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D cafe

待っている 時間もすてき
手の中に ひらくものが あると思えば
              (中島未月)

散るぞ哀しき

2008-04-07 23:48:07 | 日常
昨日は墓地に行ってきました。墓石に銘を入れてもらったのが完成したので、母と妹夫婦とでそれを見に行ったのです。私と違い晴れ男だった父のおかげで、天気予報を裏切っての快晴。気持ちの良いドライブになりました。墓地は以前住んでいた土地で両親が購入したものなので、今の家からだと車で30分くらいかかります。今までは誰も入っていないお墓を訪ねて草ひきなどしていましたが、ついに来週ここに父のお骨が納められるのかと思うと何とも言えない気分になりました。墓地は高台にあり、素晴らしい眺めです。綺麗に仕上がったお墓をしみじみ眺め墓石屋さんに感謝した後、近くの農業大学校へ寄り道をしました。ここは隠れた桜の名所で、去年も父を連れて桜を見に行ったのです。外出が億劫で渋る父をなんとかなだめて連れ出した母は「これが多分最期のお花見と思うから」と私たちにそっと耳打ちしました。見事な満開の桜の下で、父はただ黙ってベンチに腰を降ろし、いずこともなく遠いところを眺めていました。
「あれは去年のいつだったかなぁ?」と私と母が言うと、「私も気になって手帳を見てみたの。4月1日だった」と妹。そうか、去年の4月1日はまだここで桜を見ていたのねお父さん。
4月1日と言えばレスリーさんの命日です。期せずして重なりました。

花冷え

2008-04-04 01:12:32 | 日常
いっそ冬の方がマシ、と思うほど毎日寒いです。3月頭頃からずっと何がなんだかわからない忙しさに振り回されていたら、さすがに疲れがたまり、ついに風邪っぴき。声が出なくなってしまいました。ひーひーと呼吸音だけなので皆労わってくれて申し訳ないくらいです。こうなる前の方が体調はきつかったのですが...
街のあちこちに新入社員が溢れていて、毎年この頃は花見だったなと、若い頃を思い出しました。ほとんど参加しませんでしたが。生来の宴会嫌いに花冷えが加わって、私は花見を楽しいと思ったことがないのです。桜は、満開の下を、明るい内に一人で歩くのがいいですね。出来ればぽかぽかした日に。昔、同僚によく誘われました。昼休みに近くの公園でお弁当を食べるのです。昼休みはひたすらぼーっとしたかった私は全然乗り気ではなかったのですが、渋々ついていっていました。一応つきあいというものがありますから。嫌な理由はもう一つありました。一緒にお弁当を食べるメンバーが誰彼無しに人の弁当のおかずをお箸でつまみにくるのです。もちろん全然悪気など無く。「あ、○さんの卵焼きおいしそう...」と。私はそれがとても苦手でした。「私のも取っていいよ」と言ってくれるのですがそんな問題ではなく、自分の食器に他人の箸が入ってくるという行為がもうダメだったのです(おかしな話ですが、同じ鍋を一緒につつくのは大丈夫です)。しかし、ある時から、花見をする時は事前に弁当をまとめて調達するようになりました。それもいつの間にか消滅してホッとしたのは確かです。私はこういう、つきあいの悪い人間なのです。
今日、テレビの夜桜中継を見ていた母が「桜を見に行きたいという気持ちはもう無いわ。寒いし、足も痛いし」と言いました。「もともとあまり興味がなかったんじゃない?」と私が言うと「もう何を見ても感動するということがなくなった」と。「お母さん、それはいけない。それこそが歳をとるということよ」と言うと「そうかもねぇ」と寂しい答えが返って来ましたが、特に元気がないわけではありません。最近すごい勢いで増えてきたクイズ番組に元気百倍で、毎日クイズ番組ばかりを追いかけ「段々答えられる問題が増えて来た」と喜んでいるくらいですから。
こりゃ、いくら韓流ドラマを勧めても無理だな(笑)

今日は、仕事を早く切り上げてDデパートで開催中の「英国ドールハウス展」に行ってきました。一生かけて作るような大作ばかりで驚きました。「設計事務所」と題された作品が一番毛色が変わっていて面白かったです。老後はドールハウス作りをじっくり習いたいと思っていましたが、今日本格的なものを見て、私が作りたいのは、この「家」ではなく、中にいる人形の方だと確認しました。もっと大きな人形を一から作ってみたい。器用ではないけれど、根気だけはあるので。誰か教えてくれないかなぁ?


