箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

ソヨゴの子!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

ソヨゴの子!

 才が原林道を北上していてふっと思い立ち、久しぶりに谷山

山頂付近にあるソヨゴの子木たちに会いに行きました。

 

何年か前の大型台風の時に、根こそぎ倒れたソヨゴの大木!

根を空へ向け、僅かに一部の根が地中とつながっているだけ

でした。

 

しかししばらくしてそこを通ると、その横倒しの太い幹から小さな

芽が出て、それが空へ向けて幹と直角に伸び始めていました。

 

ガンバレ!  ガンバレ!

 

私はここを通るたびに声(肥え)をかけ、見守ってきました。

スクスクと成長していく姿は自分の子供を見ているようで

嬉しくもあり、かすかに土中とつながっているだけの根や幹が

いつ力尽きて枯れるかも知れず、心配でハラハラしてきました。

 

到着すると、もう何十本も育っている子木の内、もう3m以上に

伸びているものもあり、順調に成育しています。

更に嬉しかったのは、それぞれがサクランボのような赤い実を

いっぱいに付けていることでした。

立派に成長したものです。

 

図らずももうすぐ「成人の日」です。

箕面でもお祝いの催しが行われますが、このソヨゴの子たちも

まさに成木に達したようです。

 

でもその子木の根元を見ると、相変わらず親幹の上で根が地中に

届いていないのです。

なんとも面白い格好ですが、やがて親木は枯れてもこの幹が

朽ちて栄養素になり、いずれはその下の地中に根を張っていく

だけの力を蓄えているような気がします。

自然の生命力はものすごいものがあります。

 

 

箕面の森の樹林管理資料(*)によると、落葉広葉樹林地や

照葉自然林でも、このソヨゴは主な伐採種に属しているようです。

つまり人間の有用性から、その一部は手入れの対象種であり

切り倒される運命にあるのですから、その旺盛な生命力が還って

生存を脅かしているのは皮肉なものです。

 

   (* NPO法人・みのお山麓保全委員会里山管理部会の

      山麓の樹林管理ガイドライン市民懇話会 編集

      「山麓・里山樹林管理ガイドライン」 からです。)

 

 

谷山谷から医王山の二十二曲がりを下っていると、

急に木立の間から視界が開け、遠方にキラキラキラと輝く

大阪湾が見えてきました。

双眼鏡で眺めてみると大型船舶が浮かんでいます。

 

手前には高層ビル群の林立する大都市大阪の上空を

伊丹空港へ向けてゆっくりと着陸態勢に入って降下している

飛行機が見えます。

 

府の咲島庁舎WTCビルも見え、その先の関西空港の

ターミナルビルの屋根が光っているのも見えます。

あの関空から都心の梅田まで8分ほどで結ぶリニアカー構想も

話題ですが・・・?

 

自然溢れる森の樹間から見る近代機械化文明の世界・・・

日々変化し変貌していく新世界・・・

横に生える樹齢80年近い松の老木も、この変遷をここから

眺めてきた事でしょう。

私もタイムスリップしたような感覚で眺めていました。

 

あのソヨゴの子たちがやがて大地に根を下ろし、更に成育して

子木を育てていく頃には、この風景はどう変っていくのだろうか?

 

それまで今や枯れススキ状態の自分だけど、もう少し生きて

新時代も見てみたいものです。

ちなみに枯れススキは多年草だから、一見枯れたように見えても

春には必ず芽を吹くものだから・・・

 髪の枯れススキにも希望が湧いてきます・・・? (笑)

'13  1/11

 

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