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はなまる♫ピアノ・滝廉太郎「憾」

2020-08-27 | おとなのピアノ
瀧廉太郎のピアノ曲「憾(うらみ)」
先日のレッスンで、やっと、先生から花丸をいただけました!

この曲は・・・
自粛の頃、ユーチューブで聴き感動し、即、楽譜を買いに走った曲です。
当時はレッスンもお休みだったので、独習・・・


(書影は版元ドットコムより使わせていただいております)


やがて谷地矢車『廉太郎ノオト』(中央公論新社)と出会います。
この本は、瀧廉太郎の青春を描く、今年の読書感想文コンクール課題図書。
若手・時代小説家が、「憾」をどう描くかが気になって一気読みでした。

アタクシ、もう感涙。
うまく言葉にできなかった部分を、小説で表現してもらった気がしました。

以来、いっそう練習にも熱が入ったものの・・・
その想いは、再開されたレッスンでの聴き手(先生)に全然伝わりません。
先月は、がっくりでした・・・(→「ピアノ♫瀧廉太郎『憾』」)

・・・でも、やっぱり、この曲が好き。

どうしても弾かずにはいられないんです・・
右手は、ずっとオクターブの和音を弾き続けるので、
手や肘への負担が大きく、本当は、あまりよろしくないのですが・・・

とにかく、1日1度でも良いからと、弾き続けていました。


(岡城の瀧廉太郎像)


「憾」は、瀧廉太郎の絶筆・遺作です。

この曲を完成させた3ヶ月後、廉太郎は、肺結核のため亡くなります。
24歳でした。
平均寿命の短い、明治のこととはいえ、あまりに若すぎます・・・

その想いがピアノ曲「憾」に込められてるのです。
「うらみ」といっても、それは「怨嗟」ではなく「無念」の意味で・・・

それゆえ、決して、おどろおどろしい曲ではなく、
若者らしい激しさのなかに、諦念と寂寥、
ときには感謝や希望の念もあって・・・(と、感じている)

人生の終わりを見据えた人ならではの一曲だと感じています。

わたしも40代で大病し、好きだった仕事を辞め、夢もあきらめました。
人生、激変。

今、元気でいられることに感謝し、幸せにしていますが、
それでも「憾」は、どこかに残っています。

既に廉太郎さんの倍以上を生きている、アタクシと
早世した天才とを同じに語ってはいけないでしょうが・・・

それでも、共感し、親近感を抱いてしまうのです。



こうして一ヶ月・・・
とにかく、この曲が好きなんだ・・・と、弾き続け、
迎えた次のレッスンが、先日でした。

家では、電子ピアノを弾いていますが、
レッスンではグランド。
なんと、弾いていると、ピアノから音が返ってくるのです。

自分の音を聴きながら弾く・・・ということが
容易にできました。
あの感覚は初めてでした。

おかげでか、花丸をつけていただけた次第です。


発表会レベルではなく、あくまでもレッスンレベルのお話ではあるものの、
瀧廉太郎「憾」、とりあえず、完成しました。

廉太郎さん、やったよぉ~~
・・・はいはい、まだまだなのは、わかっていますとも。

これからも、折に触れて、弾き続けていくつもりです!

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