東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

政治とはコメディである

2021-06-07 09:17:33 | 韓国物

文在寅氏の嘘のオンパレードを整理しておいても無意味ではないと考え、今回はそれを
ご紹介したい。5月30日、ソウルで開催されたP4G(Partnering for Green Growth and
the Global Goals 2030,環境に優しい経済成長とSDGs実現のため,官民連携強化を目的として
2018年に設立されたネットワーク)テレビ会議のオープニング映像で、開催地ソウルではなく
平壌の風景が流された。青瓦台はミスだとしているが、こんな重大な会議でのセレモニーに
こんな単純なミスはあろうはずもない。わざとこうしたのだろう。
北朝鮮に対してゴマをすっているとしか思えない行為だ。
そんな中、韓国の左派系メディアは、朝鮮労働党規約の改正で金正恩が北朝鮮主導での統一を
諦めたなどと、とんでもない主張を流し始めている。その先頭に立っているのはハンギョレ新聞だ。
ハンギョレ新聞は6月2日の社説で、金正恩が北朝鮮主導の統一を取り下げ、当面は体制の生き残り
だけに集中すると読み取れる、などと手前勝手な解釈を展開している。このように新たな世論操作
にはいった文政権だが、これまでにも文在寅が先頭に立って嘘をばらまいてきたわけで、
その嘘の中からまずは大きい方の4つを紹介したい。
1.金正恩が1年以内に非核化するとした嘘。
前大統領補佐官ボルトンの『それがおきた部屋』の中で、2018年4月27日の板門店南北首脳会談
の翌日、トランプとの電話で金正恩がプンゲリ(豊渓里)核実験場の閉鎖を含めて完全な非核化
を約束した。金正恩は1年以内に非核化することに同意したと話したといわれている。
しかしこれが全くの嘘だったことは、2019年2月のハノイ米朝首脳会談の決裂から今日に至る
金正恩の態度を見ても明らかだ。
2.終戦宣言はいつでも取り消せる、との発言。
シンガポール米朝首脳会談後の2018年9月25日、文在寅は米国フォクスニュースとのインタビューで、
終戦宣言はいつでも取り消せる、対北朝鮮制裁を緩和しても北朝鮮が非核化約束を破った場合、
制裁を再強化すれば問題ないなどとありえない主張を全世界に流した。
しかし終戦宣言も北朝鮮制裁も、一度撤回すれば簡単に再発動できるものではない。米と北との間で
終戦宣言がなされれば朝鮮戦争が完全に終結したことになり、当然国連軍司令部は解体される。
その場合、北が再び南進しても国際社会が介入することは困難だ。国連での南進糾弾と国連軍派兵
に関する決議案は中国とロシアのどちらかの一国が拒否権を発動すれば国連安保理では決議
できない。対北制裁も、非核化する前に解除または緩和してしまえば、北がふたたび高強度の核、
ミサイルの挑発でもやらないかぎり再制裁の発動は困難となる。
こんなことは当然文在寅はわかっていての発言なのだ。
3.金正恩に罵倒されたにもかかわらず非核化の意志を重ねて明らかにしたと真逆の話をしたこと。
ハノイ米朝会談決裂後金正恩はその怒りを文在寅にぶつけて、2019年4月12日の最高人民会議での
演説で、でしゃばった調停者のふりをするなと罵倒し、米国に追随するのではなく北朝鮮の側に
つけと要求した。勿論非核化については一言の言及もなかった。そこまで言われたにもかかわらず
文在寅は3日後の4月15日、大統領府主席秘書官、補佐官会議で、金正恩は朝鮮半島の非核化と
平和構築のための確固たる意志を重ねて明らかにしたなどと幽体離脱したかのような主張をした。
ここまでねじまげればコメディ以外の何物でもない。コメディアンのイ・ジュイル氏が昔、
「政治とはコメディである」というすばらしい名言を残しているがまさにこれがコメディでなくして
なんであろう。
4.民間の対北散布ビラが南北合意に違反としたという嘘。
2021年5月10日、就任4周年特別講演で文在寅は、いわゆる対北ビラ禁止法と関連して、
国民の皆様も会話雰囲気に力をかしていただきたい。特に南北合意と現行法に違反して南北関係
に冷や水を差すことは決して望ましくないとし、政府としては厳正な法執行を行わざるをえない
ことを強調すると、対北散布ビラが南北合意違反であるかのように話した。
