ゴダールよりもデ・パルマが好き(別館)

ホンも書ける映画監督を目指す大学生monteによる映画批評。

トリプルX ネクスト・レベル

2009-03-11 13:17:10 | 映画(た行)
2005年・アメリカ・xXx: State of the Union
監督:リー・タマホリ
(IMDb:4.1 Metacritic:37 Rotten:16)
公式HP(米)

ヴィン・ディーゼル主演の大ヒットアクション「トリプルX」の続編。



前作のアクションしか目がないアホ監督ロブ・コーエンが降板し、
今作ではアクションしか目がないアホ監督リー・タマホリが監督を務めた。
どちらもアクション専門の監督であることに変わりないが、
前作がエクストリーム・スポーツを派手にしたアクションだったのに対して、
今作はCG丸出しの秘密兵器アクションに変更されていて、同じシリーズとは思えないものになっている。

ロブ・コーエン監督降板を受けてヴィン・ディーゼルも降板。
続投したのは黒人ラッパーのアイス・キューブとなった。
この変更を受けて、ヴィン・ディーゼルはセリフ一つであっさりと殺され、
「新しいトリプルXはスケボーとかが出来るだけでは駄目だ。もっと危険なヤツにしよう」
という言い訳がましいセリフのあとに、アイス・キューブが選ばれるが、
見た目の重さやアクションの動きすべてを踏まえてヴィン・ディーゼルの方が危険に思えるのがなんとも頼りない。
結果、ネクスト・レベルどころかただのブラックプロイテーションになってしまっている。

しかし、今作を「トリプルX」の続編だと思わず、全く別物のアクション映画としてみれば楽しめるのも事実だ。
車、銃、ラップ、ファスト・フード、ダウンタウンなどといかにも黒人が喜びそうな要素を詰め合わせ、
対して腐敗した政治家、警察、イギリスのストリング・カルテット、アップタウンの豪邸などと
いかにも黒人たちが嫌いそうな要素詰め合わせたステレオタイプな構図はわかりやすく
痛快な展開やブラックなジョークをを生み、映画を楽しくするのに一役買っている。
大統領の平和的な演説とその外で行われる黒人、白人の銃撃戦のカット・バックは特に面白く、映画の構造を端的に表している。

主役は地味だが、脇にはウィレム・デフォーそして、ミスターB級サミュエル・L・ジャクソンと豪華だ。 

難点はストーリーがわかりにくいことだ。
ストーリーなどどうでもいいと言えば、確かにどうでもいいが、
組織同士の関係が判りにくいのは気になる。
また、空母でのカタパルト発射による爆破やラストの高速列車などのCGはアニメっぽく、安い。



映画の最後でもっと危険なトリプルXを捜すと言い、続編を暗示していますが、
なんと続編ではヴィン・ディーゼルの復活が噂されています!
2010年公開予定で、監督は第1作目のロブ・コーエン。
アクションなんかよりもどうやってザンダー・ケイジが蘇るのかに興味が・・・。

〈60点〉



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