「みのりさん。M先生来てくれるからね。」
5月17日は土曜日だったため、普段の担当の先生はお休みだったようなんだけど。
私の出産に合わせて出てきてくださるとのこと。
今日の当直の先生もやさしい雰囲気の先生だけれども若いし、やっぱり普段の先生が来てくれるとなると安心。
もうろうとなる意識の中でそう思った。
私のいきみ逃しはまだまだ続く。
私の血圧も、どんどん上昇。
そこへM先生登場。
「破水したの?痛み強くなった?」
いつもの、やさしい笑顔。
私は、頷くのが精一杯。
そして・・・。
「ちょっと、血圧も高いし、赤ちゃんの心拍も下がったりしてるからね~、万が一のために採血させてね。まあ、帝王切開にはしないと思うけどね。」
と、先生。
それを聞いて、あー、先生はぼんやりごまかしたけど危険な状態なんだなと思った。
そして、痛みがくると帝王切開になるんやったら早く帝王切開にして~!!と心の中で叫んだ。
それでも、言わなかったのは赤ちゃんの免疫力のことを思ったからだ。
通常の経膣分娩では、産道を赤ちゃんが下りてくるあいだにお母さんが持っている菌に感染しながら生まれてきてそれが赤ちゃんの免疫力になるとのこと。
加えて、初乳には赤ちゃんに必要な栄養素があってそれを飲ませることによって免疫力がつき病気をしにくいと。
帝王切開になると、産道を通らないため菌への感染はないし、抗生物質をするため初乳をあげることが出来ない。
ふっー、ふっー、ふっー
助産師さんのリードがあるときは、なんとかそれについて呼吸法が出来る。
でも、助産師さんもずっとベッドサイドにいられるわけではないので居なくなるととたんに私の呼吸は乱れ、赤ちゃんの心拍が低下する。
それを見ていた夫くんがそばにきて、一緒に呼吸法をリードしてくれた。
痛みでパニックになりかけていた私はなんとか夫君のリードについていく。
順序がどっちが先だったかは、忘れたけど
導尿、帝王切開前の採血をされた。
どちらも、軽い痛みがあったものの陣痛の痛みに比べればなんてことなかったように思う。
そんな中で、痛みはどんどん進む。
「そろそろ、ふっーじゃ乗り切れなくなってきたみたいだから、今度は短くふっ、ふっ、ふっ、ふっ、って吐いてみて。」
助産師さんに言われて呼吸法が少し変わった。
途中、妹や、夫君にリードしてもらってなんとかついていく。
途中、先生が診に来て。
「もしもの時、帝王切開になるから水分は控えめにね。」
と、言い残していく。
そのため、口と喉がからからで苦しさは倍増。
そんな様子をみていた助産師さんは
「少しだったら大丈夫。」
と言ってくれて回数は今までどおり、飲む量はごくごく減らして陣痛のいきみのがしに耐えた。
こんな痛みの中、子宮口はなかなか開かず相変わらず7cm~8cmだという。
先生が診に来て
「今、お腹に力入れることが出来る?」
と、聞かれて
「はい。」
と、答える。
「じゃあ、力入れてみて。」
と、先生はいいながら子宮口のあたりを指でグリグリグリ~とえどるように広げた。
「よし、これが限界かな? 子宮口完全に開いたからね。今からいきんでもいいよ~。」
と、先生。
「そしたらね~、いまから少しだいきもうね。赤ちゃんまだ上にいるから全部いきんでしまうと赤ちゃん苦しいからね。ふーっ、ウン。ふーっ、ウン。って、このウンのときに少しだけいきんでね。」
と、助産師さん。
夫君と、妹のリードで、
ふーっ、ウン。ふっー、ウン。
なんとか、続けるも痛みがピークになるときは、おもわず、
ふーっ、ウウウウーーン。
と唸ってしまう。
陣痛が去ると、ほとんど寝てないこともあって、ウトウトとする。
時間の早い遅いもあまり感じない。
そんな、意識がモウロウとする中で気になるのは、やっぱり赤ちゃんの心拍。
「あかちゃん、大丈夫?」
私が聞くと、頭もとでうちわで扇いでくれている母や呼吸法をリードしてくれている夫くんや妹が口を揃えて、
「大丈夫やよ。」
と、言ってくれて少しほっとする。
いきみ逃しをしながら、いきむのがどれだけ続いたかはわからないけど、しだいに股に圧がかかってくるのを感じる。
そのことを訴えると、助産師さんが診に来てくれる。
LDR室の天井から、ライトのようなものが降りてきて一旦、母、妹、夫くんが部屋から出される。
そして、慌しく
「先生呼んでー、旦那さん頭もとに入ってもらって。吸引準備して。」
そんな声が飛び交う。
いよいよ、お産も最終段階に入ってきたかなと思うと、ベットも解体されて分娩台へ。
足にカバーをかぶせられて、分娩台に足を乗せられ、
「いきんで。」
と、言われて1、2回いきむとストップをかけられて手を胸の上で交差するように言われた。
「はっ、はっ、はっ、はっ。」
って、息をするように言われてそのとおりにしてたら。
「もう一回いきめる?」
と。先生。
え?いまからまた、いきむの?
そう思いながらいきむも力が入らない。
若い先生が私のお腹の上に乗って押し出す。
そして、
「足をあげて。」
と、言われて私はスタッフの人何人かの人に両足を持ち上げられM字開脚をベッドの上でさせられる。(赤ちゃんの足みたいなかんじ?)
そこへ、担当のM先生が出口の周りに手をあてを私のいきみに合わせてぐぐぐっと押した。
ずるっっと出た感覚。
少し、して産声が。
「泣いた・・・・、泣いたよ・・・・。」
夫君は嗚咽しながら私の頭をなでる。
私は、放心状態で夫君の顔をみつめる。
「小児科呼んで!!麻酔科待機してもらってたの解除して!!」
先生の指示が飛ぶ。
なかなか手元に来ない赤ちゃんが心配で、
「赤ちゃん、元気?」
夫君に、聞くと。
「うん、元気、手も足もバタバタさせてるよ。」
赤ちゃんは待機してくれていた小児科の先生が来てくれて飲んでいた羊水の吸引処置をし
てくれた。長い分娩時間だったので羊水をたくさん飲んでしまったそうだ。
「さあ、さて。今のうちにお母さんの処置もしときましょうかね。」
そういって、麻酔をされ会陰の裂けた部分の縫合を先生がはじめた。
私達2人の処置が終わった後、
「じゃあ、体重いこうか。」
と、赤ちゃんの体重を測ると・・・・・、スタッフさんたちの歓声が・・・・。
「4566g!!!!」
きゃ~、大きい!
そして、赤ちゃんとの初対面。
うわー、おっきい。
貴方だったのね、私のお腹の中にいたのは・・・・・。
なんとも不思議な・・・、そして幸せな気持ちだった。
体重:4566g
身長:53.3cm
胸囲;40.0cm
頭囲;34.5cm
分娩の経過
微弱陣痛、会陰裂傷Ⅱ度
分娩時間
19時間23分
出血量
884ml(多量)
5月17日は土曜日だったため、普段の担当の先生はお休みだったようなんだけど。
私の出産に合わせて出てきてくださるとのこと。
今日の当直の先生もやさしい雰囲気の先生だけれども若いし、やっぱり普段の先生が来てくれるとなると安心。
もうろうとなる意識の中でそう思った。
私のいきみ逃しはまだまだ続く。
私の血圧も、どんどん上昇。
そこへM先生登場。
「破水したの?痛み強くなった?」
いつもの、やさしい笑顔。
私は、頷くのが精一杯。
そして・・・。
「ちょっと、血圧も高いし、赤ちゃんの心拍も下がったりしてるからね~、万が一のために採血させてね。まあ、帝王切開にはしないと思うけどね。」
と、先生。
それを聞いて、あー、先生はぼんやりごまかしたけど危険な状態なんだなと思った。
そして、痛みがくると帝王切開になるんやったら早く帝王切開にして~!!と心の中で叫んだ。
それでも、言わなかったのは赤ちゃんの免疫力のことを思ったからだ。
通常の経膣分娩では、産道を赤ちゃんが下りてくるあいだにお母さんが持っている菌に感染しながら生まれてきてそれが赤ちゃんの免疫力になるとのこと。
加えて、初乳には赤ちゃんに必要な栄養素があってそれを飲ませることによって免疫力がつき病気をしにくいと。
帝王切開になると、産道を通らないため菌への感染はないし、抗生物質をするため初乳をあげることが出来ない。
ふっー、ふっー、ふっー
助産師さんのリードがあるときは、なんとかそれについて呼吸法が出来る。
でも、助産師さんもずっとベッドサイドにいられるわけではないので居なくなるととたんに私の呼吸は乱れ、赤ちゃんの心拍が低下する。
それを見ていた夫くんがそばにきて、一緒に呼吸法をリードしてくれた。
痛みでパニックになりかけていた私はなんとか夫君のリードについていく。
順序がどっちが先だったかは、忘れたけど
導尿、帝王切開前の採血をされた。
どちらも、軽い痛みがあったものの陣痛の痛みに比べればなんてことなかったように思う。
そんな中で、痛みはどんどん進む。
「そろそろ、ふっーじゃ乗り切れなくなってきたみたいだから、今度は短くふっ、ふっ、ふっ、ふっ、って吐いてみて。」
助産師さんに言われて呼吸法が少し変わった。
途中、妹や、夫君にリードしてもらってなんとかついていく。
途中、先生が診に来て。
「もしもの時、帝王切開になるから水分は控えめにね。」
