箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

少し森の中へ

2020-08-26 | *編集・その他
少し森の中へ!
 紅葉の季節になると、箕面大滝へ続く滝道は沢山の紅葉狩りの
人々で賑わいます。
 
年間120万人が訪れるという箕面・・・
その半分以上がこの季節に集中するとのことですから
大変ですね。
私は昨年の事、その大滝前で全く身動きできないという、
想定外の人出に出くわし、唖然とし驚いたものです。
 
地元のFM箕面のDJでジャズピアニストの石田ヒロキさんが
ラジオで・・・
 「自宅(石田音楽教室)がその滝道沿いにあるので、車で
  出ようとしたら余りの人手に出られない! 」 
と話していました。
 
そんな人出で賑わう箕面の紅葉ですが、私はいつもこの時期、
同じ森の中の全く別の場所で一人紅葉狩りを楽しんでいます。
今日はまだ紅葉の早いウツギ谷、谷山、才が原を散策する
予定で出かけました。
 
外院の山里を抜け、イノシシ防止柵を開けて森に入り、
二十三丁石の先から池を回りこむようにして、先ず愛宕の森へ
登りました。
崩れかかった山道や、朽ちた木の階段を登っていくと、やがて
尾根にで、手作りの木のベンチやテーブル、ヤグラなどが
見えてきます。
 
シダが大きく成長して細い山道を覆いしばし迷うものの、
数年前と様変わりして少し荒れた状態です。
ここは一市民によって市に寄付された山だそうで・・・
「箕面市学校の杜・あたごの森」 として整備され、学童達の森
として計画された! と以前に聞いたことがあります。
その当時、私がここを始めて訪れた時は活発な活動がなされて
いましたが、やはり森の維持管理や整備は大変な労力がいる
ことですから大変なのでしょうね。
 
私の好きな山男? C・W・ニコル氏が黒姫の森を再生させた
自然記が好きでよく読んでは、自分もいつか自分の小さな
森作りを夢見ていた頃がありました。
それだけにどんな森の遊び場に再生していくのか、楽しみに
していただけに残念です。
 
ウツギ谷へ下ってくる時に、大きなサルノコシカケを見つけ
ました。 その巾30cm以上もあろうかと思われるもので、
まさに名前のとおり猿の腰掛になりそうなキノコでした。
 
ウツギ谷林道は私の好きな散策路の一つです。
それは20m以上に林立する杉林の薄暗い森の谷間ながら
横を流れる谷川渓流の響き、沢山の野鳥が飛び交い、時折り
木漏れ日が林道を照らすその美しい光景、歩く人も少なく、
たまにMTB(マウンテンバイク)の人たちが上りコースに利用
するぐらいですから、いつもゆっくりノンビリと森の散策を
楽しめるのです。
 
水量が少なくなったとはいえ、その渓流のせせらぎの響きを目を
閉じて心で聴きながら、上空の梢をゆらす風の音や、照葉樹林
の葉音、それに野鳥のさえずりも加わって独特の森の
ハーモニーがたまらなく好きなのです。
 
夏は避暑にはもってこいの木蔭になり、冬の寒さの折り
こもれびの陽だまりで顔を仰ぐ時の暖かい感覚!
これも好きです。
 
途中から豊能自然歩道に入ると、平地の所でテントを張り
キャンプをされている方がいました。
ボーイスカウト姿の少年に挨拶すると、テントの中から
お父さんが顔をだして会釈をしました・・・
今日はここで泊まりでしょうか?
それにしても少年はいい体験をするに違いありません・・・
父子の強い絆が刻まれる事でしょうね。
 
大きなウリハダカエデの木の前で一休みにしました。
黄葉したカエデの美しい姿にしばし見とれていました・・・
それが風にゆられてパラ パラ パラと舞い落ちる姿は
実に艶やかです。
 
倒木した杉の木の上で、温かい珈琲を飲みながら至福の時間を
過ごしました。
しばし強い風が上空で吹いたかと思ったら、後方でバラ バラ 
バラと大きな音が・・・
振り向くとジャイアント馬場の足ぐらいもあるようなホウノキの
枯れ葉が一斉に舞い落ちてきたのですからビックリです。
森の中は急いで衣替えをしているようですよ。
 
尾根道に出て七丁石から谷山に登り山頂を超えた所で、
いつも私が見守っているソヨゴの木を見に行きます。
これは数年前の台風で根こそぎ倒れた大きなソヨゴの木です。
その横倒しになった幹から小さな芽がで、幹に直角に太陽に
向って芽を伸ばし始めたのです。
いつもここを通るたびに見つめてきましたが、今日見ると
もうその背丈は3m以上に伸びていて立派に育っています。
親木はかろうじて一部の根をまだ地中に伸ばしているよう
ですが、それもやがてつき、枯れて、その養分の全てが子木に
そそがれると思うと哀れに感じます。
子木が地中に根を下ろせなく、親木の幹を根にしている姿も哀れ
です。
しかしお互いに支えあい、どうしようもない自然災害の中で
助け合って生きている姿は可哀想に思う反面、幸せな親子木の
姿でもあり嬉しくなってくるのです。
 
森の中の才が原池に着くと、池畔にあるコナラ、クロガネモチ、
ネズ、ウラジロガシ、ウワミズザクラ、タンコウバイ、
ケケンボナシなどの樹木に、黄茶色した葉が夕陽に輝きを
放っています。
池面に映りこんだそれらの葉が、秋風の起こしたさざなみに
揺れている姿は、まさに画にしたいような風景です。
 
一見シーンとしたような静かな池畔に耳を澄ますと、沢山の
野鳥がさえずっているのが聞えます。
しばらくすると後のヤブの中でチョ チョ チョとする地鳴声が
聞えて振り返ると、数十羽のアトリが飛び交っていました・・・
もうやってきているんですね。
ススキの穂が風に揺れ、逆光の夕陽に白い穂がきらめいて
いる姿は、何とも高貴な美しさです。
 
才が原林道にでると、一年ぶりに車が走ってきてビックリ!
そう言えば、箕面ドライブウエイはこの渋滞時期、11月の
土、日、祝日は北行き一方通行のようなので、この南行き一方
の林道を臨時開通したようですね?
それにしても、今日も大滝へ向う人や車は大変な賑わいの事で
しょうが、私が今日一日 箕面の森の中で出会った人は5人だけ
でした。
 
みのお山荘周辺のモミジも美しく色づいてきていました。
それにマルバノキ、ヤマハゼ、ミズキ、ヤマコウバシやヤマガキ
の紅黄葉などが、美しい衣を着飾って最後の舞を見せてくれて
います。
 
大滝や滝道の散策も勿論お薦めですが、この時期すこし
箕面の森の中の方へも入ってみませんか?
静かで、素晴らしい森の風景と風情を味わえること請け合い
です。
'13  11/18
 
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