こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

セルのモーツァルト

2015年05月08日 23時19分05秒 | モーツァルト
GWの5連休の間、家人の実家に行ったときに、ついで日本橋に行きました。しかし日本橋って変わりましたよねえ。結婚するときに丸丹電気ってとこで、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品を買って、安くしてもらったことを思い出しますが、今やそんな家電を売っているお店って少ないし、電器屋さん自体も実に少なくなりましたよね。加えて、中古CDやさんのJJの一番広かったお店も無くなっていました。アニメやビデオのお店ばかりが増え、なんだかよくわからない街になってしまいました。これも時代の流れでしょうか。

ということはさておき、今回はモーツァルトであります。その日本橋に行ったときに、難波まで歩いて、タワーさんに寄りました。ここも売場面積が狭くなりました。そこで、ジョージ・セル指揮クリーブランド交響楽団による、モーツァルト交響曲28.33.35.39.40.41番その他の2枚組CDを買いました.このCDは「タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第8期第I回10タイトル」の中の一枚なので、タワーさんでしか買えないと思っていましたが、HMVでも買えました。以前もそんな誤解をしていました。

実は、先入観としてセルによるモーツァルトって、あまり面白くないのでは、と思っていました。まあ思い込みなんですが…。今回このCDを聴いてみました。特に、印象深かったのは、交響曲第28番でありました。これは、1965年10月1日・2日の録音であります。この曲は1773年ごろに作曲されたもの。モーツァルトは1773年7月から9月にかけてウィーンに滞在したが、この折りにハイドンなどから大いに影響を受けたと言われています。そのウィーン滞在のあとに作曲されたものですね。モーツァルト、17才のころのものでありました。

この頃のモーツァルトの作品では、やはり古楽器によるものが主流でしょうか。例えば、ブリュッヘンと演奏などと比べてみると、このセルの演奏は音色の豊かさとか奥行きの深さなど、やはり私はこっちの方がいいな、と思います。まあ好みのこともあるんでしょうが…。セルとクリーブランド管の演奏は、モダン楽器の最高峰とも言える演奏を聴かせてくれます。このモーツァルトの交響曲の演奏は、この全盛期だったセルの演奏が堪能できます。この28番にしても、オケの演奏の緻密さ、堅固な構成、一糸乱れぬ完璧さなど、驚くべきものであります。加えて、たいそう元気がいいのです。セルがオケと全身でモーツァルトの音楽を再現する気持ちが伝わってくるのです。優雅さや優しさなど、無縁の演奏かもしれませんが、この演奏を聴いていると、不思議とそんなことを求める気持ちは全くなくなっているのでした。わずか17分どの曲ですが、実に満足してしまいます。

第1楽章アレグロ・スピロトーソ、冒頭のユニゾンによる主題から、オケの緻密さが現れています。少々速めのテンポでグイグイ進んでいきます。十代後半のモーツァルトの颯爽とした若さが現れております。時折のオーボエの音色が懐かしさを感じます。第2楽章アンダンテ、優雅さには欠けるかもしれないが、ヴァイオリンによる歌謡的な主題が二ついろいろと展開していきます。穏やかでしなやかな美しさがいいですね。モーツァルトのよさがしみじみと、そしてそれは知性的に感じられるのでありました。第3楽章メヌエット。一転して強奏してもメヌエット。ここでも、緻密で元気あふれるメヌエットが心地よいです。ユニゾン風の主題も爽快であります。そして第4楽章ブレスト。速めに駆け抜けるところは数あるモーツァルトの終楽章の同様であります。ここでもセルの力量は遺憾なく発揮され、縦横無尽のオケの響きがこの疾走する終楽章を実に安定したものに仕立てております。この演奏によって、モーツァルトの若書きとは思えない充実振りがこの曲から感じ取れるのでありました。

中古やさんでは、ヘンデル、ヴィヴァルディなども買いましたが、これは最近の私の傾向でもありました。中古やさんも店はドンドン少なくなっているのですよねえ。
(SONY SICC1727-8 2014年 輸入盤)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2015-05-09 22:20:57
ご無沙汰しております。音楽を聴くには、良い季節になりましたね。
さて、セルのモーツァルトですか。LP時代、セルはやや苦手な指揮者でした。主にエピック・レーベルの廉価盤で出ていたと思いますが、CBSソニーの高域過剰の音創りが、演奏の質にも影響していたようで、好きになれませんでした。それでも、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、シューマン、コダーイなど廉価盤で購入していました。
CDになってから聴いてみると、あの高域過剰はなくなり、モーツァルトもハイドンも良い演奏だったことに気づきました。今、古楽器がブームというより、普通になってきましたので、セルやベーム、カラヤンなどのモーツァルトは古いのでしょうが、作曲当時の再演だけが、音楽の聴き方ではないはずで、私も大編成のモーツァルトが嫌いではありません。良い音楽は、どんな演奏スタイルにも対応できると思います。
ところで、音楽の聴き方は、いやおうなしにパッケージ・レスに移行しています。私は採用していませんが、いまはやりのハイ・レゾもパッケージはありません。つまり、これからレコード屋さんはどんどん減っていくということです。私の周りにも中古CD屋(ブックオフなど)さんはありますが、新品のCD屋さんは本当に少ないです。新品のCDはアマゾンで買うことが多いです。中古はブックオフ、新品はアマゾンが普通になっていくのではないでしょうか。その他の人は配信で曲を買うのでしょうか。本当にこの先、どうなっていくのでしょうかね?
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2015-05-10 22:43:21
クレモナ 様、コメントありがとうございます。私は、セルの演奏、これまで聴いたことは、少ない方だろうと思います。CDになっても、同様だったんでしょう。ですので、まとまって出してもらえると有り難いですね。私は、古楽器よりもモダン楽器の方が好きです。やはりその方が音が洗練されているようです。ご指摘のパッケージレスですが、やはりこれは寂しいですね。ほんとにCDやさんは少なくなってきましたね。もはや外資系の2つしかないと言っても過言ではないかもしれません。そうはいっても、私も将来は配信にお世話になることになるんでしょうかねえ。なんともであります。またご教示ください。
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