毎日のように怖い話をTVでやっていますね。
若い頃は、「こわ~~い!!」とドキドキしてみたものでしたが、子供たちがキャーキャーしながら見ている姿に、「そんなの思い込み~~」と信じない私です。
もう、おとな? おばちゃんになり現実的になりました。
そんな私でも、子供のころ一度だけとっても不思議な体験があります。
今では怖いという気持ちが、強すぎて幻覚が見えてしまったのだと思っています。
人というものは、脳の病気、事故による、脳の損傷、もちろん薬物などでかなりリアルな幻覚を見ることがわかっています。
金縛りも霊的なものでなく、頭ははっきりしているが、体は寝ている状態の時に起きることだというらしいし・・・・
この話は、旦那や、友達に評判の話です。
では、始まり....
私は町田に住んでいました。小学生の何年かは忘れました。図書館は、自転車で行かなければなりませんでした。バスで行くと何停留所か先です。
バス通りを過ぎて、左手に曲がると病院があり、精神科の病院で時折大きな奇異な声が聞こえたり、そこの格子の窓から手だけが振られているのを見たこともあり子供たちは、怖がってそこを通過します。(前フリですね~~)
そのあと、上が道路のコンクリートのトンネルのある坂道をくぐっていきます。
しかし、トンネルの道は、横が元火葬場という噂のある場所です。
右手を見ると真新しい砂利の更地で、小さな祠がぽつんとあるのが見えます。 そこを見ながらトンネルをくぐっていきます。
そんな噂があるので怖いので私は一人では、決してそこを通りません。
左から行く道もあります。しかし、そちらは、ものすごい急な狭い舗装されていない坂道でぐるりと旋回しながら砂利道を自転車を押しながら上っていきます。木がうっそうとしていて山道のようになっています。砂利道がタイヤを滑らせ、自転車は重く大変なんです。時間も3倍ぐらいかかってしまいます。
一人の時は、そっちの道を行きます。 大変で、寂しい所なのであまり行きたくはありませんが、それでも、トンネルよりはましです。
夏休みだと思います。
私は、一人で図書館に本を返しに行きました。
迷ったのですが、早く楽に行きたかったのでトンネルの道を選びました。
トンネルの道も坂道なので自転車を押しながら進みます。
トンネルに入る前から怖い気持ちが高まりドキドキします。
入ってすぐひんやりとします。
「怖い怖い」と思いながら進んでいくと、夏なのに、とっても寒いんです。背中から首筋、頭へと寒気が駆け上り、ばーっと!髪の毛が逆立っていくのを感じます。
右側のほうがとっても気になりますが、「見ちゃダメ!、見ちゃダメ!」という警戒の気持ちがすごくして自転車を押していくのですが、短いトンネルのはずなのに行けども行けども出口は近くならず、はるか先のほうに小さく見えます。
そのうち、何人ものお坊さんが唱えるお経の声が聞こえてきて、お線香の匂いまでして来ました。
「右を見てはいけない」と心の中で言い聞かせていたのにとうとう私は首を向けて見てしまいました。
目に飛び込んできたのは、お葬式の祭壇
なぜか、トンネルの壁がくりぬかれた洞窟のようになっていて明るい
トンネルの壁は、フラットなはずなのに一段、段差があり火のついたろうそくが対で立っていました。足元には、よくある紺に白い水玉の湯呑みがおいてあるのがはっきりわかり、中に水のようなものが入っています。私は、お酒なんだな~~と思ったことを覚えています。
白い菊の祭壇にお線香の煙がたなびいています。
ろうそくの火が揺れ、手前側に私のほうに向いて白木の棺があります。
お経・・・・・・・
はっきりと目の前に現れた荘厳なその様子を見てびっくり!
「うわぁ~~!!」っと叫びながら、自転車を押しながら駆けていきました。
でも、自転車を放り出さないのですね~
行けども行けども抜け出せずだんだん不安になりながら走った気がします。
突然す~~っとトンネルを抜けて明るい世界に戻ってきました。
とっても怖かったです。
お化けとか見たわけではないんです。 それだけです。
だから今では、子供の感受性のせいだと思っています。
後日友達三人で、また、このトンネルを通りました。
申し訳ないけど、私は、真ん中にはならないようにして入りました。迷信を信じて。
トンネルは、あっという間に通り抜けました。
短いです。 壁は、どこにも段差はないコンクリートです。穴なんてありません。なんであんなに長くかかったのか不思議です。
もう数十年前なりますが、その時の友人に「あの場所は、まだあるの?」と聞いたことがあります。
まだ、地元で暮らしている友人は、トンネルの上の道路を通勤で毎朝使っていると言っていました。それに「火葬場の跡地というのはほんと?」とも聞いてみました。ほんとだそうです。あの更地は公園になっているそうです。
どう思います?
おしまい