と、言い残していく。
そのため、口と喉がからからで苦しさは倍増。
そんな様子をみていた助産師さんは
「少しだったら大丈夫。」
と言ってくれて回数は今までどおり、飲む量はごくごく減らして陣痛のいきみのがしに耐えた。
こんな痛みの中、子宮口はなかなか開かず相変わらず7cm~8cmだという。
先生が診に来て
「今、お腹に力入れることが出来る?」
と、聞かれて
「はい。」
と、答える。
「じゃあ、力入れてみて。」
と、先生はいいながら子宮口のあたりを指でグリグリグリ~とえどるように広げた。
「よし、これが限界かな? 子宮口完全に開いたからね。今からいきんでもいいよ~。」
と、先生。
「そしたらね~、いまから少しだいきもうね。赤ちゃんまだ上にいるから全部いきんでしまうと赤ちゃん苦しいからね。ふーっ、ウン。ふーっ、ウン。って、このウンのときに少しだけいきんでね。」
と、助産師さん。
夫君と、妹のリードで、
ふーっ、ウン。ふっー、ウン。
なんとか、続けるも痛みがピークになるときは、おもわず、
ふーっ、ウウウウーーン。
と唸ってしまう。
陣痛が去ると、ほとんど寝てないこともあって、ウトウトとする。
時間の早い遅いもあまり感じない。
そんな、意識がモウロウとする中で気になるのは、やっぱり赤ちゃんの心拍。
「あかちゃん、大丈夫?」
私が聞くと、頭もとでうちわで扇いでくれている母や呼吸法をリードしてくれている夫くんや妹が口を揃えて、
「大丈夫やよ。」
と、言ってくれて少しほっとする。
いきみ逃しをしながら、いきむのがどれだけ続いたかはわからないけど、しだいに股に圧がかかってくるのを感じる。
そのことを訴えると、助産師さんが診に来てくれる。
LDR室の天井から、ライトのようなものが降りてきて一旦、母、妹、夫くんが部屋から出される。
そして、慌しく
「先生呼んでー、旦那さん頭もとに入ってもらって。吸引準備して。」
そんな声が飛び交う。
いよいよ、お産も最終段階に入ってきたかなと思うと、ベットも解体されて分娩台へ。
足にカバーをかぶせられて、分娩台に足を乗せられ、
「いきんで。」
と、言われて1、2回いきむとストップをかけられて手を胸の上で交差するように言われた。
「はっ、はっ、はっ、はっ。」
って、息をするように言われてそのとおりにしてたら。
「もう一回いきめる?」
と。先生。
え?いまからまた、いきむの?
そう思いながらいきむも力が入らない。
若い先生が私のお腹の上に乗って押し出す。
そして、
「足をあげて。」
と、言われて私はスタッフの人何人かの人に両足を持ち上げられM字開脚をベッドの上でさせられる。(赤ちゃんの足みたいなかんじ?)
そこへ、担当のM先生が出口の周りに手をあてを私のいきみに合わせてぐぐぐっと押した。
ずるっっと出た感覚。
少し、して産声が。
「泣いた・・・・、泣いたよ・・・・。」
夫君は嗚咽しながら私の頭をなでる。
私は、放心状態で夫君の顔をみつめる。
「小児科呼んで!!麻酔科待機してもらってたの解除して!!」
先生の指示が飛ぶ。
なかなか手元に来ない赤ちゃんが心配で、
「赤ちゃん、元気?」
夫君に、聞くと。
「うん、元気、手も足もバタバタさせてるよ。」
赤ちゃんは待機してくれていた小児科の先生が来てくれて飲んでいた羊水の吸引処置をし
てくれた。長い分娩時間だったので羊水をたくさん飲んでしまったそうだ。
「さあ、さて。今のうちにお母さんの処置もしときましょうかね。」
そういって、麻酔をされ会陰の裂けた部分の縫合を先生がはじめた。
私達2人の処置が終わった後、
「じゃあ、体重いこうか。」
と、赤ちゃんの体重を測ると・・・・・、スタッフさんたちの歓声が・・・・。
「4566g!!!!」
きゃ~、大きい!
そして、赤ちゃんとの初対面。
うわー、おっきい。
貴方だったのね、私のお腹の中にいたのは・・・・・。
なんとも不思議な・・・、そして幸せな気持ちだった。
体重:4566g
身長:53.3cm
胸囲;40.0cm
頭囲;34.5cm
分娩の経過
微弱陣痛、会陰裂傷Ⅱ度
分娩時間
19時間23分
出血量
884ml(多量)