東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

金正恩がいい気になっているところにトランプが強気のボディーを食らわした。

2018-06-04 03:00:00 | 韓国物

5月9日、金正恩が中国の習近平国家主席と会談したあとでいきなり北の態度が変わった。
5月16日に、米韓合同軍事演習を理由に南北高位級会談の中止を宣言し、さらに、
北朝鮮外交のキーパーソンである2人、金桂冠(キム・ゲグァン)と崔善姫(チェ・ソンヒ)を使って
米国に対してものすごい高飛車な言い方で米国を非難し米朝会談の中止もありうるといったニュアンスのメッセージを出した。

それまでは、4月27日に南の文大統領との南北首脳会談を全世界の耳目を集める中、
堂々と、しかも華麗に成功させて見せた。
金正恩に対する世界の見方が変わった瞬間だった。

ところがそれからいくらも経たない中、手のひらを返すように、
米に対し、南に対し、考えられないような強硬姿勢でアッパーカットをぶち込んだ。

なんであんなことができるのだろう?
いくら金正恩だって、あれだけ世界の信頼を得たあとであんな態度ができるのだろうか。
おかしい。なぜだ???

5月16日の金桂冠と崔善姫の北を象徴する二人の爆弾発言をはじめてテレビで見たときから
「なぜだ?」の疑問がずっと筆者の頭の中にあった。
それをある程度小気味よく解決してくれる見解が見つかった。

高英起(デイリーNKジャパン編集長)氏の書いた文章が面白いので筆者のことばも交えて紹介したい。

金正恩は5月9日の第二回目の中朝会談で、それまでちょっとぎすぎすした感じのあった中国と
ある程度うまく関係改善ができたことで、自分の外交手腕に自信をもった。
韓国の仲介がなくても米国に対して強気な姿勢で臨めると思った──ひらたく言えば「調子に乗ってしまった」というわけだ。

これまでの米国の指導者なら、歴史的な会談の実現を優先して譲歩したのかもしれない。
しかし、今回ばかりは相手が悪かった。あのトランプだ。
いきなり会談中止を表明して金正恩を無慈悲に突き放した。
これに金正恩は相当なショックを受け、焦りを感じただろう。
翌5月25日に、即座に外務次官の談話を発表したが、その中身は言い訳に終始している。

予定外のトランプの攻撃に対して劣勢に追い込まれた金正恩は5月26日に急遽、
文在寅との首脳会談を持ち、「米朝会談の実現に確固たる意志」を表明した。
このとき、会談を強く望んでいるのは金正恩でありトランプ氏が「会ってやる」という構図ができあがった。

なるほど、これなら中国との5月9日(第二回目の)会談のあとで
北が急に「本来の」ならずもの国家らしい喧嘩言葉を吐いた意味が理解できる。

これでいけると意気込んだはいいのだが、2か月にして経験不足を露呈し、
最初にして最大の大惨敗を喫してしまった格好になったわけだ。

高英起氏の以上のような分析は、筆者の抱いていた疑問に真正面から答えてくれる内容である。
高英起氏の言及を全的に支持する。

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