「こんなはずじゃなかった」。日本各地では今、こんな恨み節が聞かれている。地方分権改革のしわ寄せが生活に直結する地方では、疲弊の叫びばかりが聞こえているのだと言う。
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北川 一つは、暮らしに直結する、医療とか介護とか、子どもさんの学校の問題だとか、いわゆるシャッター通りだとか、そういうことに的確に応えていくための分権というものが確立していないということですね。結局、極端なことを言えば、中央官僚が国の財政再建のために、いわゆる国税、補助金をカットして自主財源というのが体よくあしらわれた感が否めないということですかね。・・・
・・・ 小泉純一郎政権のときに始まった「三位一体改革」は、「地方にできることは地方に」という理念のもと、国の関与を縮小して、地方の権限と責任を拡大しようと進められた。(1)補助金の見直し、(2)国から地方への税源移譲、(3)地方交付税の見直しが掲げられたが、3兆円の税源移譲はなされたものの、地方の裁量は小さいまま。結果的に、交付税の削減が地方の生活に大きくのしかかった。改革は、住民にとって実感のわくものではなく、国の財政再建のための手段に過ぎないとの批判もあった。・・・
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