このブログ、数学の話題もときどき載せている。
今回は、古代ギリシア時代から問題とされてきていた三角形に関する問題が、慶応大の二人によって解決されたというもの。
どんな問題なのかというと、
「辺の長さが全て整数となる直角三角形と二等辺三角形の組の中には、周の長さも面積も共に等しい組は存在するか」というもの。
例えば図にもあるように、12、16、20の直角三形。周の長さは48となる。
一方15、15、18の二等辺三角形。周の長さは48で周の長さは等しい。
ところで面積は、求めてみるとそれぞれ
直角三角形は96となり、二等辺三角形は108となり、面積のほうは等しくならない。
こんなように、周の長さも面積も等しくなるような三角形があるのか、という問題だ。
(ただし、辺の長さは全部整数の場合を考える)
これに、「ただ一つの組だけ存在する」と結論を出したのが今回の慶大院生の二人というわけだ。
「377・352・135」の直角三角形と、「366・366・132」の二等辺三角形のペアがそれ。
周の長さ=864。(それぞれ)
面積=23760。(それぞれ)
となり、周の長さも面積もこの場合だけ等しくなるのだ。
これの割り出しに最新の現代数学の知見を使っているところがミソで、
慶応大大学院理工学研究科の大学院生・平川義之輔さん(28)と松村英樹さん(26)の2人がその主人公。
2人はまず、三角形という幾何学の問題を代数の問題に変換して考えることにした。
その上で、現代数学の手法「数論幾何学」を用いて解いたところ、解が一つ存在することがわかったという。
この結果から、周の長さと面積が共に等しいものは相似の場合を除いて、
「135、352、377」の辺を持つ直角三角形と、
「132、366、366」の辺を持つ二等辺三角形の1組だけとわかった。
この定理は今後、「平川―松村の定理」などと呼ばれることになるだろう。
日本人の仕事がまた一つ世界に刻まれた。 (図は2つとも朝日新聞を参照)
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