王は老いる。そして騎士も。
至高の若き騎士を失った今、この国が向かう先はたったひとつ。
「王がこの地を統べるのが運命だったと云うのならば、俺がそれを終焉に導くのも運命」
笑いとばせよ、いつもみたいに。
そうすれば、俺はおまえを叩き斬れる。
「運命に抗うことなど、結局無意味だ」
さあ、笑えよ。お前は、そうするだろう?
「……何を自棄になって―――」
声はそこで途切れた。陽気な皮肉屋は、倒れたきりもう何も云わなかった。
血に染まった剣を片手に、理想屋は不機嫌そうに俺を睨んだ。
倒れた男を見下ろす。
ただ、血が広がってゆく。
至高の若き騎士を失った今、この国が向かう先はたったひとつ。
「王がこの地を統べるのが運命だったと云うのならば、俺がそれを終焉に導くのも運命」
笑いとばせよ、いつもみたいに。
そうすれば、俺はおまえを叩き斬れる。
「運命に抗うことなど、結局無意味だ」
さあ、笑えよ。お前は、そうするだろう?
「……何を自棄になって―――」
声はそこで途切れた。陽気な皮肉屋は、倒れたきりもう何も云わなかった。
血に染まった剣を片手に、理想屋は不機嫌そうに俺を睨んだ。
倒れた男を見下ろす。
ただ、血が広がってゆく。
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