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D cafe

待っている 時間もすてき
手の中に ひらくものが あると思えば
              (中島未月)

遅い店

2012-06-21 18:09:10 | こだわり
大阪の人は待たされるのがとても嫌いです。歩くのは世界一速いと言われるし、信号機にはあと何秒で青に変わるという表示が出ます。
ですから、どんなに美味しいお店でも、必要以上に待たされたら二流と呼びます。この「待ち時間」というのは店の外に並ぶ時間ではなく、注文を告げてから料理が出て来るまでの時間です。特にランチ時に待たされたら、もう次はありません。大阪人の特徴を捉えた有名な映像があるのですが、入り口で客がお店の人に「うどん定食」というふうにメニューを告げて、席に着くともう料理が出て来てテーブルに並ぶという(笑)。大阪のビジネス街でご飯屋さんをやろうと思えば、それくらいの心意気がないとだめです。
以前なんばパークスで、開店したばかりの東京の有名な洋食屋さんに行ったことがありました。店の表には芸能人からのお花が所狭しと並べられ、かなり華やかな雰囲気でした。そこで私たちは1時間近く待たされました。関西弁でいうとところの「ありえへん世界!」開店したばかりだからなどという理由はプロとして通用しません。三人とも頭にきて、お店の感想を書く紙に(確かそういうものがあったと思う)「大阪では品物が出てくるのが遅い店は致命的です」と書いた記憶があります。その店はそれからしばらくして閉店しました。多分関西の風土に合わなかったのでしょう。

先日台風で会社が午後からお休みになりました。警報が出ているからすみやかに退社するようにというお達しが出たのです。私は整形外科だけは行って、さっさと帰るつもりでしたが、ふと、いつも行列で入れないカフェレストランのことを思い出し、そこに行ってみることにしました。お昼を過ぎていたし台風が接近していたので、珍しく空いていました。私は思い切って一番高いDランチ(かんぱちのロースト)を奮発してみました。高いと言っても1500円ですが。Dランチを、と行った時お店の人がはっ?という顔をしたのが気になりました。おそらく一番お手軽なAランチを頼む人が多いのでしょう。しかし、お店の中には私を含めて10人もいなかったのです。それなのに、私はきっちり45分待たされました。オープンキッチンになっているので厨房は丸見えで、料理人らしき青年がいかにものポーズで野菜を焼いたりしていましたが、魚を焼くのにどんだけぇ~というほど時間がかかっていました。元々パンのお店なので、パンと添えられた野菜はおいしかったけれど、肝心のお魚は不思議なことに生焼けでした。全く美味しくなかったのです。いったいどんな焼き方をしたのかと思いました。いつも混んで行列になっているのは、この段取りの悪さも原因だったのだとよくわかりました。期待していただけにがっかりでした。絶対に二度目はありません。

夜明けのスキャット♪

2011-12-16 11:49:04 | こだわり
由紀さおりさんの再ブレイクのおかげで、懐かしいあの名曲に触れる機会が増え、忘れていた思い出がたくさん蘇ってくる日々である。

「夜明けのスキャット」は、「夜のバラード」という深夜ラジオのテーマソングだった。その番組はリスナーの投稿した詩を俳優さんが朗読してくれるもので、私がもっぱら聞いていた頃は寺尾聡さんだったので、私はずっと彼の番組だと思っていた。今回ついでに調べてみたら他にも何人かいらっしゃったようで、そういえば吉田日出子さんの時もあったことを思いだした。
試験勉強と称して、インスタントラーメンやお菓子を用意し、それなりに参考書を広げつつも勉強は一向に進まず、もやもやとラジオを聴いていることが多かった高校時代。体験談などをべちゃくちゃしゃべるうるさい番組が苦手で、この「夜のバラード」とFMの「ジェットストリーム」と、森繁さんの朗読と、上方古典落語がお気に入りだった。特に夜のバラードは採用される作品が素敵なものばかりで、番組が発行していた作品集も欠かさず購入していた。自分も採用されたい、こんな田舎から出たい、泥臭いのは嫌いだ、文章で食べて行きたいが出来るわけがない…、そんな思春期特有の閉塞感に満ちた私の心を、一時でも解放してくれたのが由紀さんの「夜明けのスキャット」だったのだ。美しい声で歌われるメロディが、先に向かってふわぁ~っと広がっていくことが魅力で、後に発表された小椋佳さんの「さらば青春」と共に、二つの曲はまぎれもなく私の心の曲であった。

