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ミズカタヒデヤの「外部脳」

Hideya Mizukata's "OUTBRAIN"

ニコラス・G・ハイエックセンター/銀座/坂茂/スウォッチグループ/8点

2008年07月24日 | 建築
銀座に舶来の高級服飾メーカーが看板店を連ね連ねて何だかエライことになっていると聞いて色々観てきました。スワロフスキーとか、アルマーニビルとか、ランバンとか。。。大半の建物が表通りの外壁面の材質なり穴の空け方なりを工夫したもので、最初は楽しかったのすが、見慣れてくると「随分とお洒落な看板がたくさん出来たことだなあ」くらいにしか思えなくなって、暑いしもうシンドイから帰ろうかな、と踵を帰そうとしたところに忽然と現れたのがこのニコラス。。。なんとかセンター。何とも呼び難い名前には閉口しますが、建物はエクセレント!の一言。

壁一面に植栽や滝があしらわれた不思議な路地が1階にありまして、中々気持ちいいな、って思っていたら、そこいらに2m立方くらいの大きさのガラス箱が散らばっているんですね。んで、近づいてみるとひとつひとつがお店のショールームになっているんですね。そんでもって、入口に備え付けられたボタンを内側から押すと、ドアが閉まって、ガラス箱が突然音もなく浮かび上がり、上の建物に消えていくんです。実はこのガラス箱ショールーム、お店の入口とエレベータを兼ねている、というわけです。

このニコラス。。。何とかは、要はスウォッチグループのブティックの集合体で、全部で7つのブランドに各エレベータを通じてアクセスできるようになっています。このエレベータに乗ること自体が一種のアトラクションになっており、高級ブティックという特別な空間に入る行為の演出手法として、とても効果的だと思います。同時に、銀座というセセコマシイ場所に、心地良い通り抜けを提供してくれたことは、たとえ黒服さんが眼を光らせているとしても、尊いお心遣い、だと思います。

しかし、ワタクシがこの建物が凄い、エライ、と思うのは、各フロアとエレベータの関係が、これまでのビルと全く異なるところ、なのです。普通のビルって、各階のフロアは同じ形で、それをエレベータが縦に繋いでいく、っていうシンプルーな構成ですよね。ま、当たり前といっちゃ当たり前なのですが、これは専門家に言わせると、百年くらい前にエレベータが発明されてから世界中に普及したモダニズムっていう建築様式、らしいんですね。それ以来色んな建物が作られてきましたが、結局ソコソコの大きさのビルディングって、外壁やら内装やらは千差万別だけど、プログラムとしては、エレベータが各フロアを等価に繋ぐっていう、至極単純なものでしかなかったんです。

この建物は、各フロア毎に独立したエレベータがあって、それが全て1階で等価に繋がっている。従ってお客さんは、普通のビルなら当然の「行きたいお店が何階にあるか」ということは考える必要がなく、1階で行きたいお店のガラス箱を探すだけ、なんです。そのため、お客さんは自分が何階にいるかあまり意識しないでしょうし、それぞれのお店も何階だから有利だとか不利だとか思わないでしょう。全てのフロアが平等に1階からのアクセスを獲得することで、100年続いたエレベータによる階数意識の解体を試みたことこそが、この建物のエライところ、だと思います。設計者の坂茂先生は紙菅使った建築で名を馳せていますが、決して際物ではない、稀代のコンセプトメーカーであることを示してくれました。

あ、一応庶民なもんで、スウォッチだけちゃんと店員さんと会話してきました。他は怖くて、とてもエレベータを降りられない。。。

ユダヤ人犠牲者記念館/ベルリン/P.アイゼンマン/9点

2007年09月12日 | 建築
最近ブランデンブルグ門の近くにできた建物です。地上に墓所を模した超巨大インスタレーション、地下にミュージアムという構成なのですが、時間がなくって地上しか観ていません。んがしかし!こいつは傑作です。

1m×2.5mの棺型が幅1mの格子状通路に沿って敷地を埋めつくしています。通路には緩やかな高低差がつけられ、中心部で3mほどの深さになります。来場者は物言わぬ棺の圧倒的迫力にふらふらと引き込まれ、通路を縦横にさ迷うことになります。

すると、声はすれども見えぬ他者、時に他者と予期せぬ衝突をします。これはまさしく、人生における孤独と出会いを表したもの。また、周辺では施設全体を眺めることができるものの、中心に行くにつれ、周りが見えなくなり、ただ狭い天空を覗くだけ。これはこれで、人生における閉塞感と可能性を感じさせるもの。

シンプルな構成ながら圧倒的に美しく、かつ、明確なメッセージを有するインスタレーション。必見と思います。

アリアンツ・スタジアム/ミュンヘン/ヘルツォーク&ド・ムーロン/8点

2007年09月11日 | 建築
青山のプラダを設計した建築家の手によるスタジアムです。飛行船だかミシュランのお化けみたいな姿は、2000個を超える半透明の菱形の風船を敷き詰めたもの。裏から蛍光灯で照らすと、夜毎妖しい光を放つ。。。やっぱカッコいいわ!同じビックリ系でも、大阪ドームとは佇まいが全然違います。

