「秋 餌貯蓄に ナキウサギ 忙しく」
俳句は難しい、松尾芭蕉の句にはこれは見事と思い、句づくりに挑戦する気になりますが、
この頃見る句の中には ただそのまま情景を言葉でつづった物も多い様に思えます。
次にあげる句はナキウサギを詠んだものですが、どう感じますか。ただ見たままを言葉にした感じがするのです。
「 ナキウサギ葉っぱ咥えて冬支度 今本衣女 (滝川) 」
この句は 2010.12.12日の 道新の日曜文芸 より転載させていただいた俳句です。
この句は 選者佐藤宜子選の一句。
チ、チと声がして 見ると貯食のため葉っぱを咥えひたすら冬支度。
人の気配もかまわず日中の作業を続けている大雪山のナキウサギが見えるようだ。
と評しています。まさにナキウサギを見たままの情景そのままです。
富士フォトギャラリーのナキウサギ写真展ではナキウサギのそのままが寫されていました。
餌を蓄えるナキウサギの動きをとらえています。特に秋はナキウサギの季節です。
写真の中に花をラッパの様に口に咥えた写真は可愛げです。咥えているのはイワブクロ、チングルマなど 高山植物です。ナキウサギは口にあふれるほど草(餌)を加えてカメラに納まっています。
冬支度の季節が一番のシャッターチャンスです。
雪が降れば岩場に潜り冬を越すのです。そうなればナキウサギ撮影のカメラ仲間もそれぞれの地で来年を待ちます。
ナキウサギは冬眠しません。