それから何年か経ち、今の会社に就職して知り合った同期の同僚が、相変わらずせっせと詩を書いている私に一つのチャンスをくれた。彼女の知り合いが出演している早朝のラジオ番組で詩の朗読をするコーナーがあり、そこで読んでもらえるよう頼んでみると言ってくれたのだ。私は舞い上がり、何点か作品を渡した。意外にも即採用になり、何日か後の番組で紹介された。自分の作品が新しい旅に出たことを夢見心地で聞いていた私は、しかし直後に大きく驚かされた。「作者は○○女子大学の○○さんです」と、名前だけは私の名前で、会社員ではなく関西では有名な女子大の学生として紹介されたのだ。私は一瞬で奈落の底に落ちたような気分になった。どうして会社員ではいけなかったのだろう?朝のおしゃれな番組には女子大生の方が良かったのだろうか?とあれこれ詮索したりした。嬉しさはもう全く残っていなかった。出勤して「良かったね」と言ってくれた同僚に、申し訳なかったが、なぜプロフィールが変えられたのかと私は尋ねた。彼女は、何かの手違いかもしれないから一度尋ねてみると言ってくれた。そして、返ってきた答えは、「その方が番組に合っている」というものだった。なぜそんなことにこだわるの?と言いたげなニュアンスが感じられた。私は関係者のデリカシーを疑った。遠い遠い昔の話である。

そんな古くてほろ苦い出来事を鮮やかに思い出させてくれた「夜明けのスキャット」。由紀さんの昔と変わらない伸びやかな声は、今も私を遠い世界に連れて行ってくれる。

シンプルライフ

2010-12-19 01:20:53 | こだわり
以前テレビの視聴習慣をいくつか書いた時、書き残した部門があるのですが、それについてはまた改めて書くとして、とりあえず私が十年以上ほぼ欠かさず見ている番組に「開運!なんでも鑑定団」という番組があります。特に骨董収集の趣味があるわけではないのですが、そこに現れる「物」を巡る家族の歴史とか、作品そのものの時代背景、作者の生き方など、毎週見ていて飽きません。一口にコレクターと言っても、真贋を問われる骨董収集から、スポーツやアニメに関する秘蔵の品々まで様々ですが、コレクションには大きな問題が二つあります。一つは、嵌れば嵌るほどかなりの金額を費やすこと。子供の学資まで使い込んでは奥さんに叱られるのも当たり前です。もう一つは置き場所の問題。そのコレクションがかなり場所を取る場合、家族からブーイングが絶えないお宅もあるのです。確かに、本物か偽物かわからない骨董や、かさばる紙物はその収集に興味のない人間からすれば只のゴミに過ぎません。嬉々として集めている本人を尻目に、本気で頭を抱えているご家族の姿を見て、自分なりに決めたことがありました。コレクションをする人は自分の死後それをどう処分するか、その段取りを最初に決めておく責任があると私は思うのです。例えば、このようなお宝ではなくて、雑誌やレコードお人形の類、これらを大量に残された家族は非常に困るでしょう。その人を愛しているから簡単に処分することもためらわれ、かと言ってどうしようもない品々。最近テレビなどでよく見かける遺品整理のプロの方。ああいう方に入ってもらってお金を払って始末をしなければならなくなることも予想できます。
私はかつて好きな俳優さんが出来るたびに雑誌を買い漁り、表紙がその人の場合は雑誌ごと残し、中の記事だけの場合はカットしてファイリングしていました。しかし増えたそれらが書棚を占拠するのが嫌で、ある時まとめて貴重な雑誌や写真集など、レンタル倉庫に預けることにしました。十年近く(いや、もっと?)それらは少しずつ増えていっていましたが、昨年から今年にかけて思いきってすべて処分しました。そして、本当に残したい僅かのものだけ自宅の物置に収納し、これ以上増やさないようにしようと誓いました。本は別です。本はもらってくれる人がいるので増えても大丈夫^^。雑誌は、立ち読みしながら「本当に繰り返して読むか?」と自分に問うことで案外簡単に手が出なくなりました。今は「ノルウェイの森」の関係で松山さんに関する雑誌がわんさか出ていますが、吟味を重ね、本当に好きな写真が掲載された1冊だけ購入しました。帰りの電車の中で他のページを読んでいると、料理研究家の大原照子さんという方のインタビューがとても面白くて、実に納得。40歳を過ぎてからイギリスに留学し、若者たちと一緒に倹約生活を経験した大原さんの出した結論は「物を持たない」。帰国後まずやったことが、過去の自分の仕事の整理。著書やレシピ等すべて処分したそうです。かつては食器部屋や道具部屋を持ち、フライパンだけで80枚も持っていた人が、今はフライパンは1枚しか持っていない。そうやって道具や調味料を減らすことで、作る料理も自然とシンプルでヘルシーで美味しいものに変わっていったそうです。
私はためらわずに捨てられる人間ですが、それでも油断すれば増えていく物たち。だからこそ、私は知恵を絞り、出来るだけすっきりと暮らせるように、今日も整理整頓に励むのです。時は年末、大掃除シーズン(笑)、皆さん頑張りましょう。