あげるのももらうのも好き^^

2008-03-02 02:04:37 | 日常
私は演劇が好きです。以前は東京までも足を延ばしていましたが、最近はさすがに交通費が痛くなってきて、関西に来るものは東京まで見に行かなくなりました。演劇やコンサートでやっかいなのは、有名な公演ほど何ヶ月も前に売り出されるので、予定の見当がつかないということです。考えても仕方ないので、適当に無難そうな休日を選んで申し込みますが、たいていそういう日に限って、後日何かの行事と見事に重なったりします。今回、某芝居のチケットをある方にお譲りしました。一度見た公演ですが、出演者の男優さんが公演中にお誕生日を迎えられるので、欲張ってもう1回見る計画を立てていたのです。ところが、日が近づいて来るに連れて、日程的ににっちもさっちも行かなくなって来ました。オークションで売り出しても、いい席以外は買い手がつかず、いっそどなたかにあげようと思って心当たりのある方を誘ってみたら、快諾してくださいました。同じ差し上げるなら、多少はお芝居なり役者さんなりに興味のある方がいいですから、その方が引き取って下さって本当に良かった。いわば余ったチケットを押し付けた格好だったのですが、昨日その方からお礼が届きました。缶入りおでんです^^初めてなんですよ、缶入りおでん。母も興味津々です。Kさん、ありがとうございました。

さて、今日はこのブログにリンクした1クリック募金のおしらせをします。右側の下の方にブックマークというコーナーがあり、そこに書かれたカカクコムという部分をクリックして頂くと、1回につき1円が寄付されます。「価格.com」では盲導犬協会の支援に回してくれますので、ぜひみなさんこちらをお訪ねになった際は1クリックお願いします。

猫の仕業?

2008-02-29 02:15:30 | 日常
その昔(私の場合は昔が多い)親友と二人でコピーライター講座に通っていた頃がありました。その講座は某大手新聞社が主催しているもので、月謝が良心的な割に講師が充実していて人気がありました。コピーの講座は毎週講師が違いましたが、全体を統括していたのが某大学の教授で、この先生がある意味一番厳しかったです。先生がいつも我々に求めたのは「斬新な発想」でした。「そんなコピー全然新しくない」「どこかで聞いたことあるなぁ」と、その繰り返し。「おっ」と関心を抱いてくれるのはごくまれでした。今、連日テレビに登場している"お父さんの犬"を見るたびに、ああ斬新な発想ってこういうのだったのねーとおかしくなります。最初ははぁっ??と思いましたが、すっかり慣れました。最新作の海辺でたそがれているお父さんは大好きです。クリスマスの『聖しこの夜』バージョンも良かったなぁ。このCMは犬の風貌(日本犬)と声の魅力がすごく大きい。北大路さん、よく引き受けてくださった。

で、犬が話すということで思い出した話を一つ。ある人に聞いた話なのですが、彼女の勤め先で本当にあったお話です。その会社はお花や苗や種を扱っています。通販も盛んですが、ある日お客様から「注文した種が届かない」とクレームが来たそうです。伝票上は確かに発送は済んでいます。種などは小さいのですべてビニール袋に入れ、その袋をいくつも集めて最終的には箱か袋になるそうですが、上司から届いていないと聞かされた現場の担当者たち。箱担当も袋担当も皆自分ではないかと不安になり、伝票を繰り、調べまくったそうです。二日後心配になった一人が上司に「この間の種、あれからどうなりました?」と尋ねたところ「ああ、あれね。お客さんから連絡あって、猫が食べたそうや」「ええーっ、猫が食べたぁ?!」と皆脱力。するとある男性職員、「へぇえ、猫がガムテープはがしてダンボール箱開けて種を食べましたか」ちゃんちゃん。
きっとそこんちの猫ちゃんは、言いたいことがいっぱいあるでしょう。

そこの奥さんも、政治家も、すぐバレるような嘘はやめましょうね。(バレない嘘ならいいというわけでは決してないけれど)

