こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

20ヶ月振りのバッハのカンタータ

2015年02月05日 23時37分11秒 | バッハ
しばらく前から、「イスラム国」のことでニュースは持ちきりでしたね。この集団にどう対応したらいいのか、途方に暮れるしかありませんね。集団的自衛権を唱えたことから、こんなことが起きかねないな、という心配はあったと思うのです。今後この集団がエスカレートする恐れは十分にありますし、それに対して目には目をでは、解決の糸口すら見えない。憎しみは憎しみを産むばかり。大袈裟ではなく。人類の叡智が試されるといっても過言では無いですねえ。困った。

そんな中、前回に続いてバッハであります。一年八ヶ月振りのカンタータですね。先日ネットを見ていたら、ガーディナーのカンタータの全曲が発売されていたことを初めて知りました。一昨年の秋に56枚組で2万円と少しの値段でした。このシリーズは、バッハ没後250年企画として、ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団による企画「バッハ:カンタータ巡礼」は、全世界の聖地を巡礼して、バッハの全カンタータを演奏するというもの。DGはこのツアーと並行して録音を行い販売したが、企画は頓挫。それを引き継いで、ガーディナー自身の"モンテヴェルディ・プロダクションズ"の"Soli Deo Gloria"レーベルから発売されたのでしいた。ジャケットに世界の様々な民族が民族衣装をまとった写真でした。すべてがカンタータを歌うキリスト教徒ではないのは明白です。この写真を使ったことには、どんなメッセージがあるんでしょうかねえ。それはさておき、このBOXは、現在HMVでは品切れですが、アマゾンやタワーさんでは購入可能なので悩んでおります。

ですので、ガーディナーのカンタータは取り上げられませんが、今回は鈴木雅明さんとBCJの演奏によるカンタータであります。BWV.62。「いざ来ませ、異邦人の救い主」です。ライプツィヒの聖トーマス教会のカントルに就任し翌年の1724年12月3日、待降節第1日曜日に初演されたものです。合唱 (Cho)、アリア (T)、レチタティーヴォ(Bs)、アリア (Bs)、レチタティーヴォ (S,A)、コラールの6曲からなるカンタータです。野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(C-T)櫻田亮(T) ペーター・コーイ(Bs)による独唱。録音は2004年3月です。

鈴木さんとBCJのカンタータは全曲が録音され、非常に高い評価なんですねえ。確かに管弦楽には、この音楽の本質をつくような鋭さやキレを感じますね。オケは透き通った音色で、たいそう豊かな表情。そして澄んだ美しさは。比類なきものであります。そして、スキやムダがなく、気持ちの強さは、この演奏でしか聴けないものかもしれません。歌手も、オペラを歌うのとは違い、贅肉を削ぎ落とした歌唱は、これはこれで満足させえくれますね。ただ、宗教的な部分については、どうなんでしょうか。難しいことはさておき、例えば教会で奏でられる音楽ということでは、この他にも優れた演奏はあるように思います。しかし、それは私が演奏を好きかどうかを図る尺度とは、少々異なるのですね。断然、私はこのBCJの演奏の方が好きですね。そして、このことは、BCJの演奏にはあまり宗教色を感じないのかも知れません。それは、宗教が生活や肉体の一部になっている欧米人とはやはり感覚が異なるためでしょうか。

まず合唱。冒頭から迫力と緊張感で一気に駆け抜けます。合唱もムダがありません。テノールのアリア。櫻田さんの透き通ったテノールで、バッハのよさがしみじみと感じられるアリアが歌われます。実に味のあるアリアで、こんな曲があるからカンタータは聴き続けるのでありました。コーイのバスによるアリア。ドリルで勢いよく穴をあけるような曲調は、親しみ安い。澄んだ弦がいいです。そして、コラール。この短いカンタータを閉める短いコラール。合唱の美しさが印象的です。鈴木さんのカンタータ、美しさにあふれています。

やはり、バッハのカンタータは、聴けば聴くほど味がでますね。しかし、昨日は立春でした。まだだ寒いです。
(BIS BIS-SACD-1451 2005年 輸入盤) 

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ケンプのバッハはいいなあ。 | トップ | 財布を無くしたら、「悲愴」だ! »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
BWV21 (neoros2019)
2016-09-22 06:25:53
『我に悩み多かりき』という附せられた副題に惹かれて、中学生の頃リヒターのARCHIVのLP盤を買い求めて以来、FMでこの曲ばかり追いかけていた時がありました。
鈴木雅明が振ったBWV21は、一人1パート式なのか小規模の静謐な透明な響きに耳が釘付けになります。
返信する

コメントを投稿

バッハ」カテゴリの最新記事