視聴習慣(クイズ編)

2010-06-17 01:26:56 | こだわり
わが家のテレビ視聴を語る時、欠かせないのがクイズ番組だ。私が学生の頃から、クイズ番組とあらば片っ端から視聴して来た。父は私の帰りが遅いと、問題をすべてメモしておいて、私に解かせた。私も遅い夕飯をとりながら真剣に答えを考えた。スポーツ好きの家族が全員でスポーツをやるように、わが家は常にクイズで盛り上がったのだ。妹の家族が来ても、結局チャンネルはクイズに合わされ、全員で解くことになる。父は80歳を超えても手元に電子辞書を置き、わからない言葉を検索していた。日本史は私も得意だが、父には歯が立たなかった。
今ももちろん母と二人で競っているが、おちゃらけたクイズやトンチものは見ない。トンチなど全く働かない母が嫌がるのだ。教科書クイズのような正統派が面白い。私は文学歴史が得意だが、生物や植物のことになると皆目わからない。母は逆に植物にはすこぶる詳しい。
超簡単な問題を出して、それさえも解けないタレントさんを馬鹿にするようなクイズ番組も見ない。自分より下を探して笑うような感じは、見ていてあまり気持ちのよいものではない。
私が一番好きなクイズ番組は、年一回の全国高等学校クイズ選手権だ。これはもう、決勝戦など難解の極みで、しかしそれをスラスラ解く高校生に感激する。3人一組なので、結局最後に物を言うのはチームワークである。物知りだからと言って一人暴走するような少年はいない。想像を絶する緊張感の中で戦う彼らは学校や郷土の名誉も背負っており、ある意味「知の甲子園」でもある。決勝で相まみえた少年たちは、翌年東大の入学式で顔を合わせるというエピソードも聞いた。ここまでいくと、もう爽快だ。

「Qさま」
月曜。これは、レギュラー系では一番面白い。漢字ばかりの回より、幅広いジャンルの通常版の方が面白い。歴史はほとんど解ける。犬猫以外に興味がないため、生き物に関する問題はほとんどわからない。
「ネプリーグ」
関西地区は日曜。この番組がクイズ番組だとずっと知らなかった。もう少し早く見ればよかったと後悔した。ファイブボンバーが最高に面白い。特に広辞苑からの出題。(余談になるが、私は高校生の時生まれて初めてアルバイトをして得たお金で、広辞苑を買った。嬉しくて毎日普通の本のように読んでいた)
「アタック25」
日曜。老舗番組。パネルの取り方にコツが必要。司会の児玉さんが容赦なくて(でも、上品。ここ大事)、笑える。
「平成教育学院」
日曜。みんドリが面白い。実際の中学入試問題がどれだけ難しいか、皆さんわかりますか?(笑)

