ゴダールよりもデ・パルマが好き(別館)

ホンも書ける映画監督を目指す大学生monteによる映画批評。

タイタンの戦い

2010-05-08 12:16:53 | 映画(た行)
2010年・アメリカ・Clash of the Titans
監督:ルイ・レテリエ
(IMDb:6.0 Metacritic:39 Rotten:30)
公式HP



3Dカメラで撮影されるされる予定が予算の関係で、2Dカメラになったらしい。
そして、ポストプロダクションで、2Dから3Dへと変換する技術が採用された。
だが、この3D版の評判があまりにも悪く、フェイク3Dなどと呼ばれているらしいし、
2Dで撮られたものはやはり本来の姿で見るべきだと思い、2D版を鑑賞した。
3Dらしい立体感があまりないことが不評の原因らしいが、
明らかに2D向けな速い編集も3Dの効果を減退させているのだろう。
しかし、これほどまでに3D映画にピッタリな題材もないのではと思えるほど、
「タイタンの戦い」はアトラクション的で、その効果を上手く出せなかったのは
もったいない。



見ている間、ずっとワクワクしていた。
これは男にしかわからない感覚なのかもしれない。
レテリエ監督によるとこれはアニメの感覚らしいが
それよりもゲームをしている時の高揚感に似ている気がする。
「ドラゴンクエスト」や「ファイナル・ファンタジー」のような
次は何が出てくるのかという楽しさだ。
無駄に派手な音楽がまた冒険心を掻き立てる。

はっきり言ってストーリーは「ドラゴンクエスト」よりも薄い。
進んで、敵を倒して、進んで、敵を倒して、がこれは本当に映画なのかと
疑いたくなるぐらいに繰り返される。
スコーピオンとの戦いとメデューサとの戦いは驚くほど仲間が死んでいく上、
主人公が神の力を出し渋り、あまり強くないので、
緊張感が上手く継続されている。
ただ、最終的に主人公があれほどまでに拒んでいた神の剣をあっさりと使ってしまうのはどうかと思った。
また、途中で仲間になるいかにも“旅の仲間”風なジンや
定番ながら最後に意外なところで活躍する2人組みなども楽しい。
ストーリーの整合性や伏線の扱い方などは考えずに素直に映像を楽しむのが、一番の得策だろう。
最後のクラーケン戦は大迫力で、2Dでも3Dに見えそうなほど。
家のテレビで見てもストーリーの甘さが目に付くばかりだと思うので、
音も映像も十分な映画館のスクリーンで見るべきだ。



ギリシャ神話について詳しくないのだが、神様たちのやりたい放題過ぎる設定に驚いた。
ギリシャの神にレイプ魔が含まれていたとは。
やはり地球上の出来事というよりは、別世界でのファンタジーだと考えるべきか。
ゼウスやハデスの登場の仕方が“いかにも”なのはかっこいいが、
それ以外の神様たちは除け者状態で、全く目立たない。

出演者はほとんど記憶には残らず。
主人公を演じるサム・ワーシントンはセリフがあまりなく、役柄が面白くないこともあるが、
演技力は微妙で、存在感も薄い。

続編の製作が決定したそうなので、小さく期待しておきたい

〈70点〉