ハイアット・リージェンシー・ホテル/サン・フランシスコ/J・ポートマン/6点

2006年08月05日 | 建築
世界で最も有名なアトリウムは、思っていたよりも規模が大きく、圧倒的に豪華かつシックでした。これほど、写真で見たのと実物との印象が異なる建築も珍しいと思います。三角錐のシンプルなアトリウムなのですが、天空から降り注ぐ日の光が、暗く荘厳なアトリウムをほのかに照らす様は宗教建築真っ青。凄い建築の持つパワーに満ち溢れている!手摺の蔦も嫌味じゃないエコロジックな印象。隣のエンカルバデロ・センターと合わせて、建築デザイナーのJ・ポートマン、すげえ!恐れ入りました。

ゴールデン・ゲート・ブリッジ/サン・フランシスコ/6点

2006年08月05日 | 建築
金門橋です。世界で一番有名な「大橋」でしょうか。明石海峡大橋によく似てますね。けど、明石より遥かにカッコいいなあ。なんでやろ。実際に観ている時よりも、後で思い返した際に、鮮烈な印象を残す気がします。雑多なサンフランシスコの街では、突き抜けたシンボルだからでしょうね。

色のくすみ具合やディテールの繊細さなど色々あるとは思いますが、カッコよさの最大の原因は、多分「スケールの丁度良さ」だと思います。身も蓋もありませんが。写真のように高台から見たとき、橋の向こうにダウンタウンを望むシーンの絵としての完成度がずば抜けています。明石海峡大橋をこう眺めることはできませんからね。

ゆとう屋神鍋別館/豊岡市日高/木原千利/3点

2005年09月18日 | 建築
火災に遭った旅館の本館大食堂の再築だそうですが、これがどうも面白い建物なんです。細部は完全に伝統建築の意匠、なのにバロックのような扇を重ねたような平面形状。木と鉄の混構造で、天井には細長いトップライト。

ディテールは美しいのですが、全体としての空間の据わりはどうも不安定。突端の間にいると、じっくり寛ぐというより、動き回ることを目指しているような。もっと大きな規模で、展示ホールのような用途が適当なのでは、という感じでした。

ゆとう屋神鍋別館/豊岡市日高/木原千利/3点

hhstyle.com / casa/安藤忠雄/4点

2005年07月23日 | 建築
アルマーニブランドの家具店、アルマーニ・カーサの日本第一号店です。だのに何故か、輸入家具のhhstyleの名前が付いていて、しかも安藤忠雄さんの設計。マスコミが企画したような「如何にも」さが多少鼻につきますが、ワタクシ、アルマーニ・カーサのお店は大好きですので、良しとしましょう。(後で気づいたのですが、このタテモノには他のテナントも一つだけ入っているみたいです)

アルマーニ・カーサは無印をグレードアップして色気をつけたような家具を扱っています。当然にシーン展示なのですが、家具の大きさに比べて部屋がやたらに小さく、どうも貧相に見えてしまうのが大問題。日本の住宅事情にアルマーニ氏が配慮したのかどうかは定かではないのですが、どうにも店のグレードに内部空間のボリュームが合ってない感じがしました。

外観の黒い鉄板は確かにアルマーニっぽくてカッコいいです。全然安藤さんっぽくありません。それでいて、外からほとんど中の商品が見えないところとか、内部が細かく仕切られて他への転用を許さないところとか、凡そ商業施設のセオリーを度外視したところなんかはまさに安藤節。隣の妹島氏の本店の汎用性とは全く相反する方向性です。ま、お店を経営する方も客も安藤さんとわかっていて来られるのだから問題ないのでしょうけど。。。撤退したら解体されるのだろうな。。。

見学中、麗しい店員さんが声を掛けてくださいました。ワタクシのような下賎の者、放って置いて欲しいのですが、食卓の真ん中に載せる長い布(ランナーというらしい)を探しているとか何とかやんわりと金のなさをアピールしたのですが、そしたら2万円もする布切れを持って来られました。即退散。。。

hhstyle.com / casa/安藤忠雄/4点
渋谷区神宮前6-14-5/03-3400-8821
http://www.hhstyle.com/cgi-bin/omc?port=33311&sid=U1122128482T87LOOB6M&req=IPRODUCT&code=shop_casa

ピカソ347/渋谷/専門店ビル/近藤康夫/6点

2005年04月20日 | 建築
渋谷駅北東、明治通り沿いに出来た専門店ビル。渋谷の新しい専門店ビルって、久々ではないでしょうか。2003年のパルコ・ゼロゲート以来?。最近豊富な資金を生かして不動産事業を多数手がけるユニマットの経営です。

