キ上の空論

小説もどきや日常などの雑文・覚え書きです。

a literateira dizeu um devaneiro

2008年04月27日 | 雑文
 王は老いる。そして騎士も。
 至高の若き騎士を失った今、この国が向かう先はたったひとつ。
「王がこの地を統べるのが運命だったと云うのならば、俺がそれを終焉に導くのも運命」
 笑いとばせよ、いつもみたいに。
 そうすれば、俺はおまえを叩き斬れる。
「運命に抗うことなど、結局無意味だ」
 さあ、笑えよ。お前は、そうするだろう?
「……何を自棄になって―――」
 声はそこで途切れた。陽気な皮肉屋は、倒れたきりもう何も云わなかった。
 血に染まった剣を片手に、理想屋は不機嫌そうに俺を睨んだ。
 倒れた男を見下ろす。
 ただ、血が広がってゆく。

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