奈良市の歯科医院 森歯科クリニックスタッフブログ

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木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

2012年02月04日 | スタッフのきまぐれ日記
感動した
ここ最近読んだ本の中でダントツに良かった

上下2段の700ページは、さすがに時間がかかりましたが、
本当に読んで良かったと思える一冊です

内容は、戦前の柔道界において「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」
と賞されたほどの不世出の才を持つ柔道家で、
15年不敗を誇る木村政彦の人生の話です。
一応力道山に力負けしたことになってる試合に対する
木村政彦の名誉回復がメインの話なんですが、
木村政彦とその師匠である牛島辰熊の師弟関係、
柔道に賭ける想像を絶する情熱、そして弛まぬ努力、
またその愛すべき性格、真っ直ぐ故の失敗・・・
武道家として、何て魅力的な人物なんだろうか

力道山との決戦は、確かに八百長破りだったとしても、
気を抜いてリングに上がった木村のミスで、
負けたことに対しては、言い訳のしようもないでしょうが、
それだからといって木村政彦の評価が下がるものではないはず

真剣勝負の興行であったプロ柔道の失敗、
海外でのプロレス経験がある故にの思い込み、
当時の木村の経済状況、妻の病気の治療費、
そして何と言っても・・・戦争
師匠牛島辰熊からの解放による気のゆるみも、
練習不足とは言え、それでも史上最強とも言える強さ故の自信過剰も、
その人間故の誤ちを、誰にも責めることなど出来ないでしょう
やはり力道山と木村には、この試合に対する意味付けの温度差があったのでしょう…
世の中、勝つのは正しい方とは限らないのは、虚しいですけど、
歴史を振り返っても、そういうもんですもんね。

結果として、まだ壁はあったにせよ牛島辰熊との関係修復、
岩釣兼生という弟子を育てられたこと、拓大柔道部監督としての優勝など、
後悔に苛まれた生き地獄だけの後半生ではなかったと思いたいですね。

修正された記憶による誇張や間違いはあるだろうが、それでもすごい話ばかりで、
本当の「男」というものを感じる、お薦めの一冊です

天覧試合を獲った後の師弟の笑顔の写真には、涙が出ました

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