一般に都心の専門店ビルって、儲けるためにとにかく階数を積む必要があります。けど、普通は上の方までヒトが上がってこず、閑古鳥が鳴くことになります。どうやってヒトを上に向かわせるかは専門店ビルにとって永遠のテーマ。このビルもご多分に漏れず、狭いフロア面積にも関わらず12階もあります。百貨店でも物販は8階までがセオリーなのに、どうやって消化するのは、正直疑問でございました。

が、このビル、中々頑張っています。まず、7階以上はずばり、行きたいヒトが行けば良い施設に限定してしまいました。7、8階はミニシアター、9~11階はフィットネス、12階はハイクラスのレストラン、という具合。なるほど。。。後は、6階まで自然にどうやってヒトを上げるか。見ると、3~6階はワンフロアで1テナントと割り切っています。狭いフロアなので、これは正解だと思います。ラフォーレのような「何か新しいものが見つかりそう」感はなくなってしまうのですが、心斎橋OPAのような分かりやすさはやっぱ大事ですよね。メゾネットを積み上げた梅田イーマのようなアプローチもありますが、路面店とは元来ファサードを看板にするためのものだと思いますので、専門店ビルに持ち込むのはあまり賛成できません。

こうなると、後はテナントが腐ってないことが大事。何々、VICE VERSAにUNIVERSAL LANGUAGE。。。うーん、渋めの選択ですね。正直、圧倒的な訴求力はありませんが、無難でしょう。

それよりも、ここは縦動線の空間が面白い。エスカレータをクロスさせずに並列させてるんです。効率は凄く悪いのですが、巨大な吹き抜けができて、そこから原宿の緑が垣間見えるようになっている。中々に気持ちの良い場所になっています。かつて神戸にオーガスタプラザという施設があって、そこのエスカレータの工夫に良く似ているのですが、外が見えるとゼンゼン違うなあ。。。使えますね。

とはいえ、上に上がりにくいという感じはやっぱりします。開店景気を終えた後が勝負かな、と。頑張ってくださいませ。

ピカソ347/渋谷/専門店ビル/近藤康夫/6点
ピカソ347のサイト

エスコルテ青山/2点

2005年04月20日 | 建築
まだオープンし立てです。NTTビルの1階にセミナー室とカフェと家具屋が入れて、横っちょに裏通りへの通り抜けをくっつけた簡単な改修工事です。外構隈研吾、内装吉岡徳仁、hhstyle.comが入居、と業界的には「偉い」施設だったので、早速見てきましたが、正直ガッカリです。

いちいち指摘するのも無粋なのですが、まず、通り抜けの意味合いがさっぱりわかりません。にぎやかになったわけでなし、取り立てて美しいわけでもない、かといって落ち着いた佇まいというわけでもない。敢えて言えばランドアートっぽいのですが、だったらもっと凄みのある作品は山ほどあります。何とも半端な通り抜けでございます。何より不思議なのは、通り抜けと店舗を同時に造っておきながら、通り抜けから店舗がほとんど認識できないこと。hhstyle.comが入っていることが唯一の救いでした。

エスコルテ青山/2点

ココン烏丸/4点

2005年04月10日 | 建築
レンガのシンプルなファサードが印象的な築80年のオフィスビルのリニューアル。3階までを雲の紋様の入ったガラスカーテンウォールで囲んで、中にインテリア、雑貨店、レストランを集めています。オフィスビルのリニューアルでここまで大胆にミセを集めた例は珍しいですね。

普通は従業員さんのためにレストランやカフェを入れるか、純粋に繁華街立地の効率を生かしたファッションブティックだったりするのですが、ここは何故かアクタスを初めとしたインテリア雑貨関係ばかり。こういうお店の賃料って安くって、下手するとオフィス普通に貸してた方がマシなんですけど、うーん、何故?全体としてのお洒落感をテナント集めのネタにしているのでしょうか。とすると、こういうテナントに好感を持つ企業さんって、どうでしょう。こういう感じのオフィススペースを造りたがる企業さんかなあ。するってえと、デザイン系、IT系のベンチャーさんなのかなあ。。。ってテナントリストを見たら、金融関係とか、普通でした(笑)。

建築デザインとしては、どうでしょう。新しい低層部、ディテールは達者だと思うのですが、恐らく設計者が確信犯的にやっているであろう、上層階とのアンバランスさは、好悪評価分かれるのではないでしょうか。トウの立った貴婦人が流行りのフリルのスカート履いてるみたい。雲の模様は、ま、京都のタテモノを表す記号みたいなもんでしょうか。

でも、良く見ると、よく集めたよな、というテナントが多いのも事実。オーバカナル、唐長。。。ラーメンの天天有なんか、学生時代によく通った北白川の家族経営の店でっせ。担当者サンの努力には頭が下がります。

ココン烏丸/4点
京都市下京区烏丸通り四条下ル水銀屋町620番地/075-352-3800
http://www.coconkarasuma.com/