日曜に集中していますね。他にもクイズ番組はあるけど、正統派はこれだけ。特番でクイズがあれば必ず見る。タイムショックとか。ミリオネアは、うーん。基本的に○×や三択問題などは面白くない。山カンでも当たるから。あくまで、自分が答えをひねり出すのでなくちゃ。

実は、その昔、某クイズ番組の予選に出たことあり。会場に行ったら、クイズマニアがわんさかいた。全員会議室に入れられ、天から女性の声が降って来て、問題がかなりの早いテンポで出題された。順調に書けていたのに、ある問題で大きく躓いた。神社の千社札のことを問う問題だったのだが、不信心者の私は千社札というものを見たことも聞いたこともなく、えっ??と焦っているうちにパニックになり終わってしまった。テレビで見ていた時より数段難しかったので愕然としていたら、最後に担当者の方が出て来てこうおっしゃった。「皆さん、難しくて驚かれたでしょう。実は、予選はいつもこの程度の問題に答えて頂いてるのです。そんな中からトップになられた方でも、実際にテレビカメラの前に出ると、実力の半分も出せません。だから、いつものような問題でトップを選出していたら番組にならないのです」なるほどと思った。番組の中で呆然としている出場者たちも、きっと家では抜群に出来ている人たちなのだろう。

視聴習慣(ドラマ編)

2010-06-12 02:04:53 | こだわり
振り返ってみると、今季(4~6月)はいつもよりずっと多くテレビドラマを見ている。連続ドラマは視聴が途切れると興味が薄れ、そのせいで最後まで続かないことが多かった。なぜか最近は録画してまで見ているものもある。
月曜:
TBS系のサスペンスドラマ2時間。これは内容による。ちゃんと警察が出て来て正統な捜査をするようなものでないと見ない。バスガイドさんや温泉旅館の女将やらその他諸々要するに素人が捜査もどきのことをするドラマは嘘臭く、母が横でぐぅぐぅ寝ている。
火曜:
「ジェネラルルージュの凱旋」。この時間帯は「ガイアの夜明け」を見ているので裏録り。深夜こっそり視聴。白鳥・田口コンビ好きです。トオルさんは昔から好きだし、伊藤さんは若いのに味がある。この作品は映画も見たけれど、ストーリーがあまりに違う。原作を読んでいないので、どちらが原作に近いかわからない。どっちにしろここまで変えていいものなんでしょうか?
水曜:
「臨場」。シーズン2を迎え、ぐっと面白くなった。全員のキャラが立ってきた。脚本家、前回と一緒だろうか?同じなら格段に成長していると思う。起承転結の運びなど職人的。
「アイリス」。竜也さんが声優をしているので無理やり(爆)視聴。でも、思っていたより面白い。視聴率の低さを声優のせいにするのはおかしい。いくらなんでも水曜9時は無理でしょう。裏が「相棒」のシーズンでなくてまだ良かった。(追記:アイリスはもちろん裏録り。本命は臨場!)
木曜:
「おみやさん」。これも何シーズン目かに突入。但し、裏でゴチバトルの時は、母の好みで(笑)有無を言わせずそちら優先。
金曜:
「警視庁失踪人捜査課」。まだまだちょっとアクが薄い。頑張って欲しい。フジ系列で2時間サスペンスがある時はそちら優先。浅見シリーズは出来に差がある。原作は一回読んで(私には)薄味すぎて面白くなかったのでやめた。
土曜:
言わずと知れた、長寿番組朝日系列の2時間サスペンス。十津川シリーズや法医学教室のシリーズなど必ず視聴。伏兵はNHK土曜ドラマ。時々昼ご飯を一緒に食べる友達に言わせると、大人の鑑賞に堪えるドラマはこのシリーズだけと大胆な意見。確かに骨があり見応え充分。7月は建設業界の談合がテーマの「鉄の骨」。めちゃくちゃ楽しみ。録画しておこう。
日曜:
「龍馬伝」。この時間帯は母が「ビフォアーアフター」を欠かさず見ているので裏録画。あの「ハゲタカ」チームの制作なので期待していたが、期待以上の出来。福山さんやっと役者に見えます。
「新参者」。地元の星、溝端淳平は可愛い。しかし、さすがに人情話臭さがちょっと鼻につくというか、照れくさい。

以上、笑えるほど推理物ばかり。不倫ものは絶対見ない。つまらない。月9はガリレオの時だけ見た。今シーズンには入っていないけれど、ずっと何年も欠かさず見ている「相棒」「科捜研の女」「京都殺人案内」など、テレビ朝日の長寿推理物は全部見ている。社長さん喜んで下さい(笑)。フジの「アンフェア」はかなり好きだったが、シリーズを通して一番面白いのは、やはり「相棒」だと思う。時々ハヤカワミステリを読んでいるような、こじゃれた回の時がある。結局は脚本だ。

最後に残るものは?

2010-04-05 00:40:20 | こだわり
会社では、資料の担当をしています。一つの会社で何十年も働いて、やっと自分に一番向いた仕事にたどり着きました。私の勤務する会社では、新しい仕事に向かう時、過去の先輩たちの残した記録が必ず必要になります。50年を超える過去の資料から、最新の資料まで、扱う種類は様々です。資料は大きく三つに分けて保管されています。紙のままの原稿・マイクロフィルム・PDF。膨大な量になってしまう「紙のまま保管」をやめて、小さなマイクロカセットや薄いDISCの方がこれからのニーズに合っているのではないかという意見は多いです。一方「絶対生原稿保管!」に拘る人たちも結構いて、結局私はそのすべての方法で資料の保管を試みているわけです。
先日、別の課で同じような仕事をしている同僚が別件で訪ねて来て、私の仕事を見ながら、「CD-Rなんて15年ももてばいいとこだ」と言って帰りました。永久とは思わないまでも、もう少しもつだろうと思っていた私は驚いて、ネットで色々検索してみました。なんと驚いたことに、録画したメディアは5年もてば優秀、10年もてば奇跡と書いてありました。愕然。なんだ、なんだ、それならPDFで残していく意味なんてないんじゃない?生の原稿なんて、時々50年以上昔のものを倉庫から出してみるけど、多少色焼けや皺などあるものの、内容はしっかり読めます。年数がたてばDISC自体が読みとれなくなるPDFとは根本的に違う...なんとなく空しくなりました。それと同時にアナログの堅実さのようなものも感じました。進歩しているのかいないのか?段々よくわからなくなってきています。
余談ですが、私の上司は、取り寄せた過去の原図を見た時私に向かってこんなことを言いました。「すごいね、昔の先輩たちの仕事(コンピューターの全く普及していない時代に、すべて手で書かれた原稿)。ここまで綺麗だと、もう芸術だね。身が引き締まるよ」
やはり記録は生の紙で残していくべきなのかもしれません。(しかし、倉庫は無限ではないし....)。

チマチマした男

2010-03-01 01:26:08 | こだわり
土曜日に見たある映画で、とても印象に残ったシーンがありました。つきあっている大学生二人。小さなアパートの一室でいつもの何気ない日常。ふと男性がテーブルにあった板チョコに手を伸ばすのですが、半分に割ってじっくりと見て多い方を彼女の前に置き、自分は少ない方を取ってむしゃむしゃ食べ始めます。それを見ていた彼女が「私たち、そろそろ別れようか?」とおもむろに切り出します。びっくりする男性。「えっ、どうして?」
彼女曰く、ちゃんと測って多い方を私にくれた、あなたのそういうところが嫌なんだと(贅沢だなぁ)。パキっと割ったらそのままそれが多い方であろうとなかろうと頓着せず食べればいいのだと。彼は面食らいます(そりゃそうでしょー)。私は、この青年に思わず同情してしまいました。つくづく難しいなと思いました。ただ、こういう状況に至るまでに、過去にいくつかの出来事の積み重ねが当然あって、チョコは単なる「話を持ち出すきっかけ」に過ぎなかったのだと思います。だから、それだけで判断は出来ないけれど、もし自分がこの女性の立場だったらどう思っただろう?と、考えてしまいました。チョコの場合限定で。
別れのきっかけにするほど嫌な行為じゃないけれど、「この男ちっちゃー!」と思ったかもしれません。チョコを独り占めしないで半分に割った時点で優しさは充分伝わっているわけだから、それ以上の大きさ比較は、なんとなくその人のスケールの小ささを感じさせますね。というわけで、結局ヒロインの気持ちがなんとなく理解出来てしまったのでした(笑)

先日某ワイドショーで、司会の若手男性アナが、部屋のすべてのティッシュケースにカバーをかけているという話をして、女性陣に「それはイヤ~」と笑われていました。レースや苺柄ならいざ知らず、プラスチックや木や籐なら、私は全然嫌じゃないです。ティッシュケースを紙箱のまま置くことが男らしい行為とも思わないし...。好みってほんとに人それぞれで面白いですね。

原作の重圧

2010-01-24 02:54:17 | こだわり
この本を読もうと思い立った時、私は別の小説を読んでいる最中でした。短編集とはいえ読みかけの本を中断してまでこの文庫を買ったのには、ちょっとした理由があります。それはテレビでこの作品のドラマ化を見たからです。私の母は(亡くなった父も)大変な松本清張ファンで、テレビで清張作品が放送される時は必ず見ます。原作松本清張というと作り手にも気合が入るのか、他の2時間ドラマなどとは全く違う緻密さと緊張感が漂う仕上がりになります。ただ、世の常で、たまに粗悪品もあります。清張とは名ばかりで、オイオイと思うようなドラマに出会うと、偽のブランド品を買ってしまった時のようにがっかりします。昨年は松本清張生誕100年とかで、同じく太宰治と共に次々映像化されました。2007年に放送したテレビ朝日の「点と線」は素晴らしい出来栄えで賞も獲り、昨年のフジテレビ「駅路」もとても見ごたえのある作品でした。この「火と汐」(TBS)も早くから楽しみにしていたのですが、ドラマを見て驚きました。出来不出来云々よりも、事件の鍵を握るのが携帯電話のメールだったからです。一般に過去の推理小説を映像化する時、時代設定を現在に置き換えると一番困るのが携帯の存在です。携帯電話の登場は、事件そのものあるいは捜査の方法を根本的に変えてしまいました。ドラマの中で、殺された主婦を誘い出した携帯のメールは、原作ではいったい何が代わりをしていたのだろう?と非常に気になり、書店でパラパラめくってみると、どうも様子が違う。ならば、と買ってきて最初から読んでみると、お話はすっかり違っていました。もちろん原作はそれですから骨子は同じですが、原作には登場しない女性がドラマ版には出て来て、おまけに準主役でした。犯人の逮捕材料となった「遺体にくっついていた草の実」もなかったし...(笑)。なかなかいい俳優陣を揃えたこともあって、サスペンスドラマとしてはそれほど悪くなかったのですが...。実際小説を読んでみると大して面白くなく、逆によくあそこまでアレンジしたと思いました(爆)。
過去の名作を映像化する時は、書かれた時のままの時代設定の方が絶対いいと思いますが(映画のように)、きっとお金がかかるのでしょう。「原案」扱いでも良かったと思います。もし、かなり変えたからと脚本家の名前だけ出せば「清張のパクリ」だと騒がれ、原作松本清張と書くと、「原作と違いすぎる」と叩かれる。どっちにしろいいことないですね。それでも果敢に人気小説や人気漫画の映像化を試みる人たちのチャレンジ精神のおかげで、我々は面白いものが見られる訳ですが。本当はオリジナルで面白いシナリオがもっと出てきたら一番いいんですがね。

久しぶりに~

2009-12-21 00:26:03 | こだわり
腹の底から笑わせてもらいました。M-1、パンクブーブー。
最近のお笑いにはとんとついて行けなくて、でも会場は沸いてるから、自分の感性はもう古いのかしら?と思ってみたり...(自分と友人たちの会話の方がよほど面白いと思うこと多し)。もともとコント系はあまり好きじゃなく、ボケ&つっこみの正統派しゃべくりが好みなのですが、最近は、なんでこれで笑えるの?というネタが多い。母はもっとついていけず、「お母さんにはようわからんわ」と、今夜も消極的に見始めたのでした。一回戦で高得点を獲得した笑い飯のネタにもさほど乗れず...。ところが、名前を聞いたこともなかったパンクブーブー、笑いましたよ、めちゃくちゃ。1本目のクレーマー編も驚きの面白さだったけど、2本目の弟子にして下さい編。上手い、しゃべりが上手すぎる。絶妙の「間」。母と二人大笑いし、これでパンクブーブーが優勝じゃなかったらつまらないねぇと母(笑)。なんと、審査員も満票!これだけ練られていたら、誰が聞いても面白いんだやっぱり、と嬉しくなったのでありました。

