「生命力旺盛なオオイタドリ」
オオイタドリは、道内各地に生えている植物です。道路ぶちやら河川じきに至るまで住まいを広げています。
昭和52年、有珠山の大噴火で周りのすべての木々や野草が火山灰に覆われて、復帰しないのではないかとさえ言われました。有珠山の噴火は山を草木の無い無毛の地とし、周りを大きく変化させてしまいました。
噴火は長く続き登山が禁止となり、山の様子は遠まきに観察されていました。
噴火が納まりかけていた春にテレビ局が入り、山の様子を報道したのを見ましたが、そこにイタドリの芽がはえだして居たのです。
テレビ局の人も驚いたでしょうが、視聴者も驚いたのです。
イタドリは酸性土壌に強いと言われてますが、イタドリの強さにまったくの驚きでした。
高地研(北海道高等学校地理教育研究会)の大会の折、研究の為という事でようやく許可が得て、市民がまだ入れない年に有珠山噴火の様子を視察しました。
木は噴火の為焼かれ山は火山灰ですっぽり覆われています。雨の濁流で裸の山は大きなわれ目をいくつもつくっていました。当時の高地研の会長は先輩の正津富男先生で、
虻田高校の校長に転勤されていたのでこの有珠山登山が実現されたのです。
当時はフイルム写真で撮っていましたので、写真はたくさんあるのですが、しまい過ぎて見つかりません。
イタドリ芽は赤ピンク色で美しく、成長した時の姿からは想像は出来ません。
オオイタドリは、漢字にすると大痛取と書くのですが、打ち身の時、葉をもんで張り付けると「痛み取り」になるからと言われています。
★室蘭市で故「掛川源一郎」氏の有珠山噴火の写真展が今行われています。広漠たる火山灰地にイタドリやフキノトウの芽生えた写真も展示されています。有珠山自然復帰への足掛かりをみることが出来ます。