しかし南北合意案での誹謗、中傷、ビラ散布の禁止は当局間での合意であって民間の活動は
含まれていない。この問題と関連してはすでに韓国の国家人権委員会が、南北の合意事項は
当局間の相互誹謗禁止であるのでこれを根拠に個人の表現の自由を制限することはできない
との判断を2015年2月17日に出している。
文在寅の嘘は、このほか、国内政治、経済政策、安全保障、歴史認識、外交など多岐に渡っている。
『月間朝鮮』によるとカン・ジュンマン全北大学名誉教授は、昨年10月の著書
『権力は人の脳を変える』の中で、文政権のネーロナンブル事例を一つ一つ整理していて
途中でやめてしまったという。その理由は、ほとんど全てがネーロナンブルだったからだという。
ネーロナンブルは、タマネギ男チョ・グクで有名になったことばである。
(自分がすればロマンス他人がすれば不法の意)。
ちょっと長くなるが、以下に文在寅氏の就任時の発言がいかに嘘にまみれているかも、
簡潔に整理しておこう。
2017年5月10日の就任の辞:
(ア)=正直な大統領になるという嘘。
今日5月10日は真の国民統合の大統領が就任した記念の日となろうといったが、
これがまさに嘘だった。韓国の民主化以降、文在寅ほど韓国を分断させたものはいない。
その舌の乾かないうちに積弊清算の名のもとに反対勢力を弾圧。国民を敵と味方に分断。
国会人事聴聞会で野党の合意を得た閣僚はほとんどいない。保守勢力を敵対視し事件を
捏造してまで追い詰めようとした。その代表例がセウォル号事件の再捜査だった。
13の嫌疑だったが全て嫌疑なしで終わった。その過程で軍の情報機関司令官が自殺した。
(イ)=権威主義を捨て民衆の大統領になるとした嘘。権威主義的な大統領にはならない。
民衆と対話する、一日の終わりには市場によってマッコルリを飲みかわしながら人々と話す。
光化門で誰とでもしゃべる。主要な議案は大統領が直接メディアに伝える。
これらが真っ赤な嘘だった。独裁色を強めたばかりだ。
意思疎通はおろそか。数回の記者会見も枠にはまった会見だけだった。
(ウ)=公平な人事をやるとした嘘。能力に応じた適材適所を推進する。自分に対する支持如何
には関係なく人事登用をする。三顧の礼でむかえる。何度も繰り返します、文政権において
機会は平等です、と公約した。しかし大統領府は従北派で固められた。内閣改造で登用した
のは自分の親衛隊であるミミズク会の連中だけ。ミミズク会の名は、ノ・ムヒョンが落ちた
ところがミミズク岩だったことから取った名。
(エ)=清廉潔白な大統領になるとの嘘。手ぶらで就任し手ぶらで帰りますとした。
しかし不正選挙や家族の不正疑惑が絶えない。人事ではほとんどが不正のある人材だった
(現在もそうだ)。すでに1167坪の家も購入している。手ぶらで就任し手ぶらで帰ります、は、
ただのことばのお遊びだったのだろう。
(オ)=北朝鮮の非核化を推進するとした嘘。朝鮮半島の平和定着のためならば
わたしができる全てのことをやりますと言った。実際には金正恩の核放棄という嘘を世界に
触れ回り、金正恩の代弁人といわれただけだった。韓米同盟の中心である韓米合同演習を
中断した。何かをやる場合には金正恩と相談して決めるとまで言ったこともある。
犯罪の取り締まりを強盗と相談するに等しいこと。北朝鮮の非核化どころか、北朝鮮の
核武装のためなら「わたしができる全てのことをやります」という中心軸が常に見え隠れして
はいないのか。
かなり長文になってしまって申し訳ないかぎりだ。しかし問題は、ここに書いたことは
文政権の嘘のごく一部にすぎないということ。来年2022年3月9日の第二十代韓国大統領選挙のあと、
文政権の嘘のサマリーは必須の仕事なのだが、ありすぎて、できるかどうか。
筆者は決して他人様の悪口を誇らかに吹聴して歩くような人間ではない。
けど、こと文在寅氏に関する限り、ファクトだけを言おうとしたらこうなってしまうことを、
ご理解いただければ幸いである。脱原発だけが唯一の賛同項目だったけど、それも、
実は北の金正恩には原発提供も秘密裡に約束していた疑惑があり(たぶん事実)、
国内では脱原発、対外には原発推進という彼の二重スタンダード思考に改めて驚かされた次第である。
(今回も朴斗鎮さんのYouTubeに多くを負っている。感謝。)

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