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ただの日記

歴史の大家を気取る半藤の「罪」 (後)

2025年05月28日 | 心の持ち様
【半藤の読みが正しいとすれば安倍の一言半句で北も米国も踊ったことになる。だとしたら安倍も大したものだ。】 

 前半の最後。
 「成程こういう捉え方もあり、か」、と噴き出した後に、新聞等にあるしかつめらしい文章や、評論家の言とかいうやつが相当に眉唾ものらしいことをぼんやりと思いました。
 いつも「あんな失礼なことを言った」から交渉がぶち壊しになった、「こんな失言をした」から辞職すべき、説明が理解できないから「疑惑はさらに深まった」みたいなことばかり書きたて、火のないところに煙を立てる。そのくせ自分に返って来たことには「自分の言ったことじゃないから責任は取れない」、と。


 (転載 続き)
 半藤は文藝春秋に入って松本清張の資料集めやときにはゴーストライターも務めた。勉強家で渉猟した資料はまさに汗牛充棟だろう。でも気に食わないものは見ないふりをする癖があるやに見える。
 例えば『マッカーサーと日本占領』ではひたすらあの米国人を褒め称える。
 「マッカーサーは米兵に日本人から食糧を調達(略奪)するな」と言った。たったそれだけで「過去の征服軍に例がない」と感涙の賛辞を贈る。

 お言葉だけど日本軍は略奪どころか強姦も何もしなかった。「朝日版支那事変画報」には農家で買った鶏を首に掛ける日本兵」の写真がある。対して米兵は占領下で強姦も強盗も勝手し放題だった。
 マッカーサーは着任するなり「戦犯39人を吊るせ」と言った。
 リンカーンはスー族を殲滅した後、白人に逆らった酋長38人を同時絞首刑にした。数字にはそういうあからさまな人種偏見がある。そういう史実には一切目をつぶってマッカーサーは正義と寛容の人と褒めそやす。
 「悪いのは日本人」に徹する半藤はだから一切、不都合を書かない。

 この朝日での語りも同じだ。半藤は「勇ましい安倍」を見て「昭和史にも似たようなことがあった」と続ける。「日中戦争が始まった後、ドイツが和平工作に入った」いわゆるトラウトマン工作に日本は応じなかったことを非難する。
 軍を進め南京を落として近衛首相は「蒋介石を相手にせず」と勇ましく言い放った。それで「蒋介石を怒らせ、戦争は泥沼化した」「勇ましい言葉で台無しにした」という風にもっていく。
 一見まともそうだが、「日中戦争が始まった」という言い方はヘンだろう。
 戦争は桜の開花とはわけが違う。誰かが仕掛けるから始まるのだ。

 あのときはドイツが蔣の軍に武器と訓練を施し、米ソも空軍作りを支援して支那と日本を戦わせた。背景には「黄色い日本と支那が手を携えたら白人支配が危なくなる」(ムッソリーニ)という危惧があった。
 日本に負けたドイツの根深い嫉妬もある、アジアに出遅れた米国の思惑もある。何より仕掛けに回ったドイツが蒋介石軍の負けを見て和平工作を持ち出すことをヘンと思わないのか。

 それをすべて無視して「近衛の傲慢な一言がいけなかった」にしてしまう。都合の悪いことは一切書かない朝日新聞と全く同じだ。
 半藤さんちの月刊「文藝春秋」が全然、売れなくなったのも分かる気がする。

 (2017年11月30日号)


  新潮文庫 
  「 変見自在 習近平は日本語で脅す」
        高山正之著 より 
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