の方でした。

奥さんと二人して手を取り合い、粉雪舞う寒林の森を散策されて

いる様子に、私は温かい心を頂きながら山を下ったことを

思い出します。

 

山や森や自然の中に身を浸らせていると、自分の喜怒哀楽、

苦悩、感情の全てを包み込み抱きこんでくれるようで・・・

大自然の母胎の中にいるような大いなる安らぎを感じ、

私は何度も心癒されてきました。

それだけにあの女性の心境も少し分かるような気がします。

どうぞゆっくりと大自然のなかで心癒されて下さい・・・

 

箕面ビジターセンターへ向ってババタレ坂を下っていくと、

山椿が赤い蕾を膨らませています。

殺風景な冬枯れの森に一灯の灯りがついているようで、

ほんわかと心が温かくなりました。

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