尊敬する野口悠紀夫先生がソニーの株価下落に関連して、こんなことを書かれてました。
アップルコンピュータも、iTunesで音楽を売って利益をあげているのではない。iTunesを活用するための新しいハードウエア(iPod)の販売によって利益をあげている。これは、新しい技術を利用した新しいビジネスモデルだ。
http://www.noguchi.co.jp/archive/diary/
そうなんですか?あの(現段階で)他を圧倒する音楽配信サービスは、それ自体で収益を上げられる商売ではなく、単にiPodを売るための販促手段だったのですか?うーん、不思議です。だって、携帯電話なんかだと、通話料で継続的に儲けるために、多くの利用者を取り込もうと、機材は出来るだけ安く売りますよね。つまり、機材が販促手段で、サービスが収益手段と言う関係です。ところが、アップルの音楽配信の場合は機材が収益手段で、サービスが販促手段、つまり全く逆の関係、ということになります。これって本当に有利なのですか?
確かに、現在の日本では、音楽配信サービスは、全ての機材購入者が享受するわけではありませんから、この戦略でも成功するかも知れません。けど、長期的に見れば、音楽はネットで購入するスタイルになるでしょう。となると、やはり音楽配信自体でちゃんと儲け、機材は販促的に安価で販売する、というモデルに遠からず移行すると思うのです。そうなると、現在のアップルのやり方は苦しい。携帯電話自体がipod並みの性能を持って無料で配布されたら、相当追い込まれると思うんです。アップルのビジネスモデルは、持て囃されるものではなく、偶々こうなっているだけ、なるべく早く、音楽配信自体で収益を生めるような仕組みを構築すべき、だと思います。
けど、そうなると、アップルの最大の敵は、日本ではツタヤさんだと思います。だって、1曲150円のitunesより圧倒的に安い1枚たったの350円くらいで、全国の駅前でCDを貸してくれるのですから。それをパソコンに入れてインポートしたら、1曲30円くらいですよ。これだけ安い価格で楽曲を享受できる先進国は他にないんじゃないでしょうか。あ、そうか。ヤバイ。遠からず米国がツタヤさんを攻撃してくる。酷い話だ。今のうちに、CDをレンタルしまくらねば。。。
ps
かくいうワタクシ、もちろんipodもツタヤさんもどちらもヘビーユーザーなんです。けど、この状態は多分遠くは続かない、のでしょう。