暖かな一日。
仕事を終えてそのまま奈良国立博物館まで自転車で。
職場からは7kmほど。
途中まではまっすぐで平坦な阪奈道路(県道一号線→国道369号線)なのですが、
JR線を越えたあたりからずっと登り坂です。
国立博物館に着く頃にはじっとりと汗をかいてきます。
今開かれているのは「鑑真和上展」です。
鑑真は唐でも高名な僧でありましたが、日本の要請により、
五度にわたる渡航の失敗を経験し、さまざまな危険にも遭遇しましたが、
その幾多の苦難にも屈せず、仏教伝道のため来日された僧です。
その事は井上靖氏の「天平の甍」に描かれており、
確か映画化もされていたと思います。
日本に戒律を伝え、初めて東大寺に戒壇を設け、聖武天皇に戒めを授けたといわれています。
戒については、最近読んだ「破戒と男色の仏教史 」(平凡社新書)が面白かったですね。
で、鑑真は東大寺で5年を過ごした後、新田部親王の旧宅地を下賜され、
天平宝字三年(759年)に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。
これが唐招提寺です。
その「金堂」(国宝)は、「天平の甍」で有名ですが、
過去に平安・鎌倉・江戸・明治時代と過去4回の大修理が行われてきました。
阪神淡路大震災の後の調査で、建物にかなり危険なゆがみが生じていることが分かり、
平成十二年から「金堂平成大修理事業」がはじまりました。
金堂内の全ての仏像を搬出して仏像の修理を行い、
そして金堂も全て解体、
2004年にはその基壇を発掘して、2005年に再び金堂を組み立て始めました。
昨年には金堂を覆っていた囲みも取り払われ、仏像は修理を終えて金堂内に搬入。
今年の秋には落慶法要が営まれる予定です。
国宝の仏像が六体。
金堂に収められている四天王像。
そして梵天・帝釈天。
その他にも多くの仏像が展示されていました。
唐招提寺のトルソーといわれる如来形立像。
清涼寺式の仏像といえば、奈良ではこの釈迦如来立像と西大寺のが有名。
その他解体されてゆく金堂の、そして再び建設されてゆく金堂の写真が多数飾られています。
これが有名な金堂の上の鴟尾(国宝)です。
左側が天平時代の鴟尾で、かなり痛みが激しく、亀裂が入っています。
右側が鎌倉時代の鴟尾です。
その他、金堂の瓦も、平瓦、丸瓦が12枚展示されていて(全て国宝)、
奈良時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代と、時代が変わってゆく瓦が展示されています。
そうそう、唐招提寺の戒壇を再現した展示もありましたよ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます