●第2回仲間集めの旅・5
早々にスペインを出てフランスの沿岸を掠めながらイタリアへ向かっている途中辺りで、「ポルトガルがインド洋を狙っている」という非常に危険極まりない情報を入手します。スマートなアラブ人であるウッディーン様にとって西洋列国の強引なやり方は目にあまるものであり、どこまでも我が物顔で勢力を広げようとする西洋人などは野蛮極まりないケダモノでしかありません。(自分のことは棚に挙げ。だってウッディーン様はケダモノじゃなくって悪者だもんね。)
そんな情報を聞いてしまっては平静ではいられません。すべての港に立ち寄るのは断念して、仲間のいそうなジェノバ、ヴェネツィア、アテネ、アレキサンドリアの4つの大きな港だけに寄航することにしようと、船を急がせます。
が!ヴェネツィア沖に来たその時、遠く東南アジアから耳を疑う報告が!
「ペレイラが我が商会に対して宣戦布告をしてきました」
ええ~~~~~~ッッ!!!!
寝耳に水です!
まさかこんなに早くこんな直接的な手に出てくるとは思ってもいませんでした!こうなっては仲間探しは断念する他ありません、取るものもとりあえず自分の庭たるインド洋にとって返すウッディーン艦隊。
(良かった、アフリカに足場作っといて~~!手動で航海するより自動航海のほうが数倍早いもん、わたしの場合)
そんなウッディーン様を尻目に、ポルトガルの海外戦略の総司令官ともいえるアルブケルケの号令の下、アフリカのシルヴェイラ、エスピノザ、東南アジアの例のペレイラが、インド洋掌握を旗印に協定を組みやがったのです。シルヴェイラはアフリカから動くつもりは無くやる気なさげですが、エスピノザとペレイラはそれぞれ違う理由で(前者は金とアンチ・ウッディーン感情、後者は愛国心)意欲を燃やしまくっている様子です。
くっそーー!早くインド洋に帰らねば~~!
なのに、某所から呼び出しが。こんな時に何の用じゃい、サン=ジョルジュのギルドお~~~!!
どの道通り道だった事もあり、とりあえず寄航してみると、サン=ジョルジュのギルドマスターから部族の仮面を取り戻して欲しいとの依頼を受けました。町での聞き込みの末、生意気な現地の若造をウッディーン様の毒舌で脅して締め上げて吐かせた結果、仮面はスペイン人が持ち去ったらしく、スペインの港町を探さなければならないらしい事が判明しました。
スペインって、さっき行ってきたばっかりのとこやん!なんで行く前に言わないの、そういう事は!
乗組員一同がラファエル坊ちゃんならずとも
『今はその時ではない!』
と思ったに違いありませんでしたが、もちろんウッディーン様はあくまでノーブルに鷹揚にお引き受けになっておられました。そして、そのまま涼しい顔でインド洋に向けて出発なさいました。
…まあ、いつまでに取り戻す、とは約束してなかったけどな。
本当に悪人です。
しかし、実際それどころではなかったのです。アフリカ東岸を北上中に、敵の攻撃によりマドラスとカリカットの港が陥ちた、との情報が入ります。町を買い占めると、他勢力と交戦状態になった折には敵艦隊に向かって町から砲撃してくれるのですが、よほど軍事投資をして軍事力を上げておかないと大抵陥落します。すると勢力が落ちます。そこを目掛けてシェアを奪われます。
ああ、心配です。流石にカルカッタとセイロンはがちがちに武装しているから陥ちないだろうけど、他の町が心配です。
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