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ミズカタヒデヤの「外部脳」

Hideya Mizukata's "OUTBRAIN"

シャネル銀座/銀座/P.マリノ/3点

2005年03月18日 | 建築
1階~3階にシャネルのお店が入り、4階はイベントホール、更に10階にはA.デュカス氏の店「ベージュ東京」というのが入っているそうです。で、ご覧の通り、ほぼ黒一色のビル。光沢のあるガラスカーテンウォールが全面を覆ってます。シャネルの鞄のようなケバい感じが出ていて結構笑わせてくれます。中央通で、どのビルがシャネルでしょう?ってクイズを出したら誰でも当てられそうな。そこはそれ、設計者の狙い通りなのでしょうけど、商品としてのシャネルが好みではないので、このビルも好きではありません。すいませんが、ワタクシは却下です。。。

シャネル銀座/銀座/P.マリノ/3点

交詢ビル/銀座/6点

2005年03月17日 | 建築
日本最古の社交クラブだったビルのリニューアル。B1~2階までバーニーズ、上層階を名だたる飲食テナントが占めてます。アッパーグレードの統一感といい、不動産事業としての手堅さといい、格式の高い建物を活用したからこそ、の稀有なビルだと思います。

バーニーズって、百貨店とか気張っているけど、実際のところは、ま、大人向けのハイグレードセレクトショップですよね。けど、このグレードのオオバコ、しかも男性向け商品の充実したミセって、なかなかないので、重宝すると思います。インテリアも、元からの石灰色の石の内壁に、バーニーズのシンボルである深いこげ茶色の壁紙がピアノの如く噛み合って、とても上品。

レストランも新進気鋭の京都よねむらを持ってきといて、老舗の赤坂離宮を横に並べるという取り合わせの妙。ええもんだけを集めるリーシング、見習いたいものです。

交詢ビル/銀座/6点

ZOE銀座/銀座/三井不動産/清水建設/3点

2005年03月17日 | 建築
誰が考えたのか、誰が通したのか、この施設名。読めん!中身そっちのけで問題視したくなるけどそこはぐっとこらえて。1、2階にメゾネットのアパレルテナントを持ってきて、上層階は全てフロア使いの飲食。目的のないワタクシのようなウォッチャーにとって、外観を見るだけで終わってしまいそうな、寂しい施設です。ただ、この味も素っ気もないプランニングが、あの立地において、多分一番賃料効率が高く、リスクも少ないことは、想像に難くありません。ケンチクもどんなジャンルのミセにも合うように、何の変哲もないガラスカーテンウォールで、存在感を消したよう。さすがは三井不動産、堅いわー。ミセも堅い。レストランひらまつの新業態、マックスマーラの旗艦店、永谷園のビュッフェ。。。参った。

ZOE銀座/銀座/三井不動産/清水建設/3点

福崎空中広場/福崎/隈研吾/4点

2005年01月22日 | 建築
大きな倉庫と工場とマンションが雑然と並ぶ大阪の港の場末に、忽然と現れる黄色いビニルハウスです。いえ、用途は貸ホールだったり大学のサテライトだったりするれっきとした建物なのだけど、普通の建物が持つはずのボリューム、重さがほとんど感じられません。一目見て、ペラペラなんです。まず、柱とスラブが薄くて細い。かなり飛ばした鉄パイプの柱100mm、床は合わせ鉄板50mm程度。これほどの軽い構造はちょっと初めてみました。照明はほんの少しの間接モノだけ、空調はパイプがむき出し、雨仕舞は一切ない。2階建てなのに階段がない。2階に行くには外のスロープを通らなくてはならない。壁は乳白色の波型塩化ビニルと半透明の黄色いビニル暖簾だけ。もちろん有名な建築家先生の作品だから、細部の収まりやバランスはすごくちゃんとしている。ペラペラだけど、チープな印象はまったくない。実際、お金もかかっているでしょう。黄色いビニルの向こうにゆらめく港の景色は不思議に綺麗です。何にで使えそうな最低限の仕切りしかしない内部空間には、いろんな可能性を感じさせて、好感が持てます。

ただ、そもそも多目的ホールがこんな場末で良いのでしょうか。周辺との関係性を構築する意味を見出しがたいこの場所で、どうして半透過の交流スペースなのでしょうか。この場所ありきだとしたら、もっと別のデザインがあったのでは。外側は閉じて内側を半透過として交流を促すとか。軽さが、建物の役割にきちんと結びついていない。宝の持ち腐れ。それがこの建物の唯一最大の難点かと思います。

福崎空中広場/福崎/隈研吾/4点