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モンゴル通信 ☆スタッフリレー日記☆

モンゴルへ行こう![モンゴル通信]スタッフによるリレー形式の日記。

モンゴル馬

2008-12-05 19:08:05 | モンゴル
モンゴル人というのを馬なしには考えることは出来ません。歴史的に見てもモンゴル人は馬に乗って祖国を守り、競馬を楽しみ、美しい馬に乗ることを誇りにするという習慣を持ってきたため、馬を何よりも大切に扱いまた、尊重してきました。2006年度の家畜頭数のデータによれば馬の頭数は2百70万頭となっています。現在、モンゴルは馬の頭数で世界第7位ですが、人口一人当たりの馬の頭数では第1位となっています。近年、馬の頭数、また皮、毛、馬の乳、など馬から得られる製品などの利益も増加しています。普通の牧民世帯は大体2つから4つの馬の群れを飼育していますが、この群れのリーダーともいえる1頭のことをアザルガと呼びます。1つの群れには大体5頭から9頭の雌馬と10頭の雄馬また、それと同じぐらい数の子馬がいます。と言うことは一家で大体50頭から100頭の馬を飼っているということになります。また、それ以上で200~400頭の馬を飼っている家庭もあります。モンゴルでは馬の繁殖期が6月~8月にかけてで、そして、約340日間の妊娠期間を経て、子馬を産みます。モンゴル馬は体格がそれほど大きくなく小柄な部類に入ります。
平均体重は雄で360キロとなります。モンゴルの馬は背が低く、首の付け根までの高さは125センチから133センチといったところです。外国のほかの種類の馬の場合では142~152センチあるのが普通だと言うことで、モンゴル馬は一回り小さいのです。しかしモンゴル馬の忍耐力はとても優れており、平均で1~2トンの荷物を運ぶことが出来ます。羊飼いの馬はゆっくりと羊の群れを追いながら1日に平均70キロの距離を歩きますが、一旦走り出した場合は200キロもの距離を走るのが普通です。馬はモンゴルの遊牧民にとって基本的な運送の手段となります。その他馬の肉や乳、毛、皮も遊牧民の日常生活に良く使われるものなのです。モンゴル馬は牧場で放牧されるので、肉は美味しくて、他の家畜の肉と比べるとカロリーが高く、消化がよいのです。また、雌馬の乳は7月から10月の間搾られ、馬乳酒を作ります。1日一頭の雌馬から平均3リットルの乳が搾れ、馬の乳は色々なビタミンも豊富とされています。モンゴル馬の33%が草原で、37%が平原に、30%余りがゴビ地域で放牧されています。
数々の素晴らしい馬についての伝説、民話、民謡などもモンゴルには数多くあります。広い国土に住む遊牧民であるモンゴル人には馬は欠かせません。モンゴル人は馬をののしったり、なぐったり、頭や胸をむちで打つことをタブーとします。愛馬が死んだら頭蓋骨を取ってあがめるという習慣も昔からありました。頭蓋骨をハダッグという青い絹の布で包み、周囲に白い石や乾いた馬糞などをそえて、丘の上に置くのです。
馬頭琴という楽器は馬に対するモンゴル人の考え方を世の中に知らせました。この楽器の2本の弦には馬の尻尾の毛が使われます。また馬をモチーフとした工芸品、刺繍、彫刻なども沢山あります。つまり馬は縁起のいい動物として扱われているのです。例えば、遠くの旅に出る前に、昔からの遊び道具であるシャガイという羊のくるぶしの骨で旅の無事を占います。シャガイの5つの面をそれぞれ馬、牛、羊、らくだ、山羊と考え、投げて馬の面が上にきたらその旅は無事にうまくいくとされています。
モンゴル人は昔から「よい馬は男を飾る」と話してきていますが、ナーダムなどの祭りではたてがみをきれいに整え、銀製の鐙(あぶみ)や鞍をつけた馬は持ち主の自慢となるもので、人々の注目を集めます。「よい馬は男の親友」とも言われます。
チンギスハーンやその英雄たちが戦場で倒れたときにも馬が手綱を引っ張り、彼らの命を助けたという話もあります。また、モンゴル人は大事なお客さんに最高のプレゼントとして馬を贈る習慣も昔からありました。   

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