通販マニア  (※追記あり)

2009-01-07 02:43:04 | こだわり
昨年末から新年にかけて、盛んにネットショッピングをしました。私の場合、何かいいものないかなぁ...と探していてつい買ってしまうという類ではなく、完全に狙いを定めて探しているのです。
まず、食品。○天で某漁港の干物セットを購入しました。ほとんど母の昼食用です。母も私も干物が好きなので。しかし、これは人気があった割に、味はいまいち。やっぱりGOさんのように万近いお金を出さないとダメなんでしょうかね?しかし干物は庶民の食べ物でしょう。
次に買ったのが吉○家の牛丼セット。これは若者が多いご家族へのお遣い物で、我々の口には入らず。
NHKの鯖街道の番組に触発されて買った焼き鯖は全くの期待はずれ。本場から取り寄せたのに...。香ばしくないのが致命的。おせちは、一つ前の日記にも書きましたが、大ヒットでした。
次に、小さなファンヒーター。これは有名メーカーの物ではありません。テレビの通販番組で紹介されていたのを母が見ていました。「ねぇねぇ、小さいけれど、すっごく温かいファンヒーターがN屋にあるよ」と。食事の時足元だけを暖める小型のファンヒーターを探していたのです。さっそくネットで調べてみると、なんとN屋さんより3000円も安いのを見つけました。これは大正解。小さいのにほんとにあったかい。大きい割に大して温かくない電気ストーブよりよっぽど温まります。軽いのでどこにでも持ち運べるし。
年が明けて買ったのが簡易神棚。これは実は大凶におののいて、即買いに走ったお札を祀るためのもの。買って帰ったはいいけれど、そもそも我が家には神棚なんて無いし、かと言ってただ壁に立てかけたりピンでとめるのは嫌で、そんな時はネットで検索(笑)。大仰な神棚ではなく、とてもシンプルな簡易お札立てが見つかりラッキー。なんでも正月で注文が殺到しているそうです。私みたいな方がたくさんいるようですね。品物はまだです。楽しみ。
最後に、一番最近注文したのが、手帳のレフィル。年末にソウルに行った際すごい円高で、行くまではブランド品の一つでも買って帰ろうと思っていたのですが、いざ免税店をブラブラしてみると、欲しいものがなかなかないのです。SHINHWAのグループカラーがオレンジなので、オレンジ色の財布を探したのですが、全く無し。唯一M○Mにありましたが、デザインが何とも好みじゃなくて。私は長財布専門ですが、ゴテゴテしたバックルとかがついているのは嫌で...。結局残るはエルメスしかなく、予想通り綺麗なオレンジ色でしたが、「20万円です」とサラッと言われ、めちゃくちゃ馬鹿馬鹿しくなって店を出ました。その代わりと言ってはなんですが、他のお店でとても綺麗なオレンジ色のシステム手帳を見つけ、即購入。とても柔らかい革で大満足。お店の方がレフィルをサービスしてくれました。しかし、カレンダー部分は韓国の祭日とかになっているのでアウト。メモ用紙とかはそのままファイル。ところが、ここで問題が。日本に帰ってから、先に買ってあった毎年利用しているレフィルを綴じると、少し細見の手帳なので、ほんの5mmほど紙が手帳からはみ出すのです。うーん、これを「まぁいいや」と絶対思えないのがワタクシ(笑)。あちこち大型の文房具屋さんを回りましたが、通り一遍の幅のものしかありません。諦めかけた時、ネットを思い出しました。「システム手帳・バイブルサイズ・幅9㎝(一般的なものは9.5㎝)」と検索すると、やっぱり出てきました。ちゃんとスリムサイズのがあったのです。やったー。能率手帳グッジョブ!明日届きます。さて、うまくいくか?すっきり仕上がったら写真をアップすることに致しましょう^^

追記:バッチリでしたよ。