『わー』
アカネは思わず大きい声を出した。
何故なら目前に雲の海が広がりそこに自分が立って居たのだからビックリした。
『エレガそう怒るな、お嬢さんに天空を実感してもらおうと思ってな。ちなみに精神状態だから落ちないから』
エレガはすぐさま元の状態に戻した。
アカネは先程の場所が本当の天空なのだと知った。よく見ると足元に猫がいたがミャーは反応しない。じっと見つめるだけだった。
『命がない』
猫を見ていたミャーが言った
『命がないか確かにここの物は生命体とは言えないか私達を含めて借り物だから』
そう、ーー天空の民ロトーーは実際には存在しない場所。ただ世界を見守る為に精神と成って存在する。
『我々はーー始まりの聖女ーー様の最後の希望。我々が世界に食われぬ為の防御』
エレガが言う、その唇は震えていた。
『ネガ、この子を元の世界に帰したい力を貸してくれ』
エレガは自分の移動魔法とネガの異空間魔法を合体させて時空移動を完成させようとしていた。
『本気か?』
うなずくエレガに頭をかいた。