年を取るということ

2008-01-04 02:31:15 | 日常
あけましておめでとうございます。
年末からなんとなくバタバタし、やっと今日落ち着きました。毎年妹の家族が正月を迎えに我家にやってくるのですが、若者二人を含む四人家族のパワーはさすがで、母と二人きりの日常とは全く違うエネルギーが我家に充満します。さんざん盛り上がった末に皆が帰った翌日、母と徹底的に後片付けや掃除をして、やっと正月が来たなという気持ちになります。今年はそこに、ある物が加わりました。それは巷で大人気の某ゲームです。私は本来ゲームというものをしません。反射神経が鈍っていてお話にならないということもありますが、そもそも時間がもったいないと思っているからです。しかし、このソフトだけは特別で、出たとたん、欲しい!と思いました。圧倒的運動不足の自分には最適だと思ったのです。実はボードさえ買えば良いと勘違いしていたのですが、すべてをそろえると軽く3万円を超えると姪が教えてくれた時は多少ひるみました。でも、皆が「うわぁー買うの!」とものすごく喜んだので引っ込みがつかなくなり、結局私が出資することに(笑)。設定は若い二人に任せ、30日の夜にいざ開始。まず我家と妹の家族の全員の似顔絵作りで異様に盛り上がり(あまりの似方に大爆笑)、次にゲームを立ち上げると、先ほど作った家族のキャラクターがさっそくその映像の中に現れたのには感心しました。亡き父の似顔絵も作ってあったので、サッカーのPKゲームをやる時には、ちゃんとその中にユニフォームを着た父が参加しているのです。「あ、おじいちゃんもいる!」という姪と甥の言葉に、全員不思議な感動を覚えました。ゲームでこんな感動を味わうなんて予想外のことでした。
フィットネス用のソフトなので、バランスゲームから有酸素運動、ヨガと、体を鍛えるメニューがぎっしり入っています。全員で次々チャレンジしていきましたが、恐ろしいほど反射神経の鈍い自分にがっくり。PKもスキーの回転もミスの連続。特に激しいわけでもない単純なゲームなのに反応が遅く、地を這うような点数。比べて、小憎らしいくらいスイスイと鮮やかにクリアしていく20歳の姪。しかし、若い二人に負けているうちはまだ良かったのです。二歳違いの妹にも軽く差をつけられ、若者並にクリアしていく妹の旦那様には驚きの連続。見かねた甥が私にアドバイスをくれる始末。あぁ、自分ではいくら若いと思っていても、こうやってどんどん衰えていくんだなぁと、軽くショックを受けました。そんなわけで、彼らが帰った後は、一人毎日特訓です。まずは毎日続けて、自分の記録を更新していくことが課題です。

喪中なので初詣はそっと神社の裏口から(鳥居をくぐってはいけないそうです)入場。おみくじは大吉でした。怖くなるほどいいことばかり書かれてあったので、逆に身が引き締まりました。今年はどんな年になるでしょうか?どうか、世界中が穏やかで誠実な空気に包まれますように。

師走雑感 (4) ―今年の一文字「偽」―

2007-12-21 14:12:26 | 日常
今日の昼休みで一連の歯の治療はひとまず終了。年内で済んで良かった。しかーし、最後の治療費は8120円!!。ブリッジをかけたから仕方がないんだけれど、これで保険がなかったら、いったいいくらになったのかしら?怖い怖い。

今日、臨席の同僚は午後から早退しました。なんでも、今日が旦那様の誕生日で、このところ猛烈な仕事ぶりだった彼女は何も用意が出来ておらず、さすがにまずかろう...ってわけで、いそいそとご帰宅。ここのご夫婦、お互いが歳食ってから結婚されたので、すごーくまったりとしてラブラブ。こういうのもいいですねぇ。大人な分人間出来てて。って、歳だけ食って人間が出来ていない御仁は山ほどいるけど。自分も含めて(爆)。

我が家の親類には農業を営んでいる人もたくさんいます。果物を数個ずつ袋に入れ、道端の無人ショップに置く、というのは田舎ならどこでも見かける風景ですが、袋の数に見合った代金が箱に入っていたためしがないと聞きました。先日も従姉妹が、丸々と大きな柿5個入りを20袋置いて、後で見に行くと、ちゃんと箱に収められていたお金は11袋分だったそうです。「まぁ、こんなものかなぁ」って。諦めてしまっているのが哀しいです。1袋たった200円ですよ。誰もいないのをいいことに、代金箱には時々石ころやビンの蓋も混じっているそうです。うーむ。嘆かわしいですね。
「偽」で終わった一年の日本人はこんなものなのか?

