南十勝長期宿泊体験交流協議会(STEP)

こども夢学校受け入れモデル地区として活動スタートしました

冬休み2泊3日宿泊体験初日(1月12日)

2009-01-18 12:21:32 | Weblog
2日前に80センチもの大雪に見舞われた大樹町。
しかし、本日は快晴、しかも辺りは一面銀世界。絶好の冬休みイベント日和となりました。
前日の除雪は大変だったんですけどね・・・オーナーの米山さんに感謝です。




拠点となる大樹町インカルシペ白樺のハウスにて開会式。
今回は小学2年生から中学1年生の18名が参加しました。左はリーダーの「うえだんな」こと上田融氏。このイベントを誰よりも楽しみしていたと子どもそっちのけの意気込み。




     

オリエンテーションの一場面。
地元参加や、遠く苫小牧・室蘭からの参加など、初めて顔を合わす子どもたちがうまく打ち解けるように、冗談を交えながらあれやこれやと指示を出すうえだんな。さすがですな。




   

緊張がだいぶほぐれた子どもたちが最初に向かったのは、インカルシペの敷地内にある石窯。
ここで、焼き上がったばかりのじゃがチーズ(勝手に命名。じゃがいもにチーズを載せ、そのまま石窯で焼いたもの。)を食べる。子どもたちから「美味し~い」の声が。
「石窯で焼くととっても美味しいんだね。」 → 「石窯で大樹ピザを焼くためには薪が必要だ。」 → 「よし、みんなで薪を調達に行こう!」
2段目は余ったチーズに群がる様子。そんなに慌てなくてもみんなにあた・・・らない。人生は厳しいのだ。






インカルシペから1キロほど離れたカラマツ林に到着。スノーシューを履いて、雪深い現場へ。でも、いくらスノーシューを履いたところで80センチ積もったパウダースノーには勝てません。特に先頭を歩いた子はいいトレーニングになったことでしょう。チーズは早い者勝ち、スノーシューは遅いもの勝ち。人生は難しいのだ。




   

現場に到着。カラマツの枝に積もっている雪が今回の大雪を物語っています。
さて、一段目写真の右にいるのはこの道ウン十年の菅さん。
「カラマツは1haに2000本を植え、収穫までに3回間伐を行い、50年後に約500本を収穫します。」
「このカラマツは17歳。ちょうど1回目の間伐の時期です。間伐される木は可哀想な気もしますが、太くて丈夫な木を育てるためにはやらなければならないことなんですよ。」
切った木は薪として大切に使わせていただきます。命の尊さを学んだ子どもたち。






間伐した木を持ち帰り、薪割りに挑戦。初めて持つ斧に腰も引け気味。でも、何度も振っているうちに少しずつ様になってきました。氷点下の中、子どもたちは一生懸命頑張りました。最後には一人1本の薪割りを成し遂げました。


この後、子どもたちは、今晩お世話になるホストファミリーに自分のことを知ってもらうため名刺作りをしました。
そして、「たくさんお手伝いする」「たくさん食べる」「たくさんお話しする」こと、翌朝に大きな作品と小さな作品(トイレのことです。あしからず・・・)を残してくることを約束し、迎えに来てくれた大樹のお父さん、お母さんの車に乗ってそれぞれの家に向かいました。

今回は、町内の農家など7件の皆さんにご協力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。






ホストファミリー宅での一コマ。一人はそのお宅の子ですが、もうすっかりくつろいで、どの子が家の子かわかりませんね。


そんなわけで、初日が終了しました。翌日に続く。

2日目(1月13日)

2009-01-18 12:21:00 | Weblog
2日目の朝、ホストファミリーにインカルシペまで送っていただき、家でのお手伝いのご褒美として、お弁当と夜の食材をいただいてお別れです。一晩限りのお付き合いでしたが、すっかり仲良くなり本当の家族のようでした。


この日は3班に分かれての活動となります。
ところが、予定していたワカサギ釣りが、先日の大荒れの天候の影響で、会場となるホロカヤントーが高波をかぶったため、氷がゆるみ危険な状態となり中止せざるを得ない状況に。こういうことが起きるのも自然体験活動の醍醐味の一つです。

代替案をスタッフで検討し、昨日の間伐のお手伝いから一歩レベルアップし、自ら木を切って薪作りに挑戦する「ザ・木こり班」をやってみることにしました。
子どもたちは、チーズ作り班、牧場の手伝いをして野菜をいただく班、木こり班のそれぞれのリーダーから活動内容の説明を受け、自分で班を選択し、「大樹ピザ」に向けて出発です。



まずは、木こり班。昨日はチェーンソーを使いましたが、今日はのこぎりを使い自分たちで切ります。まず手始めに細い木を切ってみます。えっ、手でも折れそうですって?何事も基本が大切なんです。



   

しばらくするとこのようにサマになってきました。この子は将来立派な日曜大工になることでしょう。






そして、休憩時間にたき火。おや、左側に見える白い物体は何だ?






