キ上の空論

小説もどきや日常などの雑文・覚え書きです。

冬のとなり

2016年01月16日 | リハビリ企画
 洗い物をしたら袖に水が染みた。捲っても落ちる仕様だから仕方がない。もうしばらく過ぎたというのにまだ水気はある。あとどのくらいで乾くだろう。分厚い水色は、もらい物の上っぱりだ。寒いから作業をしないときも着ている。どちらかと言えば、日常に近いもの。
 非日常に近いものも身の回りにはそこそこある。すべてを受け取るには脳の処理能力が追いつかずにそうなっているもの、実際に遭った非日常の記念品。
 何を日常とするかは人次第だろう。体を別の何かに変換する日常を過ごしていた者はそう多くない。外観はそれとわからず何度も死にかけたので、佐方の妻はうたた寝する夫の心音を確かめる癖がついた。そうして妻が触れてくるのが嬉しくてつい、佐方にはソファでうたた寝する癖がついた。
 一仕事終えてソファに向かうと先客があった。当然、妻以外にないのだが、佐方を待ち構えているうちに眠ってしまったらしい。
 ふと思いついて、佐方は妻の背に耳を当ててみた。温みが意外と心地よかった。

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予告嘘の突発書き短文。
暖房器具の充電が終わる前に書き上げたかったのですが、そうも行きませんでした。おやすみなさい。

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