師走雑感 (3) ―葉牡丹と槿―

2007-12-04 00:41:46 | 日常
物価がどんどん上がっていくので、少しずつ我家の経済引き締めを考え、預けっ放しになっていた本やビデオを見直すことにしました。取り寄せて開けてみると、お金をかけて置いておくほどでもないなぁと思うものもあって、思い切って処分することに決めました。もちろん半分くらいは残しますが、家の物置が空いたのでそこに収納することにしたのです。これも整理のたまものです。残しておこうと思ったビデオテープはもっとたくさんあったのですが、何本かをプレイヤーで再生してみると劣化がひどく、もう二度と見ることはないなと、案外簡単に踏ん切りがつきました。書棚がいっぱいになってきたので、この際捨てられない韓流雑誌類は空いた箱につめて物置へ直行です。本棚に雑誌を並べると高さばかりとるし、しゃんと立たない。背幅のないものはまことに景観がよろしくない。雑誌を買う時はよほど考えてからにしようと改めて思いました。そんな整理の最中、妹の家族が遊びに来たので車に積んでもらって古本を売りに行きました。10巻揃ったコミックスや(買って後悔し、読んでいない)小説・ビデオなど、大きな紙袋3つにもなる重い代物が、なんと311円。ま、処分をお願いしたと思えば....しかし、店頭で売っていた古本は結構いいお値段...(小声)
その後は皆で園芸ショップに。母への一足早いクリスマスプレゼントにと、妹と私で寄せ植え用の小さな苗をたくさん買いました。母がとても喜んでくれて、いい親孝行になりました。母や妹はかなりマイナーな外国の花まで知っていますが私は全くダメです。葉牡丹がこんなに綺麗だとは知りませんでした。あまりに素敵な色合いだったので携帯でパチリ。携帯にカメラがついているなんて...とは全く思わなくなりました(笑)。

今、姪がすすめてくれた小説を読んでいます。伊坂幸太郎さんの「グラスホッパー」。さすがに面白いです。本のことは後日また改めて書きますが、ここに槿という名の男性が登場します。一般的には「むくげ」と読むのですが、作中では「あさがお」と呼ばれています。彼がめちゃくちゃ素敵です。

槿が微笑む。風が吹き抜けて森の葉を揺らすような、色気がふわっと飛んだ。

この一節を読んだだけで、もう舞い上がりました。久し振りに会った姪に「槿さんて素敵ねぇ」と話すと、「いいでしょう。最後はもっといいから」と。彼女とこうやって本の話をする日が来たことが、私はものすごく嬉しいです。

師走雑感 (1) ―懐かしい人の訃報―

2007-12-02 01:31:17 | 日常
最近、人並みに深夜1時を過ぎると睡魔が襲ってくる体になって来ました(笑)。今日こそ日記を書くぞと思いながら気が付くとパソコンの前で船を漕いでいたりするのです。ネタはたくさんあるのに...。今夜はSPを見ていたので遅くなりましたが、まとめてアップしようと思います。さて、出来るか?

今朝、朝刊を見て驚きました。何気なく目に入った片隅の記事。それは芸能プロダクションの社長の訃報でした。小口健二さん。忘れようとして忘れられない思い出の方です。その昔小口さんが郷ひろみさんのマネージャーだった頃、私と友人は郷さんを応援する私設ファンクラブのようなものを作っていました。今のようにパソコンもブログも無い時代、電話や手紙だけで繋がっていた仲間たち。30歳そこそこだったでしょうか?ある時、友人が何を思ったか郷さんの事務所に直接電話をしたことがありました。彼の仕事のすすめ方でファンとして腑に落ちないと思っていることを、一生懸命訴えたそうです。すると話の途中で電話の相手が変わりました。なんとチーフマネージャーであった小口さんが電話に出て来られ、皆さんのお話を聞きたいから会いましょうとおっしゃったのです。場所は東京と大阪の中をとって名古屋に決まりました。予想外の展開にすっかり驚いた友人は、慌てふためいて中心人物数名に電話をかけて来ました。「明日、名古屋にみんなで行く!」ええーっと驚きながらも、こんなチャンスはめったにないとみんな浮き足立ちました。ところが何ということか、翌日新幹線は事故で遅れに遅れ、私たちは約束のホテルに2時間遅れで到着したのです。携帯も何もない時代。さすがにもう待っていないとうなだれながらロビーに入って行く私たちを待っていたのはにこやかな小口さんでした。彼は新幹線が遅れていることを知って、多忙な身であるにも関わらず、ずっと待ってくれていたのです。嬉しさのあまり我々は数人が同時に「事故で新幹線が遅れて...」とか「すみません」とか口走っていました。小口さんはやんわりとそれを制し、「わかりました、わかりました。さぁ、肝心の話をしましょう」といきなり本題に入りました。私たちは(芸能人のファンになった人なら誰でも経験があると思いますが)もうちょっとこうしたらもっと人気が出るのにとか、こういう番組や雑誌に出てほしいとか、かなり建設的な意見を次々とまくしたてました。彼はすべてに耳を傾け、出来ることと出来ないことを丁寧に解説していってくれました。「いつからファンなのか、どれだけ古いかというのはさほど重要ではないのです。これからもファンでいてくれるか、新しいファンをどうやって開拓していくかの方が大切だ。ローリングストーンズがいつまでも王者であるのは、常に新しいファンを生み出していってるからです」とおっしゃったのが印象的でした。帰りはどっと疲れて皆無口でしたが、この人がいてくれるなら間違いはない、と私たちはすっかり安心して帰路につきました。
大阪のあるラジオ番組で郷さんを食わず嫌いなパーソナリティがいること、それがとても残念だから、ラジオかと言わず是非出演して真の彼の姿をそのパーソナリティにわかってもらいたい、と私たちが話したことは次の週にかなえられました。郷さんが初めてその番組にゲストで出たのです。案の定、パーソナリティは彼をすっかり気に入りました。
ずいぶん昔の話です。郷さん自身が50代になりました。小口さんは59歳だったそうです。早すぎました。合掌。