なんと焼きマシュマロ。マシュマロの表面がとろけて口の中で甘さが広がり美味しい。こんな食べ方があったんですね。






たき火は進み・・・、おっと、中央に見える銀色の物体は何だ?まさか、たき火といえば定番の・・・






なんと、予想どおりそこから現れたのは焼きいもではありませんか!きみたちちょっと得しすぎてないかい?という私も一本いただきましたけど。いやー、甘くておいしい。クラ○ベリーのスイート○テトに全くひけをとりませんでしたよ。




さて、舞台は変わってチーズ作り班。こちらは地場産品研究センターでチーズとだんご作りに挑戦です。



おーっと、こちらも早速何か飲んでいます。「おまえも一杯どうだ?」「えぇ、それではちょいと一口」なんて大人の会話が繰り広げられているのでしょうか。
どうやら、チーズを作る際に出る乳清(ホエー)のようですね。右の子はうらやましくて指をくわえているのか、或いは、そんなの飲んで大丈夫なの?という不安な表情を浮かべているのか?もともと牛乳ですから飲んでも全く問題ありません。念のため。




   

そんな男衆を尻目に(?)粛々と作業を進める女性陣。私たちがしっかりしなくては。






最後に重しを載せてチーズ班の作業は終了。この後、丸い型に入れて3か月~6か月ほどの熟成期間を経ておいしいチーズが出来上がります。




そして、3班目の会場、夢がいっぱい牧場へ。
こちらでは、牧場の仕事の手伝いをして、対価として野菜とお肉をいただきます。



まず最初に子どもたちは、子牛の哺育舎の周りの除雪を頼まれました。何せ80センチですから大変な作業です。機械化が進んでもこういう狭いところは人の手が必要です。子どもたちは、スノーダンプに一度に載せる雪の量によって、「3級」「2.5級」などと格付けをされながら頑張ります。






右はこの班のリーダー「ロジー」こと高木二郎氏。格付けもこの人の独断で。オーナーの片岡さん(ちなみに除雪5段)の説明を真剣に聞いている子どもたちを尻目に何を見てニヤついているのでしょうか。「聞き方10級」ですよ。






最後に今日1日の作業のお礼としてお肉をいただく子どもたち。
念のため申し添えておきますが、この班の子は昼食にこの牧場で販売しているハンバーグをご馳走になったそうです。結局、3班とも、みんないい思いをしたんですね。






さて、いよいよ今回のメインイベント、大樹ピザ・大樹汁作りを始めます。講師は大樹町消費者協会の白幡さんと農業改良普及センターの山腰さんのお二人。






ソーセージの皮むき、輪切り。つまみ食いはほどほどにね。






こちらは大樹汁。包丁さばきも慣れたものです。






この間、写真はたったの2枚ですが、ピザの生地をこねたり、にんじん、じゃがいも、だいこんを切ったり、それはそれは精力的に働きました。
そして、いよいよ大樹ピザの完成。石窯で一気に焼き上げました。




どうですか。写真を見ただけでよだれが出そうですね。



焼き上がったピザを持って記念撮影に応じる3人。しかし、心の中は一刻も早く食べたかったに違いない・・・
この後、次々にトッピングを終えた子どもたちがやってきて、焼き上がった人から順に大樹ピザを堪能し、大樹汁とご飯は、全員で声を合わせて「いただきます」を言ってからいただきました。
「働かざる者食うべからず」この格言はこの日のために作られた言葉だと思いました。






おなかいっぱい食べた子どもたちが次に体験したのが五右衛門風呂。マイナス10度はあろうかという外気温でも、入ったら最高に気持ちいいんですよ。夜空の月を眺めて一日の疲れを癒し、これまでの人生を振り返るひととき。えぇ、それって最後に入った私の感想なんですけどね。


最高の体験をして、子どもたちはゆっくりと眠りにつきました。
明日は最終日です。

最終日(1月14日)

2009-01-18 12:17:42 | Weblog
いよいよ最終日。今日も大樹は快晴、子どもたちは元気いっぱいです。
朝食に昨日の大樹汁とごはん。そして米山オーナーの奥さんが作ってくれた特製オムレツをいただき、早速外で雪遊び。






そして、ハウスに集まり今回の活動のふりかえり。学んだこと、感じたことを心の中に落とし込む大切な時間です。子どもたちはうれしかったこと、楽しかったこと、寒かったこと、そして、あたたかかったことについて書き込んでいきます。
この中で、「あたたかかったこと」には、「暖房の暖かさ」、「ピザの温かさ」などの他に、「親切にしてくれた人の心の温かさ」と書いた子もいて、スタッフ一同感動したのでした。きっと紙には書かなくてもみんなが感じてくれたことと思います。




最後に子どもたちは石窯の前に集合。
今回の活動でいただいたものは何でしたか。石窯で大樹ピザを焼くための薪として使った間伐材、チーズ、野菜、お肉などの食材。
これらは、全て大樹町の豊かな自然の大地がもたらしてくれたものを、いろんな人が心を込めて育てたものです。
そんな人たちと自然の恵みに感謝の気持ちを込めて、次回もここで素敵な体験ができることを願って、石窯に残った灰を畑にまきましょう。







そして、閉会式。
お世話になった全ての人、食べ物、資源に対して、心から感謝の気持ちを込めて、大きな声で挨拶。
「ありがとうございました!」
指導者の皆さん、ホストファミリーの皆さん、インカルシペのオーナー米山さん、薪となったカラマツ、地元産の野菜やお肉や牛乳、大樹の自然環境、天候、そして、参加費を負担し送り出してくれたお父さん・お母さん。全てのことに対し心から感謝の言葉が言えたと思います。
今回の子どもたちの体験はきっと大きな成長の支えとなることでしょう。


STEPでは春休みの体験活動を企画中です。
また多くの方の参加をお待ちしております。