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クーベリックのベートーヴェン

2009年02月20日 22時16分04秒 | ベートーヴェン
先週末から今週にかけて、二月にしては暖かすぎるばか陽気がありました。なんでも二月の最高気温を記録したとか。まあ、困ったことですねえ。GDPがオイルショック以来の下げ幅となったこともありました。これも困った。加えて、イタリアくんだりまで行って、世界中に恥をかいた人もいました。これも困ったことですねえ。「百年に一度の経済危機」という割には、その対策が…。、困ったことですねえ。今の日本、困ったことだらけであります。いやはや。とほほであります。

困った、困った、と言っていても仕方ないので、今回はラファエル・クーベリックであります。クーベリック、いいですねえ。自分の贔屓にしている指揮者の中に確実に含まれる人であります。そのクーベリックのベートーヴェン。彼が1974年から翌年にかけて、世界の9つのオーケストラと録音したベートーヴェンの交響曲全集がありますが、これは当時、DGではカラヤンとベームの交響曲全集が計画されていたことと関連して、クーベリックが彼の手兵であったバイエルン放送交響楽団やBPOとの全集が出来ず、その代わりにこのような変則的なものになったんでしょうか。でも、それはそれで大きな当時話題となりましたし、今となってはたいそう興味深い企画となったように思います。それでこの全集、いいです。9曲ともたいそうな名演です。

クーベリックについては、近年ラ多くのライブ録音が発売され評判になりました。確かに、熱い激しいライブは、セッション録音との違いが指摘され、ライブ録音の方が支持を集めるような気配すらあります。確かにライブの方が、聴いていておもしろいものは多いかもしれません。しかし、セッション録音でも、クーベリックらしさと彼の音楽の魅力を十二分に感じることができます。クーベリックの魅力とは、その奇を衒わず、作曲家の意図を十二分に再現しようとするよいうな誠実な演奏と、すみずみまで配慮された音づくり、そして、セッション録音ではライブほど明白ではありませんが、熱い気迫溢れる音楽が展開されるところ、などではないかと思います。彼は多くの録音を残しましたが、このベートーヴェン全集は、正しく最良の遺産のひとつであります。

9曲、すべていい演奏ですが、今回は第2番ニ長調作品36。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団です。この曲はベートーヴェンの初期の作品ですが、その堂々たる曲つくりは、クーベリックをしてベートーヴェンの代表作したと言っても過言ではありません。第1楽章、アダージョの序奏から主題にたどり着くまでは、実にうまい。そして、主題も鮮やかに登場します。その後の転調を重ねての展開のあたり、細やかな配慮と曲作りが堪能でします。堂々として、または繊細な表現、なんとも魅力的です。第2楽章では、コンセルトヘボウの美音が良く聴けます。このオケの音色も豊かでさすがです。短いスケルツォを経ての終楽章。ここでも決して力まず自然体なんですが、それでいて迫力に満ちた、またおもてだっての熱気は感じないまでも、無理はせず安定した中にも滲み出てるクーベリックの熱い曲に対する想いが十二分に感じられます。実に、熱気とや熱い想いを秘めた、堂々としたベートーヴェンです。

しかし、これが録音された1970年代前半、DGではカヤラン、ベームに加え、クーベリックもほぼ時を同じくして、ベートーヴェンの全集をセッション録音するという、すごい時代でしたね。まさにDGの黄金時代ですね。
(DG UCCG3934 2005年 20世紀の巨匠シリーズ)

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