宮城の作家希望

作品など

27、狭間と空間と黄泉と

2020-10-20 11:00:00 | 小説
闇の中でエレナレナは途方に暮れていた。
『聖女が亡くなった、体が世界に食われた?一体どうなっているの!』

『私は白銀だ実わ私もこの空間に閉じ込められている君はまだ幸運だよ姿が残っている私は魂だけで姿がない、何の慰めにもならないが』

白銀と名乗った声は知っている事を教えてくれた。
ここが魂の通り道だと言う事を
『聖女も通ったよ、だから私もいずれ出られると思ったのだが未だに出られない、だから必ず出られる保証はない』
白銀はそう言葉を閉じた。

エレナレナは見た。リンゴやケーキが現れて消えた。

再び沈黙の森
歩き疲れリンゴでも食べようと近くの木からリンゴをもぎ取った。
『ミャーも食べる?』
『アタシにも頂戴』

『おい、それどうした』
慌ててエレガが尋ねる、この空間には存在しない筈と言うが、エレガの手にも甘いリンゴの実が、
次の瞬間にはアカネの手にケーキも有った。

『それは』
『だってお腹空いて!』
アカネは申し訳なさそうに謝った。