宮城の作家希望

作品など

25、杖の力

2020-10-18 12:54:00 | 小説
エレガ達は海洋国ナラの沈黙の森近くの街で魔力保存用のペンダントを買い身に付け森へと向かった。その頃にはアカネの怒りも収まりアクセサリーに夢中になっていた。

ミャーは今も猫と遊んでいる。猫は精神の状態で姿が半透明なのだが、他の人には見えないらしく誰も不思議に思わない。
アカネの杖が微かに光っている。

周りの植物が少し元気になった。誰も気づかないが。
暫く歩くと森の入り口にーー用の無き者近づくなーーと看板が立っている。
『普通に森ね』アカネは感想を漏らした。
『確かに看板無ければ気付かない』エレガも言う。

『ここで魔石の採掘がされている』
アカネの心に声が響いた。その声は
あの半透明な猫からだった猫がアカネを見ている。
『神獣ともあろう者が罠に掛かって人間に助けられるとは困ったものだね、この姿は目立たない様にね。だから巫女である貴女達しか見えていないよ。それと』

ガサ
何かが茂みの中で動いた。
それは人型のロボットらしきものがこちらに向かって来た。
『近くで採掘してる様だね、警備兵だよ』

エレガは光の壁を作るが崩壊した。
アカネも火球を放ったが消えてしまう。
『ここはそう言う場所なんだよ。だけど貴女の杖は特別製かい使えそうだね、そのペンダントと同化してごらん』

言われるまま同化させると杖は剣の形に変わった。それを突き刺せばロボットは動かなくなった。
茂みの奥では採掘用の機械が岩場から岩石を切り出していた。
ナラではこうして魔石を掘り出しているらしい。

アカネが再び見た時には元の杖に戻っていた。
『大聖女様の力を感じる、この森で使えるとは流石だ』
エレガは感心しまくりで語る。