変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

Miracle of Children's Hospice(こどもホスピスの奇跡―短い人生の「最期」をつくる―)

2024-04-06 23:18:18 | 読書
 2021年11月頃にKindleで読んだ“こどもホスピスの奇跡―短い人生の「最期」をつくる―”の感想を以下に記す。日本最初となるこどもホスピスの設立と運営に関する話が書かれている。関係者のインタビューをもとに構成されている。設立の発端から描かれているので、こどもホスピスの件を通じて、日本社会の問題が、出ているように感じた。本書に登場してくる人は、医者を含めた医療機関の人、難病の子供とその家族で、精神的なつらさは、言葉だけでは分からないものがあると自分は感じた。また、本書で出て来る難病の子供と接する医者や看護師、こどもホスピスの関係者は、死と隣り合わせの職業であり、自分には出来ないと思った。
 仕事に関係する感想を書くと以下の通り。本書から、こどもホスピスの職員は、組織の理念である難病の子供と家族のQOL(Quality Of Life)の向上を最重要視していることが分かる。また、こどもホスピスの理事の高場氏が、それを重視して、高級タオルの購入を決めた事(位置2,343)のように、実践している事がある。本書で、あまり書かれていなかったが、こどもホスピスの管理者(上位者)の人達は、現場の職員の人達が十全に能力を発揮できるように、取り組んでいるように感じた。理論は、実効に押されがちという話が、宮崎市定著の「中国の歴史 下」での北宋の濮議で出ている。理念(理論)の実践には、上位者の人達の働きかけが必要と感じた。翻って思い返すと、自分と周りの人が、それを実践できているかは、甚だ心もとないと感じている。
 この本は2021/11/14から2021/11/27まで、読んだ本で、2021/11/14に、自分は娘とピース大阪に行った。ピース大阪は、第二次世界大戦中の大阪の爆撃を中心に、戦争と平和に関する調査研究や展示を行っている施設である。当たり前の話であるが、職業軍人の死傷よりも、子どもや女の人の死傷に関する展示が多かった。これを読んでいて、しわ寄せが弱い立場の人にいきやすい事を思い出した。
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