一夜限りの...

2007-09-25 01:29:35 | 日常
先日、我家の月下美人が咲きました。今年従姉妹にもらったのですが、なんとも異様な蕾に、花好きの母は興味津々。葉っぱの繋ぎ目(?)の不思議な部分から茎が垂れ下がって、そこに重いような大きな蕾が...
どんどん膨れ上がったある夜、鉢植えをキッチンのテーブルに置いて、じっとり眺める怪しい母娘(笑)。9時頃からむくむくと開き始め、ついには全開。うわぁと声が出そうなほど見事な大輪の白。母は従姉妹に電話して「咲いた、咲いたよ」と、めちゃくちゃ嬉しそう。

そして、翌朝...まるでうなだれるように、すっかりしぼんだ月下美人が、だらりーんと垂れ下がっておりました。ほんに全く一夜限り。

代わりはいないよ

2007-08-23 02:16:18 | 日常
先週旅行に行った時、行きの電車で小学生の集団と一緒になりました。私と母はロマンス席に座っていたのですが、二駅ほど後の駅で、小学生7~8人と引率の先生が1人、どかどかと乗り込んできました。学校なのか塾なのか、その辺はわかりませんでした。先生は40歳より少し若いくらいの男性で、ぽっちゃりした人の良さそうな方でした。子供たちはご多聞に漏れずピーチクパーチクとうるさいうるさい。乗るなり床に座り込む子がいて、「おいおい、もう疲れたのか?」と先生は呆れ顔でしたが、「静かにしなさい」と全く注意しないのは不思議でした。
以前地下鉄で出会った年配の婦人のことを思い出しました。その時は学校の遠足か何かで、半端じゃないほどうるさかったのですが、「静かにしなさい!」とそのご婦人が一喝して、やっと静かになったのです。その方は子供たちに「ここはお家じゃないのよ、公共の乗り物なの」と当たり前のことを言って諭しましたが、本来ならそれは引率の先生が言うことです。叱られた子供たちは「うるさいな、このおばさん」という程度の反応で、ぶすっとしていました。先生も黙っていました。しかし周囲の乗客は皆その方に喝采を送っていたと思います。

さて、件の少年少女たち、小学校3年生くらいの集団でしたが、その中のちょっとおませな感じの女の子に、先生が「○○ちゃん、もし友達が死んだらどうする?」と訪ねました。前後の話を聞いていなかったので唐突な感じがして、ふと私は耳を傾けました。「うんとね、他にも友達がいるから別にいい」と女の子は答えました。「○○ちゃん、それはひどいな~」と先生は思わず言いましたが、その後これといった話はしていませんでした。その時周囲の大人たちは何人も顔を見合わせました。「うーん、それは違うよ○○ちゃん、友達の代わりはいないんだよ。もしお母さんがいなくなったら、お父さんがいるからいいやって思うかい?思わないでしょ?友達もいっしょだよ」と喉まで出かけましたが、やめました。この子はまだ小さくて、友達というものがどういうものなのかよくわかっていないからそう答えたのだ、と無理に自分を納得させましたが、違うよなぁ...
そんなことを考えていたおかげでしょっぱなからしっかり電車内に忘れ物をしてしまい、母と妹にすっかり呆れられてしまいました。

※追記(8/23)
今朝、通勤途中にふと思ったのですが、この少女は「友達」云々の前に「死」というものがわかっていないんでしょうね。これからの人生で、いやでも身近な人や動物の死に遭遇してその痛みを知っていく...それを考えると少し切なくなりました。